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ホールジーは性と生殖に関する権利について自身の見解を表明するエッセイを寄稿している。

米『ヴォーグ』誌によって7月1日に発表されたエッセイは中絶を憲法上の権利だとする1973年の「ロー対ウェイド」事件における判決を覆した最高裁の判決を受けてのものとなっている。今年5月、「ロー対ウェイド」事件の判決を覆す草案がリークされており、6月24日に正式に判決が出されている。これによって各州が中絶を禁止したり制限したりすることが可能となっている。

https://www.vogue.com/article/my-abortion-saved-my-life-roe-v-wade-halsey

ホールジー曰く「美しい陣痛」を経て、息子のエンダーは2021年7月14日に生まれている。ホールジーは24歳までに3度目の流産を経験しており、そのうちの一回は敗血症を防ぐために医療的な中絶が必要なものだったと説明している。「妊娠するのは簡単なのに、それを維持するのは大変だったというのは残酷なアイロニーでした」と述べて、ホールジーはエンダーを出産する時もその経験を思い出したと続けている。

「同じ消毒の匂いがしました」とホールジーは続けている。「同じ白のシーツで、ドキッとする電子音と騒音も同じでした。でも、エンダーが生まれて世界は静寂に包まれました。何年も『失敗』を嫌っていた自分の身体が正しいことをやってのけたのです。産後の疲労の中で一筋の涙が流れましたた。それは自分の身体がすべきことを知っていた幸福の涙でした」

「私の人生は流産と中絶の長い章に彩られていましたが、その瞬間にそれは1ページになりました。あの分間の『前』と今後起こることに分けられたのです。望まぬ妊娠による血と痛みと惨めさの何年にも及ぶ日々を経て、選んで母親になった多幸感がやってきました」

しかし、ホールジーはエンダーを出産したことがあらゆる人が安全で合法の中絶を簡単に受けられるようにすべきだという自身の見解に影響を与えたわけではないと述べている。「実際、これほど強く感じたことはありませんでした。中絶が私の命を救い、息子に道を開いてくれたのです」

「すべての人々が危険で人生を左右する体験をいつ、どのような形で行うか、選ぶ権利があります。片手で息子を抱きながら、もう片方の腕で全力で闘うつもりです」

ホールジーは長年にわたって性と生殖に関する権利の擁護者として知られている。最新の「ライヴ&パワー」ツアーでも中絶における統計や事実などを示した抗議の映像を流していた。フェニックス公演でも“Nightmare”の演奏中にこの映像を流していて、メッセージには次のように記されている。「身体の自律性に対するこの壊滅的な脅威は危険な法律を助長して、弱い人々のコミュニティに最も影響を与えます。世界を変えてくれる革命家を待たないでください。自身が革命家になるのです。誰かが来て、やってくれるわけではありません。私たちの仕事であり、今やらなければなりません」

このメッセージを受けて、会場を後にした観客がいたことを受けて、公演の後にホールジーは「屋外公演の欠点はあいつらがぶつかるドアがないことね」と冗談を飛ばしている。

今年5月に草案の内容が明らかになった時にホールジーは抗議する150人以上の公開書簡に署名にしている。今回の最高裁の判断を受けて、リゾはライヴ・ネイションと協力して、今後のツアーの利益から100万ドル(約1億3000万円)をプランド・ペアレントフッドやアボーション・ライツに寄付することを発表している。また、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングはロンドン公演で「アメリカ国籍を放棄する」と語っている。

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