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プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーはザ・ポーグスのシェイン・マガウアンに追悼の意を表して、「ケルトのソウル・ブラザー」と評している。

ボビー・ギレスピーはシェイン・マガウアンの葬儀が執り行われた12月8日に『ガーディアン』紙に寄稿している。

ボビー・ギレスピーは初めてシェイン・マガウアンと会ったのは1990年代後半だったとして、「ダークなカリスマを持ち、自分には疲れて悲しそうに見えた」と述べている。

「ある夜、近づいて自己紹介したら、仲良くなった。気兼ねない感じだった。やさしい魂の持ち主で、本当にシャイだった。想像していたのとは違っていた。ザ・ニップスの“Gabrielle”まで遡って、彼に憧れていた。彼の最初のバンドだけど、ザ・ポーグスの曲は別次元だった」とボビー・ギレスピーは語っている。

「常にソングライターとしての才能に畏敬の念を持っていた。彼の曲は社会から疎外され、抑圧され、虐げられた人々の物語であり、ジャンキーや酔っ払いを忘れることなく、普通の労働者や女性、日々の苦しみへの共感と同情に満ちていた」

シェイン・マガウアンのアイドルだったルー・リードに言及しながら、ボビー・ギレスピーは彼の曲について「現代のストリートの言葉と昔からの詩的な感性を組み合わせていた」と評している。好きなバラードとしてボビー・ギレスピーは“A Pair Of Brown Eyes”、“A Rainy Night In Soho”、“The Old Main Drag”、“Fairytale Of New York”を挙げている。

また、ボビー・ギレスピーは“Transmetropolitan”、“The Sick Bed Of Cuchulainn”、“Sally MacLennane”、“Streams Of Whiskey”、“Boys From The County Hell”といった激しめの曲については「狂おしいほどのユーモアと恍惚とした喜びに満ちた、頑張っている人生を謳歌するような曲ばかりだ。酔っ払った道楽者になりたくなってしまう。トム・ウェイツはザ・ポーグスについて『休暇中の船乗り』のように演奏すると評したが、完璧な観察眼だった」と述べている。

ボビー・ギレスピーは2000年に「ニック・ケイヴも、モリッシーも、ザ・フォールのマーク・E・スミスも及ばない現代音楽の最高の作詞家」だとシェイン・マガウアンに伝えたが、そのコメントを彼は快く思わず、「競争じゃない」と言われたこともあったという。

ボビー・ギレスピーはプライマル・スクリームのグラスゴー公演で“Rocks”、“Loaded”、ザ・ハートブレイカーズの“Born Too Loose”のカヴァーで共演した時のことを振り返っている。

「彼のヴォーカルの力がバンドを牽引して、曲のヴァースを引き裂いていく。彼が歌うと、自然の賜物で、パンクのパワーがあり、直感的な感情が生まれるんだ」

「真のロックンローラーで、最高位のケルトのソウル・ブラザーだった。『俺たちはゲール人だ』と彼は私に言っていた。グラスゴー、ダブリン、ロンドンと、何年にもわたって様々な場所で一緒に歌ってくれて、光栄だったよ。私たちは彼のことを愛している。彼が私たちのバンドを気に入ってくれたことは大きな意味を持っていた」

ボビー・ギレスピーは最後に9月に病院にお見舞いした時のことを振り返り、妻のヴィクトリア・メアリー・クラークを「ロック」だとしてシェイン・マガウアンの「守護天使」だったと評している。

「ロックンロール、地獄の門番、ブレンダン・ビーハン風の詩人というイメージの下でシェイン・マガウアンは昔ながらの良きロマンチストだった。彼は人々の精神の美しさと欠点を見抜き、人々を称え、人々の苦悩に寄り添った。詩人、ソングライターの才能としておそらく多くのものを感じ、多くのものを見ていたのだろう」

「そして、それが酒とドラッグの原因だったのかもしれない。彼は人生を生き抜くために自分自身を麻痺させなければならなかった。彼の最高の曲は私たちが人生を生き抜く手助けをするために存在している。ありがとう、シェイン。音楽と素晴らしい時間をありがとう。あなたの美しいゲール人としての魂よ、安らかに」

シェイン・マガウアンは11月30日に病院で肺炎のため亡くなっている。シェイン・マガウアンは脳炎と診断されて、体調を崩していた。

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