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ロバート・プラントとデヴィッド・ギルモアはAIによって生成された音源をめぐって遺産管理団体と法廷闘争を行っているスティーヴ・マリオットの子どもたちを支持することを表明している。

スモール・フェイセスやハンブル・パイのフロントマンを務めたスティーヴ・マリオットの子どもたちは人工知能によって生成された音楽のリリースを阻止するため、現在遺産管理団体と争っている。

レコーディングに関する契約はまだ結ばれていないものの、AIによって生成された音源については1991年に亡くなる2年前にスティーヴ・マリオットと結婚した3番目の妻であるトニ・マリオットが許可を出していると子どもたちは主張している。

『ヴァラエティ』誌に出した声明でスティーヴ・マリオットの娘であるモリーは兄弟と共にAIによって作られた音源が公開されることを断固として阻止する理由について説明している。

「遺産管理団体は父スティーヴの昔の曲や新曲によるAIが作ったソロ・アルバムをリリースしようとしています。悲しいことに私の兄弟であるレスリー、トビー、トニアと私で構成される遺族は遺言がなかったため、遺産管理団体には関係していません。遺産管理団体は亡くなる前の2年間だけ一緒にいて再婚した継母によって管理されています」

「ハンブル・パイやスモール・フェイセスのバンドメンバーと共に私たちは父の名を汚すことになるアルバムの実現を阻止したいと考えています。生々しいヴォーカルによって世代でも最高のヴォーカリストの一人だった父がこのことを知ったら胸を痛めるでしょう。アルバムはお金のためのものであり、アートや審美眼のためのものではありません」

「亡くなったアーティストには何の権利もなく、創造性や芸術を含め、この世界のあらゆる自然なものがAIによって本当に滅びようとしており、それに抵抗する活動の始まりになればと思っています」

モリーと彼女の兄弟だけでなく、この活動はレッド・ツェッペリンのロバート・プラントやピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアからの支持も取り付けている。

その他、ブライアン・アダムス、ポール・ウェラー、ゲイリー・ケンプ、グレン・ヒューズ、ポール・ロジャースをはじめ、スモール・フェイセスのケニー・ジョーンズ、ハンブル・パイのピーター・フランプトンとジェリー・シャーリーも支持している。

ロバート・プラントは次のように述べている。「この素晴らしい音楽の世界に足を踏み入れた時、私たちの誰もが夢見たこととはかけ離れたものだ。このような事態を傍観して支持することはできない」

こうした批判を受けて、1997年からスティーヴ・マリオットの遺産管理団体に務めるクリス・フランスは『ヴァラエティ』誌に次のように語っている。「AIを使った音源でスティーヴ・マリオットの声を使う計画はありません」

しかし、クリス・フランスはそれが今後も変わらないとは明言していない。「だからといって、オファーをいただいている何社かのうちの1社との契約が成立しないということではありません。残念ながら、御意見は私や遺産管理団体にとって影響を及ぼすものではありません」

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