Tom Martin/NME

Photo: Tom Martin/NME

通算15作目となるニュー・アルバム『ディストピア』を本日1月22日にリリースしたメガデスだが、ここ数年のキャリアについて振り返っている。

メガデスはここ数年で復活を遂げている。2013年のアルバム『スーパー・コライダー』から、ニュー・アルバム『ディストピア』までの間には「たくさんのドラマ」があった。メガデスはギターのクリス・ブロデリック、ドラムのショーン・ドローヴァーと、立て続けに2人のメンバーが脱退し、マネージメントも何度か変更を余儀なくされた。1990年の『ラスト・イン・ピース』発表当時のメンバーであるマーティ・フリードマンをギターに、ニック・メンザをドラムに起用して再結成しようという話もあったが、デイヴ・ムステイン曰く「完全な失敗」に終わったという。

「昔からよく言われているだろう。銀を熱すれば不純物が表面に出てくるが、銀細工の職人がこれを取り除くことで、立派な銀製品が出来上がるって」。トビー・ライトの援助を得て、『ディストピア』をプロデュースしたデイヴ・ムステインはこうコメントしている。「バンドで問題が起こるたびに、神様のおかげで、争いをよい方向へと毎回変えてくることができた。このことが、自分がバンドをやる最も大きな動機だと思う。復讐心や怒り、独りよがりなどの負の感情が、自分を奮い立たせるんだ。誰かが俺に言いがかりをつけたり、挑んだりしてくる時、俺は怒りを原動力にして立ち向かっているんだ」

結局、アングラのキコ・ルーレイロがギタリストとして、ラム・オブ・ゴッドのクリス・アドラーがドラマーとして参加して、テネシーでスタジオ入りをするまでの間、デイヴ・ムステインと他のメンバーたちは、音楽が作りたくてうずうずしていたとのことで、このことでメガデスのバンド魂を再度確認することができたという。

アルバム『ディストピア』は、フィアーのカヴァー曲“Foreign Policy”で締めくくられている。この曲が最初にリリースされたのは1982年だが、ちょうど今の時代にもぴったりとくる楽曲だ。“Foreign Policy”に関して、デイヴ・ムステインは次のように述べている。「俺はフィアーの大ファンなんだ。“Foreign Policy”の歌詞は、今でも胸に響くよ。アメリカの外交政策は、俺が54年間生きてきて見てきた中でも、今が最もうまくいっていない時期だと思う。だから、この曲を最後に入れたんだ」

メガデスは2月20日のダラスを皮切りに北米ツアーを予定しており、春にはモンスター・エナジー・フォート・ロック、ウェルカム・トゥ・ロックビル、カロリーナ・レベリオン、ロックラホマなどのフェスにも参加する予定となっている。5月・6月にはヨーロッパツアーが計画されており、そのあとのライヴも今後発表される予定となっている。また、メガデスが自分のお気に入りのバンドであると公言しているドラムのクリス・アドラーが、正式なメンバーとなる可能性も出てきている。

「ラム・オブ・ゴッドが今のツアーを終えてわって少し休みを取ってから、彼をメンバーとして迎え入れるつもりだ。彼らが活動を始めるまでに、俺たちもできる限り活動をしておきたいと思ってる。そうすれば休みも取れるし、クリスは2つのバンドを行き来できるだろ」とデイヴ・ムステインは語っている。「ラム・オブ・ゴッドはクリスのバンドで、メガデスは彼のお気に入りのバンドだ。彼がどちらのバンドも愛しているってことが最高だよ。自分が結成したバンドと自分が育ったバンドの両方でプレイできるんだ。クリスは素晴らしいアスリートで音楽が大好きだから、これは彼にとっては最高の状態だろう」

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