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キッド・カディとブージー・バッダスはカニエ・ウェストによる「過去20年間の音楽のあらゆるスタイルを発明した」という発言に言及している。

先週、カニエ・ウェストとタイ・ダラー・サインはインタヴューが公開されており、ラップ界の権威であるビッグ・ボーイを前に『ヴァルチャーズ』三部作について語っている。『ヴァルチャーズ』については2番目の作品のリリースが延期されており、5月3日の発売が予定されている。

「俺が過去20年間の音楽のあらゆるスタイルを発明したんだ」とカニエ・ウェストはインタヴューで語っている。「俺がこのジャンルを作ったし、ザ・ウィークエンドのジャンルも、トラヴィス・スコットも、ドレイクもそうだし、愛情を込めて言わせてもらえれば、フューチャーとヤング・サグもそうだ。考えてみれば、オートチューンのアルバム『808s & ハートブレイク』があるからね。今はいろんな連中がそこにいろんなものを追加しているんだ」

カニエ・ウェストは自身が生み出した最新のサウンドについては「自分でお金が稼ぐジャンル」だとして、「中間業者をなくしているんだ」と語っている。

この発言を受けて、ブージー・バッダスはソーシャル・メディアに投稿した動画で次のように語っている。「すべてのジャンルではないし、あらゆるスタイルではないし、ブージー・バッダスの音楽は違う。あんたの音楽について俺がラップしていることには何も共感できないだろ。誰もカニエなんて聴いてない……言わせてもらえれば、俺の仲間はあんたに共感しないよ」

カニエ・ウェストはブージー・バッダスの発言にインスタグラムのストーリーズで言及して、「(ブージー・バッダスの)“Wipe Me Down”は2007年に作られたというのを見た。ジャンルの呼び方は自分には関係ないけどね」と述べている。

『808s & ハートブレイク』は2008年にリリースされて、そのメランコリーさとオートチューンで史上最も影響を与えたラップ・アルバムの1枚として知られている。ドレイクは2009年にMTVニュースでカニエ・ウェストが自身のサウンドに「最も影響を与えた人物」だと語っており、ブレイクスルーとなったミックステープ『ソー・ファー・ゴーン』では“Say You Will”がサンプリングされている。

しかし、カニエ・ウェストがラップにおけるオートチューンの普及について自身だけの功績とするのは物議を醸しており、2000年代にオートチューンの人気を広げたアーティストとしてT・ペインらが挙げられている。T・ペインはカニエ・ウェストが2007年にリリースした『グラデュエーション』に収録されている“Good Life”でコンピューター・ポップに踏み出す際にも手を貸したことで知られている。

ある人物は次のようにツイートしている。「カニエ・ウェストは間違いなく影響を与えたけれど、T・ペインに失礼なことをするのは止めてくれ。『808s & ハートブレイク』が出る前の頃はオートチューンを使うと、『T・ペインみたいに歌っている』と言われていた。彼の影響力はもっと評価されるべきだね」

ラップ界のジャーナリストであるロブ・マークマンも同様の意見を述べている。「T・ペインが『ラッパ・ターント・サンガ』で2005年に登場した時、彼は間違いなく音楽を変えた。ヒップホップやR&Bに留まらず、ポップ・ミュージックも変えたんだ」

通算4作目の『808s & ハートブレイク』に作曲でクレジットされているキッド・カディは『808s & ハートブレイク』のウィキペディアのスクリーンショットを投稿することで反応を示している。

そこには次のように記されている。「キッド・カディのサウンドはカニエ・ウェストにインスピレーションを与えて、カタルシス溢れる『808s & ハートブレイク』を作らせることになった。後にカニエ・ウェストはキッド・カディについて『アレクサンダー・マックイーンがファッションでそうであるようにスタイルのオリジネイターなんだ』と述べている」

先月、カニエ・ウェストは『ヴァルチャーズ1』をストリーミングも含めてリリースしている。アルバムは複数の延期を経て2月10日にリリースされており、アップル・ミュージックでは流通の許可が下りず、一時期アルバムの公開が停止されていた。

波乱に満ちた『ヴァルチャーズ1』のリリースだったが、アルバムは全米アルバム・チャートで最初の2週にわたって1位を獲得しており、アルバムからのシングル“Carnival”は全米シングル・チャートで2位を記録している。

カニエ・ウェストに関しては長女のノース・ウェストが2004年発表の『カレッジ・ドロップアウト』にちなんで、『エレメンタリー・スクール・ドロップアウト』というアルバムに取り組んでいることも発表されている。

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