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U2のフロントマンであるボノは5億人のiTunesユーザーに自動的にアルバム『ソングス・オブ・イノセンス』が自動的にダウンロードさせたことによって生まれた論争について言及している。

ボノは通算10作目となるアルバム『ソングス・オブ・イノセンス』を未承諾でユーザーにダウンロードさせる施策を行い、批判を受けることになったマーケティング戦略の全責任を負っている。

『ガーディアン』紙に掲載された回想録『サレンダー:40ソングス、ワン・ストーリー(原題)』の抜粋でボノは「批評家はやり過ぎだと批判するかもしれない」とした上で「それはそうだろう」と述べている。

ボノは著書の中でU2とアップルとの長い関係について言及しており、元々は創業者のスティーヴ・ジョブズに2004年に会ったことから始まっている。スティーヴ・ジョブズはiPodのCMでU2の楽曲を使うにあたってアップルの株式で支払いをすることを断ったという。

10年後、ボノは2011年に亡くなったスティーヴ・ジョブズの跡を継いでCEOになったティム・クックの下をアルバムを無料配布するアイディアと共に訪れている。

「無料でこの音源を配布したいのかい?」とボノはティム・クックの反応について振り返っている。「しかし、アップルがやろうとしていることは音楽を無料で提供することではありません。やりたいことはミュージシャンがお金をもらえるようにすることなのです」

「『違うんだ』と私は言った。『無料であげるわけではないんだ。私たちにお金を払った上でギフトとして無料であげるんだ。これって素晴らしいことじゃないかい? 全員にあげるべきだと思っていて、聴きたいかどうかはその人の自由なんだ』と言ったんだ」

ボノはこの時の状況を振り返っている。「どうなるか見てみないか? 高慢な野心と思うかもしれない? 鼻につくかもしれない? 批評家はやり過ぎだと批判するかもしれない。それはそうだろう」

「起こり得る最悪のことは何だろう? ジャンク・メールのようになるかもしれないね。牛乳瓶を近所のすべての玄関先に置いていくようなものかもしれない。違うか」

彼は次のように続けている。「2014年9月9日、牛乳瓶を玄関先に置いただけでなく、街のすべての家の冷蔵庫に牛乳瓶を入れたんだ。素晴らしい人々のコーンフレークに牛乳を注ぐまでしたかもしれない。自分で牛乳をかけるのが好きだった人もいたし、乳糖不耐症の人もいた」

ボノはあの件の責任があるバンドメンバーは自分だけだということも明かしている。「ガイ・オセアリーのせいでもなければ、エッジでも、アダムでも、ラリーでも、ティム・クックでも、エディ・キューのせいでもない」

ボノは次のように続けている。「最初はインターネットの騒動だと思った。私たちはサンタクロースで、曲の入った袋を持って煙突を降りたら、いくつかのレンガにぶつかってしまったんだ」

「でも、すぐに巨大テック企業の生活へのアクセスに関する深刻な議論に入ったことに気付いたんだ。私の一部はこれからもザ・クラッシュがまさにやっていたことのようなパンク・ロックなんだ。でも、世界で最大の企業になろうとしている会社と仕事をする時には反体制とはならないんだよね」

「教訓を学んだよ。しばらくはどこに歩みを進めていくか気を付けなければならなかった。バナナの皮ではなく、地雷だったんだ」

ボノは回想録で殺害予告を受けた時のことも振り返っている。

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