ジャイルズ・マーティンはザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』がなければ、ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』は存在しなかったと新たなインタヴューで語っている。
ザ・ビートルズのプロデューサーを務めたジョージ・マーティンの息子であるジャイルズ・マーティンは6月2日より配信されている『ペット・サウンズ』のドルビーアトモス・ミックスを手掛けている。
ジャイルズ・マーティンは『ミュージック・レーダー』のインタヴューで父のジョージ・マーティンとかつて交わした会話について振り返っている。
「父と飛行機で一緒だったんだけど、突然、父親のすごさというものが分かったことがあったんだ。『父さん、ザ・ビートルズとやったことはすごかったわけだよね』と言ったら、僕のことを見つめてきて、『ブライアン・ウィルソンほどすごくはないよ』と言ったんだ。ザ・ビートルズには常に父がいたし、父にはザ・ビートルズがいた。でも、ブライアン・ウィルソンには誰もいなかった。それで彼はあのアルバムを作ったんだ。あのレコードがなければ、ザ・ビートルズは『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を作らなかっただろうと説明してくれたよ」
プレス・リリースでジャイルズ・マーティンは『ペット・サウンズ』のドルビーアトモス・ミックスについて次のように語っている。「ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』は、ポピュラー音楽のあり方を変えた革新的で象徴的なアルバムだ。このアルバムに影響を受けたザ・ビートルズが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を作り、今度は『サージェント・ペパーズ~』に影響を受けたピンク・フロイドが『狂気』を作った。ブライアン・ウィルソンという、アイデアやテクスチャーへの果てしない情熱を持った本物の天才が作ったからこそ、こんなに魅力的なレコードができたんだ」
「『ペット・サウンズ』をドルビーアトモスに移行するということは、そうした世界に完全に没入できる、その世界に包まれることができるということであり、これまでのレコードでは聞こえなかった楽器の音が聞こえるようになる、その音がその空間にあることを確認できるようになる、ということだ」
ビーチ・ボーイズについてはスティーヴ・アオキによる“Fun, Fun, Fun”のリミックス音源も公開されている。
ビーチ・ボーイズは昨年2022年に1962年にリリースしたファースト・アルバム『サーフィン・サファリ』から60周年となっている。
リミックス音源はこちらから。
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