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ユニバーサル・ミュージック・グループはカニエ・ウェストの“Power”におけるキング・クリムゾンのサンプリングを巡って和解に達している。

カニエ・ウェストの通算5作目となるアルバム『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』に収録されている“Power”は1969年発表の『クリムゾン・キングの宮殿』に収録されている“21st Century Schizoid Man”をサンプリングしている。

“Power”はユニバーサル・ミュージック・グループがロッカフェラとのジョイント・ヴェンチャーで所有するデフ・ジャム・レコーディングによってディストリビューションされている。

カニエ・ウェストは“21st Century Schizoid Man”を許可なくサンプリングしたとされており、“Power”はスポティファイで9億2600万回以上、YouTubeで1億4000万回以上、再生されている。

ユニバーサル・ミュージック・グループは2022年にキング・クリムゾン側から“Power”の印税を支払うべきだと訴訟を起こされている。訴訟は“21st Century Schizoid Man”の複製および配信する権限を与えられているデクラン・コーガン・ミュージック(DCM)が起こしている。

DCMはストリーミングでの印税収入はCDでの印税収入と較べ物にならないとして、ユニバーサル・ミュージック・グループが「印税の会計義務を遵守せず、現在も遵守していない」と主張している。

『ヴァラエティ』誌によれば、ユニバーサル・ミュージック・グループとDCMは販売または「その他の形で利用された」“Power”について5.33%の印税をキング・クリムゾンに支払うことで合意している。カニエ・ウェストの楽曲が裁判の対象になったものの、カニエ・ウェスト自身は裁判に関与していない。

『ヴァラエティ』誌はこの裁判が高等裁判所で審理される予定だった週の月曜日に和解合意に達したことも報じている。高等裁判所は合意書に署名しており、請求に関する命令も、裁判費用に関する命令も行わない形で裁判を締めくくっている。合意の詳細については公開されていないが、『ヴァラエティ』誌はDCMが合意の一部として支払いを受けたと報じている。

カニエ・ウェストは2022年10月よりツイッターやインスタグラムで反ユダヤ主義的な発言をしており、そのためにアカウントが停止されることとなっていた。

カニエ・ウェストは昨年12月にヘブライ語のメッセージを投稿しており、次のように記されていた。「私の言動によって意図せぬ感情を引き起こしたことについてユダヤ人コミュニティに心から謝罪します。傷つけるつもりも、無礼なことをするつもりもありませんでした。私が引き起こしたかもしれない痛みについて深く後悔しています」

「自分を見つめ直し、今回の経験から学んで、今後は繊細で理解ある行動をとることを約束します。みなさんに許してもらうことが自分にとっては重要で、償いをして、大きな結束を促進していきます」

カニエ・ウェストの反ユダヤ主義的な発言については非難を受けており、弁護士、事務所、レコード会社、アディダスやバレンシアガといったファッション・ブランドから契約を打ち切られている。世界各地の有名人や政治家もその発言を批判していたが、カニエ・ウェストはクリス・クオモとのインタヴューで「反ユダヤ主義」という概念自体を否定していた。

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