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現地時間2月3日に亡くなったアース・ウィンド・アンド・ファイアーのモーリス・ホワイトだが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのメンバーは今年1月、グラミー賞の功労賞を受賞したことを受けて、モーリス・ホワイトの輝かしい功績について米『ビルボード』に語っていた。

モーリス・ホワイトは、ラムゼイ・ルイス・トリオのドラマーを務め、そして自身のバンドであるソルティ・ペパーズでしばらく活動した後、1969年にアース・ウィンド・アンド・ファイアーを結成している。

ヴァーダイン・ホワイトは次のように語っている。「モーリスは、1960年代後半に、アース・ウィンド・アンド・ファイアーを結成した時、あらゆることを実現できるバンドを目指していたんだ。そして実際、アース・ウィンド・アンド・ファイアーはすごいことをやってのけ、大きな変化を遂げたよ。モーリスは、すでにラムゼイ・ルイスとプレイしていたし、当時からプロフェッショナルなミュージシャンだったから、僕なんかよりずっと、業界の悪い面をはじめ、いろんなことを知っていたんだと思う。僕はまだ17歳か18歳のガキで、カリフォルニアでミュージシャンになる機会を得て、兄貴と一緒にプレイすることができるだけでハッピーだったんだ」

モーリス・ホワイトの音楽に取り組む姿勢についてフィリップ・ベイリーはこう語っている。「モーリスはすさまじいほどの仕事に対する意欲を持っていたよ。彼にならって、僕たちも同じように仕事への意欲を持つようになったんだ。そして、彼は見事なまでの完璧主義者だった。僕がアース・ウィンド・アンド・ファイアーに加入したのは21歳の頃だけど、当時から、かなり高度なレヴェルのことを彼は教えてくれたよ」

音楽的な方向性については、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの前のキャリアも寄与しているとヴァーダイン・ホワイトは語る。「ラムゼイ・ルイスと組んでいたモーリスは、ジャズの影響を強く受けているんだ。チェス・レコードやその他のレーベルのヒット・レコードでもプレイしている。モーリスは、自らの素晴らしいジャズのバックグランドを次のレヴェルへと開花させたんだ。彼はいつもエネルギーに溢れていた。使命感に燃えていて、先見の明があったよ。そして、“時間”というものを理解していた。アース・ウィンド・アンド・ファイアーのようなバンドには時間が必要なことを彼はわかっていたんだ」

フィリップ・ベイリーは続けている。「モーリスと一緒にブロードウェイのミュージカルを観に行ったことがあるんだ。劇場へ着ていくキャラメル色のスーツを彼が買ってくれたことを覚えているよ。開演中は、ミュージカルのステージを鑑賞するだけでなく、観客の人たちを見て、彼らがステージのどこに目が釘付けになっているかを観察したんだ。この劇場の雰囲気を、僕たちはコンサートのステージに取り込んでいるんだ」

モーリス・ホワイトのそうしたプロデューサーとしての資質はアース・ウィンド・アンド・ファイアーに留まるものではなかったとベイリーは語る。「モーリスは常に目標を設定し、やるべきことがあった。アース・ウィンド・アンド・ファイアーの活動休止期間には、彼は、ニール・ダイヤモンド、バーブラ・ストライサンド、ジェニファー・ホリデイ、エモーションズ、デニース・ウィリアムスなどのプロデュースを手掛けていたんだ。当時の彼は、プロデューサーとしてもひっぱりだこだったんだ」

名曲“September”のレコーディングについてはヴァーダイン・ホワイトがこう振り返っている。「“September”の録音は、ワンテイクで仕上がったよ。サビの『バー・ディ・ダー/ドゥ・ユー・リメンバー』のところでは、言葉が足りなくなったんだけど、彼と共同で歌詞を書いていたアリー・ウィリスが、『何か言葉を入れなくちゃ』と進言したら、モーリスがこう答えたんだ。『いいや、歌詞は要らないよ。これで気持ちが良ければいいんだ。曲を聴いてどう感じるか。それが一番大事だからね』ってね。このことで、アリーはモーリスから多くのことを学んだと話しているよ」

モーリス・ホワイトは90年代のはじめにパーキンソン病と診断されており、1994年にバンドとともにツアーをすることを止めているが、それでもその存在の大きさは変わらなかったとフィリップ・ベイリーは語っている。「僕がアース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーになってから、20年になるけど、バンドとして決断が必要な時には、いつもモーリスが尊重するだろうと思うことを念頭に入れている。そのことが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのDNAの一部ということだけでなく、アース・ウィンド・アンド・ファイアーとしてやっていくための方法だということをみんなわかっているんだ」

ヴァーダイン・ホワイトは兄についてこう語る。「彼がツアーから離れてからも、音楽や一日の出来事なんかについてモーリスと話をしているよ。昔の思い出話はあまりしないな。いつも『頑張れよ、ベイビー』みたいな感じのやり取りをしているよ。お互いをよく理解しているからね。彼の誕生日がクリスマスの頃なんだけど、珍しく彼とビッグなハグをしたよ。モーリスは決して感情的な人じゃなく、いつも『元気でよかった。頑張ろうな』みたいな感じなんだけど。最近は、彼の家から帰るときはいつもハグするんだ。そして、『元気で何より』って言葉を交わして、それだけでお互い十分なんだ」

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