ロジャー・ウォーターズは3月1日に1973年発表の『狂気』が50周年を迎えたことを記念して、同作の再レコーディング盤の一部音源を公開している。
YouTubeにアップされた52秒の映像はスタジオで“Us and Them”の最初のヴァースに取り組んだものを聴くものとなっている。概要欄にはこれが「かけがえのないオリジナル・バージョンの代わりにはならない」ことは重々認識していると記されている。
「しかし、79歳の老人が50年の時を超えて29歳の視点を振り返ったもので、父親に関する自分の詩を引用しておきたい。『最善を尽くし、父の信頼に応え、父も私たちを誇りに思うことだろう』そして、これはニック・メイスン、リチャード・ライト、デヴィッド・ギルモア、そして私が誇りに思うのにふさわしい音源を私なりに称えることでもあるんだ」
ロジャー・ウォーターズは再レコーディングについて「アルバム全体の政治的/情感的メッセージに再度言及する」いい機会であり、「今は最後のミックスを仕上げる段階にある」と述べている。
先日、ロジャー・ウォーターズは『テレグラフ』紙に『狂気』に再び取り組んだ理由について次のように語っている。「何についてのアルバムなのか、何を当時僕が言おうとしていたのか、十分に認識されていないと思うんだ」
ロジャー・ウォーターズは再レコーディング音源について元バンド・メンバーから批判が起きるのに先んじて、次のようにも語っている。「僕が『狂気』を書いたんだ。“僕ら”なんていう言葉は止めよう。もちろん、僕らはバンドで、4人組で、全員が貢献した。でも、あれは僕のプロジェクトで、僕が書いたんだ。くだらないよ」
ピンク・フロイドは1973年発表の『狂気』のリリース50周年を記念したデラックス・ボックス・セットが2023年3月24日にリリースされることが決定している。ボックス・セットからは“Breathe (In The Air)”のライヴ音源も公開されている。“Breathe (In The Air)”のライヴ音源は『狂気:ライヴ・アット・ウェンブリー1974』に収録され、こちらは個別にリリースされることも決定している。
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