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ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』のジャケットに登場している赤ん坊として知られるスペンサー・エルデンは先日棄却されたニルヴァーナ陣営を訴えた訴訟で控訴している。

今年9月、ロサンゼルスの地方裁判所は『ネヴァーマインド』のジャケットが児童ポルノに当たらないという判決を下している。これはスペンサー・エルデンがデイヴ・グロールとクリス・ノヴォゼリック、カート・コバーンの遺産管理団体、写真家のカーク・ウェドル、レーベルなどニルヴァーナ陣営を訴えた3度目の裁判で、4度目の裁判は受け付けられないと裁判所は言い渡していた。

この裁判は昨年8月に最初の訴訟が起こされ、昨年11月に修正案が提出され、今年1月に一旦棄却されたものの、別の訴訟によって再燃していたが、9月の判決が出た時点でニルヴァーナ陣営の弁護士は「最終的な結論」だと述べていた。

しかし、スペンサー・エルデンは判決を不服としてカリフォルニア州の第9巡回区控訴裁判所で控訴の手続きを行っており、「今も続いている精神面・感情面での多大な被害」を受けたとして金銭的な損害賠償を求めている。

『スピン』誌によれば、スペンサー・エルデンと彼の弁護士は前回の裁判で判事が時間が経ちすぎていることを根拠に判決を下したのは誤っていると主張している。スペンサー・エルデン側は『ネヴァーマインド』の写真撮影で今なお苦しんでいるとして、児童ポルノの被害者は大人になってからも賠償を求められるとする2006年のマーシャ法を引き合いに出している。

スペンサー・エルデンの弁護士は次のように述べている。「裁判所は児童ポルノの流布は配布時の被害者の年齢に関係なく、被害者の尊厳利益を侵害すると何度も判決を下しています」

弁護士はカート・コバーンの日記に「『ネヴァーマインド』のアルバム・ジャケットに対するヴィジョンを感情的・性的混乱の表れだとする表現があります」とも主張している。「カート・コバーンのポルノ画像への偏愛は非常に幼い頃から始まっていました。カート・コバーンの同級生の1人は幼い頃にポルノを描いていた姿を発見しています」

スペンサー・エルデンは「彼のことを知らない世界中の多くの人々にアルバムを売るために生後4ヶ月のヌードで搾取していることに気付いたのです」と訴状には書かれている。

「このことは当然のことながら今も続いている精神面・感情面での多大な被害の原因となっており、損害賠償と差し止めを求める権利を与えています。賠償では性的な写真を世界から取り除くことはできませんが、彼に精神的な治療を受ける手段を提供し、プライバシーの侵害と流布がやっと終わると知ることを享受できるのです」

ニルヴァーナ陣営の弁護士は「スペンサー・エルデンが事実を完全に認識していた」というスタンスを堅持している。デイヴ・グロールは訴訟について「多くの人と同じように同意することなんかできないと感じている」と述べており、スペンサー・エルデンには「『ネヴァーマインド』のタトゥーがある」ことも指摘している。

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