Photo: Barry Feinstein

ボブ・ディランはザ・バンドとの1974年ツアーの全ライヴ音源を収録した27枚組CDボックス『偉大なる復活:1974年の記録 (The 1974 Live Recordings) 』が9月20日にリリースされることが決定している。

本作はザ・バンドをバックに迎えた1974年の公演から現存する録音をすべて収録したとのことで、CD27枚組の豪華ボックス・セットには全431曲が収録される。未発表ライヴ音源は417曲で、そのうち16トラックのテープから新たにミックスしたのが133曲となり、残りは現存するサウンドボード等からの音源となる。

なお、1974年発売『偉大なる復活』にはザ・バンド単独による演奏も収録されていたが、今回は含まずボブ・ディランのみのパフォーマンスとなる。数多くの未発表写真を掲載したオリジナル・ブックレットにはジャーナリスト・評論家のエリザベス・ネルソンによるライナーノーツも収録し、日本版ブックレットには3万字を超える翻訳解説と書き下ろし、歌詞・対訳が掲載される。

リリース発表に際して2月9日のシアトル公演「午後の部」より“Forever Young”の未発表音源が公開されている。

74年のツアーは1974年1月3日、竣工当時世界最大の屋内アリーナだったシカゴ・スタジアムからキック・オフとなった。オープニングは“Hero Blues”。『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』のセッションでのアウトテイクをアコースティックからエレクトリックに替えた、それまで、あるいはセッション時以降ほとんど演奏されることのなかった曲だった。その他のレア曲としてはワイルドに生まれ変わった“The Ballad of Hollis Brown”、1962年以来となった“Songs to Woody”や『プラネット・ウェイヴズ』のアウトテイク“Nobody ‘Cept You”などが初日の夜に演奏された。「ヨーロッパではステージというステージでブーイングされてほうほうのていだったよ」とザ・バンドのロビー・ロバートソンは、前回ボブ・ディランと一緒に行ったツアーについて『ニューズウィーク』誌とのインタヴューで振り返っている。「今夜シカゴで起こったことは、僕たちにとって本当に心強いことなんだ」

1974年のツアーは当初ステレオのサウンドボード・ミックスで、1/4インチのテープとカセット両方で録音された。ツアー終盤には、アサイラム・レコーズのデヴィッド・ゲフィンが、『偉大なる復活』の最終的なリリースに向け、当時スタンダードだったマルチトラック・テープでの録音を行なっている。今回リリースとなる『偉大なる復活:1974年の記録』にはカセットと1/4インチのテープ、そして新たにミックスを施した16トラック・テープで録音されたライヴ音源、それらのすべてが収録されている。

『偉大なる復活:1974年の記録』27CDボックスに加え、サード・マン・レコーズは3LP『The 1974 Live Recordings – The Missing Songs From Before the Flood』をリリースする。ボックスから抜粋されたLP3枚組 / 7インチ盤1枚のセットで、ライヴ・アルバム『偉大なる復活』のリリース当時には収録されなかった未発表ライヴから厳選されたヴァージョンを収録したものとなる。カラー・ヴァイナル限定プレスとなるこのセットは、サード・マンの顧客向け直接通販サイト、ザ・ヴォルトを通じて入手可能となる。

リリースの概要は以下の通り。

ボブ・ディラン 『偉大なる復活:1974年の記録』
Bob Dylan/ The 1974 Live Recordings
2024年9月20日発売 SICP-6621~6647(27CD BOX) 35,640円(税込)
完全生産限定盤/輸入盤国内仕様 解説・歌詞・対訳付
ディスク1:1974年1月3日@シカゴ・スタジアム(イリノイ州シカゴ)
ディスク2:1974年1月4日@シカゴ・スタジアム(イリノイ州シカゴ)
ディスク3:1976年1月6日 (午後の部) – @ザ・スペクトラム(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
ディスク4:1974年1月6日 (夜の部) – @ザ・スペクトラム(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
ディスク5:1974年1月7日 – @ザ・スペクトラム(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
ディスク6:1974年1月9日 – @メイプル・リーフ・ガーデンズ(カナダ、トロント)
ディスク7:1974年1月11日 – @モントリオール・フォーラム(カナダ、モントリオール)
ディスク8:1974年1月14日(午後の部) – @ボストン・ガーデンズ(マサチューセッツ州ボストン)
ディスク9:1975年1月15日 – @キャピタル・センター(メリーランド州ラーゴ)
ディスク10:1974年1月16日– @キャピタル・センター(メリーランド州ラーゴ)
ディスク11:1974年1月17日 – @コリシアム(ノースカロライナ州シャーロット)
ディスク12:1974年1月19日 (午後の部) – @ハリウッド・スポータトリアム(フロリダ州ハリウッド)
ディスク13:1974年1月21日 – @ジ・オムニ(ジョージア州アトランタ)
ディスク14:1974年1月22日 – @ジ・オムニ(ジョージア州アトランタ)
ディスク15:1974年1月26日 (午後の部) – @ホフハインツ・パビリオン(テキサス州ヒューストン)
ディスク16:1974年1月26日 (夜の部) – @ホフハインツ・パビリオン(テキサス州ヒューストン)
ディスク17:1974年1月30日 – @マディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク州ニューヨーク)
ディスク18:1974年1月31日 (午後の部) – @マディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク州ニューヨーク)
ディスク19:1974年1月31日 (夜の部) – @マディソン・スクエア・ガーデン(ニューヨーク州ニューヨーク)
ディスク20:1974年2月9日 (午後の部) – @シアトル・センター・コリシアム(ワシントン州シアトル)
ディスク21:1974年2月9日 (夜の部) – @シアトル・センター・コリシアム(ワシントン州シアトル)
ディスク22:1974年2月11日 (午後の部) – @アラメダ・カウンティ・コリシアム(カリフォルニア州オークランド)
ディスク23:1974年2月11日 (夜の部) – @アラメダ・カウンティ・コリシアム(カリフォルニア州オークランド)
ディスク24:1974年2月13日 – @ザ・フォーラム(カリフォルニア州イングルウッド)
ディスク25:1974年2月14日 (午後の部) – @ザ・フォーラム(カリフォルニア州イングルウッド)
ディスク26:1974年2月14日 (夜の部) – @ザ・フォーラム(カリフォルニア州イングルウッド) (Pt. 1)
ディスク27:1974年2月14日 (夜の部) – @ザ・フォーラム(カリフォルニア州イングルウッド) (Pt. 2)

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ