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ロジャー・ウォーターズはピンク・フロイド在籍時の1973年にリリースされた『狂気』を再レコーディングしたことを明かしている。

ロジャー・ウォーターズは『テレグラフ』紙のインタヴューで再レコーディングについて語っている。『テレグラフ』紙によれば、ロジャー・ウォーターズはデヴィッド・ギルモア、ニック・メイソンの関与なしに数ヶ月にわたって『狂気』を秘密裏にレコーディングしていたという。ロジャー・ウォーターズは全10曲をイチからレコーディングしたとされている。

アルバムには唯一の協力者として長年のコラボレーターで、ツアー・メンバーであるガス・セイファートがハモンド・オルガンで参加している。ガス・セイファートの交際相手であるべドゥインも再レコーディングには参加している。ロジャー・ウォーターズは『狂気』に再び取り組んだ理由について次のように語っている。「何についてのアルバムなのか、何を当時僕が言おうとしていたのか、十分に認識されていないと思うんだ」

『テレグラフ』紙によれば、ロジャー・ウォーターズは再レコーディング音源を「豪華なアナログ盤でリリースすることを考えている」とのことだが、1985年にピンク・フロイドを脱退して、その後のやりとりを考えると、「面倒なことになりそうだ」という。ロジャー・ウォーターズの担当者は再レコーディング音源を当初3月にリリースする予定だったが、まだ「音源に手を加えている」ため5月に延期されたと述べている。延期はあったものの、担当者は昨年リリースされた“Comfortably Numb”の2022年バージョンと同様に音源は「間違いなくリリースされる」と語っている。

担当記者のトリストラム・フェイン・サンダースはソロ・バージョンの『狂気』を全編聴いたとのことで、“On the Run”といったインストゥルメンタル・ナンバーでもロジャー・ウォーターズによる語りが加えられているという。

元バンド・メンバーから批判が起きるのに先んじて、ロジャー・ウォーターズは『テレグラフ』紙に次のように語っている。「僕が『狂気』を書いたんだ。“僕ら”なんていう言葉は止めよう。もちろん、僕らはバンドで、4人組で、全員が貢献した。でも、あれは僕のプロジェクトで、僕が書いたんだ。くだらないよ」

インタヴューでロジャー・ウォーターズは『ザ・バー』と題されたニュー・アルバムについても語り、「開かれた議論を歓迎する場所の象徴」と評している。ロジャー・ウォーターズは自分の信条に基づいた率直な政治的な発言で知られており、現地時間2月8日に開催された国連安全保障理事会でもロシアの外交官のリクエストでスピーチを行っている。

「ロシア連邦によるウクライナ侵攻は違法です。できる限り強い言葉で非難します」とロジャー・ウォーターズは語っている。「ロシアの侵攻は謂れのないものではないとも思います。工作員のこともできる限り強い言葉で非難します。それは人道から外れたものです」

ロジャー・ウォーターズはスピーチを次のように締めくくっている。「私たちの意見では唯一の懸命な選択肢はウクライナの即時停戦を求めることです。もしもも、しかしも、そしてもありません。ウクライナ人もロシア人も誰一人の命は犠牲になってはいけません。誰もがかけがえのない命なのです」

ピンク・フロイドは1973年発表の『狂気』のリリース50周年を記念したデラックス・ボックス・セットが2023年3月24日にリリースされることが決定している。

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