ドナ・サマーの遺産管理団体はカニエ・ウェストのアルバム『ヴァルチャーズ1』の収録曲で“‘I Feel Love”が違法で使われたことについて和解したと報じられている。
この申し立てはカニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインを相手取って今年2月に起こされたもので、2人のコラボレーション作で“I Feel Love”が許可なく使われていると主張していた。
著作権侵害の申し立ては2月27日にドナ・サマーの遺産管理団体の執行人である夫のブルース・スダーノによってカリフォルニア州ロサンゼルスの連邦裁判所に提出されている。
カニエ・ウェストの代理人は“Good (Don’t Die)”で“I Feel Love”を使う許可を求めたが、「カニエ・ウェストが物議を醸してきた経緯に関係したくない」ドナ・サマーの遺産管理団体によって断られたと述べている。
ブルース・スダーノはカニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインがドナ・サマーのレーベルであるユニバーサル・ミュージック・エンタープライズに接触したが、それも断られたと述べている。
それにもかかわらずカニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインは「臆面もなく」“I Feel Love”を「すぐに判別できる」形で使ったとのことで、“Good (Don’t Die)”は各種ストリーミング・サービスで音源が取り下げられている。
今回、米『ローリング・ストーン』誌をはじめとするメディアはドナ・サマーの遺産管理団体がカニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインとの和解に応じたと報じている。
ロサンゼルスの連邦裁判所に提出された状況報告書の中でドナ・サマー側の弁護士は両者が5月3日に「グローバルな和解」に至ったとして、正式に訴訟を解決するための署名集めを始めたと述べている。
「原告は最終的な和解契約がまもなく締結され、その後すぐに、当事者は訴訟の全面的な却下を求める合意書を提出できる立場になると見込んでいます」と弁護士のスタントン・L・スタインは述べている。
「万が一、当事者が2024年6月14日までに和解を成立させることができない場合、原告はすべての被告に対して訴訟を着々と遂行するつもりです。そのため、原告は現時点では却下しないよう要請しています」
カニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインのアルバムについては他にも著作権侵害についての騒動が起こっていて、オジー・オズボーンはブラック・サバスの“Iron Man”が許可なく使われていることについて使用禁止命令を出し、当該部分は別のギターのフィードバックに差し替えられている。
オジー・オズボーンはカニエ・ウェストについて「反ユダヤ主義者で多くの人々を計り知れないほど傷つけたため、許可を拒否した」と述べている。
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