フィリップ・アンセルモのバンドメイトであるダウンのペッパー・キーナンは、フィリップ・アンセルモがナチス式の挨拶で騒動を巻き起こしたのを受けて、フロントマンの謝罪を受け入れている。
パンテラでフロントマンを務めていたことで知られるフィリップ・アンセルモだが、パンテラのギタリストだった故ダイムバッグ・ダレルを偲んで、ハリウッドで開催されたダイムバッシュに参加した際、演奏の終わりに挨拶をした場面で敬礼をしている様子を映像に収められており、その後謝罪を余儀なくされている。
当初、フィリップ・アンセルモはこの行動を「冗談だ」としていたが、騒動の勃発後、オランダのフェスティバル出演を打ち切られていたのを受けて、フィリップ・アンセルモはダウンを脱退する意向を表明している。
ダウンのギタリストであるペッパー・キーナンは、2月4日にフェイスブックに投稿し、フィリップ・アンセルモの行動を大目に見るつもりはないものの、彼がいい人であることを信じているし、「内心は彼に人種差別的憎悪がないことを僕は知っている」としている。
問題の行動と発言はこちらから。
ペッパー・キーナンは次のように綴っている。
「俺を知っている人だったら分かると思うけど、俺はそんなにソーシャル・メディアに手を出してない人間なんだ。でも、先週のダイムバッシュで起こったことを受けて、家族や友人や音楽仲間や世界中のファンに届ける形で対応をする必要があると感じたんだ。
先週のフィリップ・アンセルモの言動で悲しんでるし、混乱している。彼の行動と発言は大目に見ることはできないものだよ。『冗談だった』とした落ち度もひどくバツの悪いものだったし、受け入れ難いものだった。
ああした思想は自分とは正反対のものだ。僕の心は愛と魂とともにあって、僕の音楽もあらゆる種類の人々と音楽スタイルに影響を受けてきたものだ。僕は、音楽とは普遍的で全人類のための贈り物として見ているし、ニューオーリンズ出身者の誇りに思えることだけど、人生とは音楽を通して違いを祝福することなんだ。人々を共にすることであって、人々をバラバラにするものじゃないんだよ。
フィルのために語るようなことをするつもりはない。でも、人生の長い間、知ってきた間柄だし、彼に内心は人種差別的憎悪がないことも僕は知っている。しかし、今この瞬間はフィルは自己反省に自身のエネルギーを集中してほしいと思ってるし、自身の見方を取り戻す一歩を始めてもらいたいと思ってるし、彼自身と彼の音楽に感動してきた人々を癒してもらいたいと思ってる。
ダウンを通して、フィルと僕はたくさんの美しく力強い楽曲をこれまでに書いてきて、どんな人種の人々もそれらにポジティヴに感動し、インスパイアされてきたんだ。そして、それは聴いた人々を最も暗い季節から抜け出させる手助けをしてきたんだよ。このことを僕は軽んじていないし、こうしたものは自身を地に足のついた、謙虚で、感謝を感じる人間でいさせてくれる良心と常に向き合ったものでなければならないんだ。
僕としては、アーティストやミュージシャンでいることの責任や楽しさの一つとして、世界を素晴らしい場所にしていく手助けをするというのがあると思ってる。
僕はフィルの謝罪を受け入れるよ。僕は彼ができると信じている。
もし必要なら、そばにいるよ。
愛と敬意を。
ペッパー・キーナン」
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