Photo: GETTY

ジョージ・ハリスンの妻であるオリヴィア・ハリスンはザ・ビートルズの“Now And Then”のアートワークができた経緯について「驚きのマジカルな」物語を明かしている。

ジョージ・ハリスンのソーシャル・メディアに投稿された動画でオリヴィア・ハリスンはジョージ・ハリスンが最後の楽曲のタイトルが書かれた時計を買ってきたことについて説明している。

「お店に行ったら、ジョージはいろんな部品でできた時計を見つけて、その時計はスクラブル(※アルファベットを並べるゲーム)の文字で『Now And Then』と書いてありました」

「彼は何らかの理由で惹かれたみたいで、壁から取り外して買いました。彼は庭にロシア風の小屋を建てて、そこにこの時計を吊るして、そこに25年鎮座することになりました」

オリヴィア・ハリスンは昨年の夏の終わりに小屋を掃除して、時計を暖炉の上に置いたと続けている。

「電話が鳴って、それはポール・マッカートニーだったんですが、彼は説明を始めて、“Real Love”と“Free As A Bird”の入ったカセットテープにあった3番目の曲のことを思い出させてくれました。私が『覚えているわ。“Now And Then”という曲よね』と言ったところで、立って時計に振り返りました」

「私たちは感動して、ジョージがかつて手にしたものが魔法のように現れたことが嬉しかったのです。私は『ジョージはOKと言っていると思う』と話しました」

この時計は“Now And Then”のシングルの裏ジャケットに登場している。

“Now And Then”は最初の1位から60年以上を経て、全英シングル・チャートの1位を獲得している。これは18曲目の全英シングル1位で、1969年の“The Ballad of John and Yoko”以来、54年振りの全英シングル・チャート1位となっている。

「ジョンを失った時、僕らは終わりだと思った」とポール・マッカートニーは“Now And Then”のドキュメンタリー映像で語っている。「でも1994年、驚くべきことに興味深い機会が訪れた」その時、オノ・ヨーコはジョン・レノンのデモが収録されたカセットテープを渡し、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ジョージ・ハリスンはそこから可能なものを救い出し、仕上げることになった。

そのうちの2曲、“Real Love”と“Free As A Bird”は『ザ・ビートルズ・アンソロジー』の一部としてリリースされることになった。3曲目はジョン・レノンの声とピアノの録音の質が悪く、復旧させることができなかったとされている。リンゴ・スターが言うように「ジョンがある意味隠れてしまっていた」とのことで、「これでまた3人にとってジョンの不在が明確になってしまった」という。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』の監督であるピーター・ジャクソンが『レット・イット・ビー』の制作過程を追った長時間のドキュメンタリーを作ることになるまで、“Now And Then”はお蔵入りすることになった。ピーター・ジャクソンの言う「機械学習」の技術を使うことで、まるで魔法のようにチームは楽器とヴォーカルを分離し、個々の会話に焦点を当てることができるようになり、史上最高のバンドに間近で迫ることができるようになった。

ポール・マッカートニーは次のように説明している。「ジョンの声が、とてもクリアに聴こえるんだ。すごく感動的だよ。全員で演奏していて、正真正銘のザ・ビートルズの音源だ。2023年になってもザ・ビートルズの曲に取り組んで、公には聴かれたことのない新曲をリリースしようとしているなんて、すごいことだと思うよ」

リンゴ・スターは次のように続けている。「それで、彼がベースを入れて、そのファイルを僕に送ってくれたから、ドラムを入れたんだ。ジョン・レノンが部屋に戻ってくることに最も近いことだったから、僕ら全員にとってとても感動的なことだった」

ドキュメンタリー『ボン・ジョヴィ:Thank You, Goodnight』をディズニープラスで見る 広告

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ