GETTY

Photo: GETTY

ボブ・ディランの新刊『ザ・フィロソフィー・オブ・モダン・ソング(原題)』を刊行した大手出版社のサイモン&シュスターはサイン本が機械を使って人のサインを自動的に再現するオートペンのシステムを使ったものであることを認めている。

900冊というサイン本はサイモン&シュスターの公式サイトで599ドル(約84500円)で販売された。多くのファンが掲示板でサイン入り本の写真を公開し始めたところ、どの本も複製された同じサインであることが明らかになっている。

『ヴァラエティ』誌によれば、ファンは本の発送が始まった3日後となる現地時間11月20日午後の時点で17種類のサインが何度も使用されていることを確認している。

サイモン&シュスターは当初、返金の要望を拒否して、本物のサインであることは証明書によって保証されると説明していた。

サイモン&シュスターの回答は次のようなものとなっていた。「みなさんの不安は確かに理解しておりますが、ボブ・ディランの『ザ・フィロソフィー・オブ・モダン・ソング』の限定サイン本は作者が自分でサインしたものであり、出版社のサイモン&シュスターによる証明書も付属します」

証明書はサイモン&シュスターのCEOであるジョナサン・カープの署名によるもので、「みなさんの手にする本はボブ・ディランによる手書きのサインになります」と読者には説明されていた。

サインの写真が出回り始めると、サイモン&シュスターは態度を一変させ、購入者に返金されることを直接伝えている。ジョナサン・カープの署名も含めて複製であることを指摘した購入者には以下のEメールが送られている。「私たちの過ちをお詫びし、購入代金の全額返金を行います。みなさんが手にした『ザ・フィロソフィー・オブ・モダン・ソング』はそのまま無料でお収めください。みなさんが読むのを楽しんでいただければと思います」

サイモン&シュスターはその後ソーシャル・メディアで声明を発表している。「『ザ・フィロソフィー・オブ・モダン・ソング』の限定本を購入した方へ、お詫びしたいと思います。限定本にはボブ・ディランのオリジナルのサインが入っていますが、ペンで書いたもののレプリカであることが判明しました。私たちは購入者一人一人に即座に返金を行うことでこの件に対処しています」

2004年刊行の『ボブ・ディラン自伝』に続く『ザ・フィロソフィー・オブ・モダン・ソング』は11月1日に刊行されている。プレス・リリースによれば、ボブ・ディランは本書に2010年から取り組み始めたとのことで、スティーヴン・フォスター、エルヴィス・コステロ、ハンク・ウィリアムス、ニーナ・シモンらの楽曲について書いた60編以上のエッセイが収録される。

また、ボブ・ディランはブートレッグ・シリーズ第17集として1998年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を獲得した『タイム・アウト・オブ・マインド』期の未発表音源集が2023年1月27日にリリースされることが決定している。

広告 【独占配信】エミー賞®史上最多18部門受賞の歴史的快挙!真田広之主演&プロデュース「SHOGUN 将軍」をディズニープラスで見る

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ