クイーンのギタリストであるブライアン・メイは1981年にデヴィッド・ボウイとコラボレーションした“Under Pressure”のミックスを「気に入ってはいない」と語っている。
ブライアン・メイは『トータル・ギター』誌のインタヴューで“Under Pressure”のオリジナル・ヴァージョンは「コード主体」のものだったが、最終的にデヴィッド・ボウイの指示で「大半のヘヴィなギターはなくなることになった」と語っている。
ブライアン・メイは“Under Pressure”の制作経緯について深夜のスタジオで偶然できたもので、当初の音源は「ヘヴィなバッキング・ギター」が入ったものだったと説明している。ブライアン・メイはそのヘヴィなギターがザ・フーを彷彿とさせるものだったので「嬉しかった」という。
ブライアン・メイがその喩えをデヴィッド・ボウイに持ち出したところ、デヴィッド・ボウイは「完成させる時にはザ・フーのようなサウンドにはしないよ」と語ったとのことで、「彼はそんな風にしたくなかったんだよ」と振り返っている。
ブライアン・メイは“Under Pressure”を「どのようにミックスすべきか、全員が違う考えを持っていた」として、特にデヴィッド・ボウイとフレディ・マーキュリーの名前を挙げている。
「基本的にフレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイがミックスを巡ってスタジオで対立する形になったんだ」とブライアン・メイは振り返っている。「それで、ミックスがどうなったかと言えば、大半のヘヴィなギターはなくなることになったんだよ」
ブライアン・メイは当初“Under Pressure”のメイン・リフをエレクトリック・ギターで弾いていたが、「デモとしてアコースティックで弾いたもの」に差し替えられることになったと述べている。ブライアン・メイは最終的にリリースされたミックスについて「正直気に入ってはいない」ことを認めている。
「あのミックスが功を奏していることは認識しているよ。一つの視点として、すごくうまくできていると思う」とブライアン・メイは続けている。「みんなも大好きだしね」
ブライアン・メイはライヴで“Under Pressure”を演奏する時はリリースされたヴァージョンとは「少し変えている」として、よりギター主体にしているという。「かなりヘヴィになっていて、その恩恵はあると思うよ」
「おそらく自分のキャリアでも身を引くことにした唯一の機会だったんだじゃないかな。ケンカになると分かっていたからね」とブライアン・メイは当時の経緯について振り返っている。
「デヴィッド・ボウイはクリエイティヴ面ですごい存在だったけど、同じ部屋にすごい存在が多すぎたんだ。すごく難しいことになっていったんだよ」
2017年、ブライアン・メイはデヴィッド・ボウイとフレディ・マーキュリーが“Under Pressure”のレコーディング・セッションで「激しくやりあった」と『モジョ』誌に語っている。
「簡単ではなかったよ。だって、僕らは全員早熟な少年だったし、デヴィッド・ボウイもとても……断固としていたからね」とブライアン・メイは振り返っている。「フレディとデヴィッドは激しくやりあったんだ、間違いないよ。でも、それもスタジオで起きたことだった。あれは火花が散る瞬間だったね。だから、あんなにも素晴らしいものになったんだよ」
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