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ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリヴァー・サイクスは『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』の収録曲の一つが「イスラエル・パレスチナ紛争への批判」であることを明らかにしている。

問題の曲はアンダーオースとのコラボレーションである“a bulleT w/my namE On”で、同曲でクリスチャンとして知られるアンダーオースのスペンサー・チェンバレンは「And if Jesus Christ returns/We’ll just kill the fucker twice(イエス・キリストが戻ってくるとしても、二度殺してしまうだけだ)」と歌っている。

オリヴァー・サイクスはYouTubeのコメント欄で論争となった宗教について言及して、キャリアを通してどちらかというと強く無神論的な歌詞を書いてきたにもかかわらず、このトラックが何を指しているのか、そして宗教に対する彼自身の考えの移り変わりについて述べている。

「私は擬人化された神を信じておらず、この視点を反映した歌詞もあるが、友人には信仰が彼らを深く助け、より良い方向へと変えてきた人もいて、組織化された宗教が人の良い面を引き出すのであれば、それは素晴らしいことだと考えている」とオリヴァー・サイクスは述べている。「私は自分のことをスピリチュアルだと思うし、崇高な力についても信じている。でも、宗教的背景を持つアーティストにこの歌詞を歌ってもらったのだから、この曲の背後にある考えを説明したい」

「曲は全体としてイスラエル・パレスチナ紛争への批判なんだ。共感などの感情的な観点というよりは非難や言い訳というレンズで地政学的な問題を見つめ、一般大衆として議論したものだ。それは紛争についての極めて表面的な理解によるものだ(大抵の情報は緻密な研究というよりもクリックベイトな見出しや印象操作、ミームといった形で伝わるものだったりするからね)」

「そして、第二に戦争自体が権力の座にいる人物によってどのように扱われているかについての曲となっている」

https://x.com/SOTSPodcast/status/1796642245220716784

オリヴァー・サイクスは続けて「波紋を呼んだ」歌詞に目を向けている。「『And if Jesus Christ returns/We’ll just kill the fucker twice』という歌詞は、権力の座にいる人物は平和や正義を主張する人物であっても、道徳的/倫理的に敵対する相手を権力の座から追放してみせることの批判へとなっている」

「この曲は戦争犠牲者の想像上の視点で描かれており、問題の歌詞を含む部分は、イエスのような重要な人物がパレスチナ/イスラエルの犠牲者を救うために戻ってきたとしても、統治機関は彼らを排除する可能性が高い――イエスがかつて処罰されたように――という絶望と怒りが込めることを意図したものだった。『back hurt your knife(刺したナイフのほうが傷ついたって?)』という歌詞は、権力者がしばしば用いるねじ曲がった論理を反映したものだ。権力者は自分たちの抑圧的な行動によって引き起こされた問題に対して責任を逃れ、代わりに被害者に責任を転嫁する」

「歌詞は衝撃を与えたり怒らせたりしたいという私の思いよりも、紛争の地域とその宗教的意義が反映されている」

オリヴァー・サイクスは次のように締めくくっている。「要約すると、この曲はガザで進行中の紛争と人道的危機に対する私の感情を反映させることを意図したものであり、偉大なるイエス・キリストに対する憎しみではない。西側世界が罪のないパレスチナ人とイスラエル人の権利と人間性について道徳的に対処していないだけでなく、暴力と苦しみの連鎖を永続させていることに一石を投じたんだ。さらに、こうした戦争においては、どちらの陣営でもあなたや私のような生身の人間が紛争地域に生まれたということ以外には何の罪もないのに亡くなるという悲劇的な現実に光を当てている。私たちの音楽を聴いてもらうのに特定の神を信じることが必要だというのなら、それには応えられない。でも、この曲は自分にとって深い意味を持ち、ある特定の状況においては公開したらクールだと思ったんだ」

5月24日にリリースされた『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』はフィジカルでは9月27日に全世界同時発売される予定となっており、豪華国内盤の詳細は今後発表される予定となっている。

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