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ジェイムス・ブレイクはストリーミングを巡る問題の解決策としてヴォールトという新たなプラットフォームで未発表曲を公開している。

先日、ジェイムス・ブレイクはストリーミング・サービスで再生されたり、TikTokで拡散されたりしても適切な収入を得られないことを批判するツイートが話題となっていた。

その解決策を探っていたジェイムス・ブレイクだが、月額を支払うことでアーティストからの未発表曲を入手できる新たなプラットフォーム、ヴォールトでジェイムス・ブレイクは音源を公開している。プラットフォームの目的はミュージシャンが制限なく、好きなだけ音源を公開できるようにすることだとジェイムス・ブレイクは説明している。

「1週間前、ストリーミングやTikTokがアーティストの生計に与える影響についての投稿が拡散されることになった。数字を出したかったんだけど、その金額はプラットフォームによって1ストリーミングあたり、0.003ドル(0.45円)から0005ドル(0.75円)の間なんだ」とジェイムス・ブレイクはツイッターに投稿した動画で語っている。

「これは100万回再生で、3000ドル(45万円)ということになる。レーベルに所属しているなら、ここから少なくとも50%はカットされてしまうと想像してほしい。マネージメントの取り分は15%から20%となる。そして税金やレコーディング費用を考えると、アーティストにとってアートに集中することは持続可能ではなくなってしまう」

ジェイムス・ブレイクは次のように続けている。「スポティファイで月間リスナーが1,000人を超えるのはわずか19パーセントとなっている。TikTokの支払いはわずかで、ユニバーサルはカタログをすべて引き上げることになった。どうすればこの状況を打開できるのか、ずっと考えていたんだ」

「ミュージシャンが自分の作った音楽から直接収入を得る方法を見つけたかった。音楽は作るのに安価なものではなく、ミュージシャンが実際に音楽を作ることにもっと時間を費やせるようなインセンティヴを与える手助けをしたかった。多くのアーティストと話したけど、多くの素晴らしい音楽が特定の条件やトレンドに合わないためにリリースされないことに不満を感じていたんだ」

ヴォールトでは月5ドルでジェイムス・ブレイクの未発表曲にアクセスすることができ、ここでチケットや新曲など新しい発表が最初に行われていくとジェイムス・ブレイクは述べている。更なる機能は今後公開される予定となっている。

記事執筆時点でヴォールトでジェイムス・ブレイクは“We Culture Ref1”、“The Man Who Talks Too Much”、“Olivia Kept”という3曲の新曲を公開している。

https://vault.fm/

「これはプロセスのバックステージ・パスのようなものなんだ。チケット発売など、他のことについてもまずここで知ることになる。ソーシャル・メディアで僕の投稿があって、すぐに作られたもので、これからどんどん機能は追加されていくよ」

「アーティストに直接サブスクリプションするというコンセプトはゲームを変えうるし、現状の果ての見えない堂々巡りからアーティストを解放できるんじゃないかと思う。アーティストが生計を立てながら、自身に忠実であれるという素晴らしい一歩になればと思う」

先日、スポティファイはロイヤリティが支払われるためには1000回以上の再生がなければならないという形で支払条件を変更している。

今年1月、スポティファイにある楽曲の4分の1は2023年を通して一度も再生されなかったことが明らかになっている。なお、2023年に再生回数が10億回を突破したのはわずか10曲に留まっている。

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