GETTY

Photo: GETTY

カルト教団の指導者で殺人犯であるチャールズ・マンソンの信奉者で、カサビアンのバンド名の由来ともなったリンダ・カサビアンが亡くなった。享年73歳だった。

タコマの『ザ・ニュース・トリビューン』紙の訃報欄を受けて『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じたところによれば、リンダ・カサビアンは先日亡くなったという。死因については公表されていない。

リンダ・カサビアンは1970年のマンソン・ファミリーによる殺人事件の裁判で重要な証言をしたことで知られている。当時20歳だった彼女は1969年8月9日にマンソン・ファミリーのメンバーが妊娠していた女優のシャロン・テートと他3人を殺害する間、シャロン・テートが借りていたロサンゼルスの自宅の外で待つ役割を担っていた。

リンダ・カサビアンは翌日の夜にマンソン・ファミリーがスーパーマーケットの取締役であるラビアンカ夫妻を自宅で殺害する際にも同行している。彼女は直接殺人には関与していないが、逃走用の運転手の役割を務めていた。

リンダ・カサビアンはチャールズ・マンソンと4人のメンバーにとって不利な証言を行ったことで訴追免除されており、チャールズ・マンソンと4人のメンバーは全員有罪となっている。

マンソン・ファミリーによる殺人事件はクエンティン・タランティーノ監督による2019年公開の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも描かれている。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』への出演で知られるマヤ・ホークは同作でリンダ・カサビアンをモデルとしたフラワーチャイルドという役を演じている。

また、バンドのカサビアンは元々サラキュースという名前だったが、ギタリストのクリス・カルロフがチャールズ・マンソンに関する書籍で名前を見つけて、バンド名にしたという。

ベーシストのクリス・エドワーズは2007年の『UKULA』誌でクリス・カルロフが新しいバンド名を提案してきたことについて次のように語っている。「彼は単にその言葉がクールだと思ったみたいで、文字通り僕らがその言葉を聞いた1分後には、このバンド名になっていたんだ」

チャールズ・マンソンは殺人を指示した罪で終身刑に処されながら2017年に獄中にて83歳で亡くなっている。彼は1969年夏、人種戦争を煽る計画の一部とも言われる7人の殺人を主に若い女性の信者に指示していた。

チャールズ・マンソンはマンソン・ファミリーによる連続殺人事件とゲイリー・ヒンマンの殺害を指示した罪で死刑宣告されている。

しかし、カリフォルニア州最高裁判所は1972年に死刑を違憲としたことで、チャールズ・マンソンは減刑されていた。

一方、カサビアンは今月ロンドンで行われるティーンエイジ・キャンサー・トラストのコンサートに出演することが決定している。

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ