カニエ・ウェストはジョージ・フロイドの死を巡る発言についてジョージ・フロイドの遺族が法的措置を検討していることが明らかになっている。
ミネアポリス在住のジョージ・フロイドは2020年に白人警察官との口論の末に殺害されている。死後まもなく、ジョージ・フロイドが警官のデレク・ショーヴァンによって9分近く膝を喉に押し付けられて拘束される映像がオンラインには上がっていた。
ジョージ・フロイドは息ができないと訴えたものの、デレク・ショーヴァンは首への圧迫を続けており、酸素不足と脳の損傷、心不全で最終的に亡くなっている。2021年4月、デレク・ショーヴァンはジョージ・フロイド殺害の罪で21年の禁固刑が宣告されている。
今回、カニエ・ウェストはポッドキャスト『ドリンク・チャンプス』に出演して、ジョージ・フロイドが「フェンタニル」で亡くなったとして、デレク・ショーヴァンが膝を「そこまで首に押し付けていなかった」と語っている。また、カニエ・ウェストはジョージ・フロイドの死について昨年11月にガンで亡くなったヴァージル・アブローを引き合いに出して語っている。
予想通り、この発言はかなりの議論を巻き起こしており、テキサス州ダラスを拠点とする人権派弁護士のリー・メリットはジョージ・フロイドの家族が「死に関するカニエ・ウェストの虚偽の主張に対して訴訟を検討している」ことを明かしている。
リー・メリットは次のように述べている。「刑事でも民事でも立証された残虐行為ではなく、ジョージ・フロイドがフェンタニルで亡くなったと主張することはジョージ・フロイドの家族の闘いを矮小化して台無しにするものです」
While one cannot defame the dead, the family of #GeorgeFloyd is considering suit for Kanye’s false statements about the manner of his death.
Claiming Floyd died from fentanyl not the brutality established criminally and civilly undermines & diminishes the Floyd family’s fight.
— Lee Merritt (@MerrittForTexas) October 16, 2022
昨年、検視でジョージ・フロイドは酸素不足で亡くなっており、体内にフェンタニルはなかったことが明らかになっている。
リー・メリットは2020年7月にミネアポリス市を相手取って起こした訴訟でもジョージ・フロイドの家族の弁護士を務めており、この訴訟は2700万ドルで示談が成立している。
リー・メリットは警官による暴力で亡くなったマーリン・ギプソン、アタシアナ・ジェファーソン、アーマウド・アーベリーの弁護士も務めており、警官の暴力の被害を受けた黒人コミュニティの活動も積極的に行っている。
ジョージ・フロイドの死を初め、警官の暴力で亡くなった黒人の死はブラック・ライヴス・マターの運動を再燃させることになったが、カニエ・ウェストはパリのファッション・ウィークで「ホワイト・ライヴス・マター」と書かれたシャツを着ていたことで批判を受けることになっている。
それを批判したショーン・“ディディ”・コムズに対してカニエ・ウェストは「俺に連絡するように言ってきたユダヤ人たちに、誰も自分のことを脅したり手出しできないことを示す例にしてやる」というメッセージのスクリーンショットをインスタグラムに投稿している。この投稿が批判を受けると、カニエ・ウェストは「ユダヤ人に対してデス・コン3を仕掛ける」とツイートしている。これは「デス」とアメリカの戦争準備体制を示す「デフコン」を組み合わせた言葉と見られている。
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