パティ・スミスが、「スミソニアン・マガジン」のエッセイの中で、アメリカンアートの記録保管庫に保管されていた、芸術家フリーダ・カーロがディエゴ・リベラに送った手紙について語っている。
パティ・スミスはこのエッセイで、16歳の誕生日に母にプレゼントされたディエゴ・リベラの自伝を読んだ時以来、フリーダ・カーロとディエゴ・リベラの関係が彼女の人生に大きく影響を及ぼし、写真家ロバート・メイプルソープとの関係の礎になったと語っている。
「ディエゴ・リベラが経験してきた恋愛関係は本当に興味深いわ、だけど、フリーダ・カーロとの恋愛がもっとも印象的で長続きしたと思う」とパティ・スミスは書いている。「私、彼女が大好きなの。彼女の美しさに、彼女の苦しみに、そして彼女の作品に魅了された。背が高く、黒髪で三つ編みをしてた私は、彼女に影響を受けたの。ディエゴ・リベラのようなストロー・ハットもよく被った。確かに、彼らは私のお手本であり、ロバートとの生活の参考になったわ」
パティ・スミスは昨年12月にU2のパリのライヴに出演し、彼女の伝説的なファースト・アルバム『ホーセス』の40周年記念のツアーでアメリカを回っている最中だ。昨年の秋には、彼女のベストセラーとなった回顧録『ジャスト・キッズ』に続く、2作目となる回顧録『M トレイン』を発表している。『ジャスト・キッズ』では、1989年にHIVで衝撃的な死を遂げた故ロバート・メイプルソープとの複雑で非常に深い関係に焦点が当てられていた。
フリーダ・カーロとディエゴ・リベラについては、有名な不倫話も多く「見本になるような振る舞い」ではない、としたものの、「お互いのアイデンティティをさらに素晴らしいものにした」と、パティ・スミス自身とロバート・メイプルソープの関係と比較しながらこう語っている。「フリーダからのディエゴへの手紙は、入院中に貴重品を保管するために使っていた封筒に走り書きしたものなのよ……どうして彼らが長続きしたかを教えてくれる証拠なの。2人の情熱的な関係はもう消えてしまっていたかもしれない。だけど彼らは世俗的な愛情の他に、リベラルさの追求と芸術作品への高潔さも持っていたの」
彼女はこう締めくくっている。「アーティストであれば、どんな紙切れでも意味があるものよ。これは茶色くて小さく折りたたまれたもの。彼は捨てずに取っておいた。それを誰かが保管しておいたの。だから今でも残っている」
パティ・スミスはフィリップ・グラスとの「THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ」の来日公演を2016年6月に行うことが発表されている。
公演は、フィリップ・グラスの代表曲にのせて、アレン・ギンズバーグとパティ・スミスの詩がパティ・スミスによって朗読され、大スクリーンには、二人が選んだ在りし日のギンズバーグの写真やイラストも投影されるものになるという。フィリップ・グラスの来日は約11年ぶりとなっている。
今回、アレン・ギンズバーグ生誕90年の節目となる2016年に、日本での上演において、さらに特別なコラボレーションが実現している。英語圏以外での上演の際は、ステージ上の大スクリーンに詩の翻訳が投射されるが、この翻訳を、村上春樹、柴田元幸が、特別に日本公演のために完全新訳を手掛けることになっている。
公演の詳細は以下の通り。
THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ
出演:フィリップ・グラス (Piano)、パティ・スミス (Vocal、Guitar)
翻訳(完全新訳):村上春樹、柴田元幸
日程:2016年6月4日(土) 計2回公演
会場:すみだトリフォニーホール
演奏予定曲: 「WICHITA VORTEX SUTRA」、「PEOPLE HAVE THE POWER」他
さらなる公演の詳細は以下のサイトでご確認ください。
http://www.parco-play.com/web/news/?id=247
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