パール・ジャムは新作『ダーク・マター』の全曲について語るメンバーのコメントが公開されている。
パール・ジャムは4月19日に通算12作目となるニュー・アルバム『ダーク・マター』を世界同時リリースしている。
アルバムの全曲について解説するギタリストのストーン・ゴッサードとベーシストのジェフ・アメンによるコメントが今回レーベルによって公開されている。
その内容は以下の通り。
1. Scared Of Fear スケアード・オブ・フィア
ストーン・ゴッサード「アンドリュー・ワットのスタジオで彼に会ってから、1時間でレコーディングした曲だ。アンドリューに何かリフがあるかと聞かれて、俺が少しリフを演奏したら、『素晴らしい、じゃあ始めよう』となって、俺達はそれから10分ほどかけてアレンジをしたと思う。エディが彼に聞こえたメロディを入れてマイナーチェンジをして、多分、1時間半以内に曲が出来上がっていた。最終ヴォーカルはまだ入っていなかったかもしれないが、曲のベーシックな部分は完成していて、メロディも曲のアイディアも決まっていた。この曲が、アルバムの残りの曲のムードを設定した感じだった。毎回、そんなに早く曲が作れたわけじゃない。その週は沢山の曲をレコーディングした。それから一年待って、リック・ルービンのシャングリラ・スタジオで残りの曲をレコーディングして仕上げた。“Scared Of Fear”は、個人的に特別な曲だ。クラシックなリフが入った、非常にパール・ジャムな感じがする曲だからね」
ジェフ・アメン「最初に作り始めた曲で、実にクールなストーン・ゴッサードのリフから始まって、他の部分を考えて、少しアレンジをした。歌詞はアルバムの雰囲気を設定したと思う」
2. React, Respond リアクト、レスポンド
ストーン・ゴッサード「クラシックなリフが入った曲で、ジェフ・アメンが最初にアンドリューに演奏した曲だった。“Scared Of Fear”のすぐ後に、全員で取り掛かった。僕はこの曲に惚れ込んでいるよ。ニュー・アルバムの中でも特にオリジナリティのある曲の一つで、すごく多様な80年代のサウンドに触れつつ、ヘヴィなんだ。アップテンポの曲で、エディの素晴らしい歌声が歌詞を見事に表現している。俺が特に気に入った点は、主にオープンEを少しリバーヴをかけて弾いていて、ノンストップで弾きまくったのが楽しかった」
ジェフ・アメン「俺が考えた幾つかのパートに、実にクールなドラムが加わった。バッジーみたいに強烈なドラムになっている」
3. Wreckage レケッジ
ジェフ・アメン「エディが持っていたコードで始まって、とても作るのが楽しかった。すごくよく覚えているんだが、メンバー全員が円になって曲に加わって、本当に素晴らしかった。エディの歌詞も本当に素晴らしい」
4. Dark Matter ダーク・マター
ジェフ・アメン「マット・キャメロンが叩くドラムに合わせてアンドリュー・ワットが部屋中を飛び回る姿しか目に浮かばない曲だな(笑)。マットにはドラムがどんなサウンドになるか見えていて、このパターンを演奏していた。それで俺達が『その一部をちょっと使わせてくれ』って言って、(エンジニアの)ポールがその一部を使ってループして、ストーンと俺に渡して、俺達二人が幾つかパートを考えて、翌日スタジオに戻って来て、それぞれのパートを一つにまとめた。ストーンが非常にクールなギター・パートを書いてくれて、それがすごく彼らしいサウンドで、曲を最高にしてくれたと思う」
5. Won’t Tell ウォント・テル
ジェフ・アメン「俺が持っていた曲で、俺が話したある夢の物語を、エディが歌詞にしたんだ。彼が俺の夢を再解釈してくれて、最高だったよ。この曲では、彼が俺の精神科医みたいな感じだった」
6. Upper Hand アッパー・ハンド
ジェフ・アメン「ストーン・ゴッサードのリフで、その巨大なパレット上にマイク・マクレディのシュレッド・ギターが乗っている。楽しい曲だ」
7. Waiting For Stevie ウェイティング・フォー・スティーヴィー
ストーン・ゴッサード「アンドリューが作ったベイビーだね。メインのリフは彼のものだと思う。エディとアンドリューが一緒に作ったのかもしれないが。俺の考えでは、プロデューサーとの共作曲だ。アンドリューの考えたリフは、パール・ジャムのリフよりもサウンドガーデンのトリビュートに近いと思う。完璧な、シンプルで勢いのある曲展開があって、曲のキーも、エディがヴォーカルを入れる様子も本当に驚異的で、多くの人達のお気に入り曲になると思う」
ジェフ・アメン「俺達はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのような、シューゲイザー的な世界に足を踏み入れることはないだろうと俺は思っていたんだが、“Waiting For Stevie”は、その世界にちょっと入っているね」
8. Running ランニング
ジェフ・アメン「元々は“Big Sandy Punk”というタイトルだった。俺達の勝手な理由で、俺はこの名前にしようと頑張ったんだが(笑)」
9. Something Special サムシング・スペシャル
ジェフ・アメン「ポジティヴな感触の曲で、アルバムに必要な曲だったと思う。この曲はエディのベイビーだから、彼が話せるよ」
10. Got To Give ガット・トゥ・ギヴ
ジェフ・アメン「エディが持っていたコードから始まった曲で、ピート・タウンゼントのソロ曲を彷彿とさせる感じがあると思う。そんなわけで、俺にできる最高のピノ・パラディーノのベースをこの曲には入れてみた」
11. Setting Sun セッティング・サン
ジェフ・アメン「俺がこのアルバムで一番好きな曲の一つで、『しがみついているのは俺だけなのか?』っていうアウトロの歌詞がもの凄く重みがあって、同時に希望に満ちていて。ライヴで演奏するのが最高に楽しいリフだと思う。このアルバムには、多分3、4曲そういうエンディングが本当にビッグになる曲があって、ライヴは最高に楽しいはずだよ」
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