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ホールジーはフェニックスで行った公演で性と生殖に関する権利への意志を表明するようファンに呼びかける力強いスピーチを披露している。

今年5月、1973年の「ロー対ウェイド」事件における判例を覆すサミュエル・アリート最高裁判事による草案の内容が明らかになっていた。現地時間6月24日、正式に判例は覆されることになり、これにより各州が中絶を禁止したり制限したりすることが可能となっている。

『ポリティコ』の報道によれば、23州で中絶が違法になる見込みで、記事執筆時点で既に5州が違法となっており、8州で中絶を禁止する法律が最終段階にあるという。

「これは非常に長い期間を通して起こってきたことなのです」とホールジーは約20000人の観客に語っている。「家で腰を下ろして、革命家が来てくれて、変化を起こしてくれるのを待っていたいという気持ちは分かります。しかし、誰も来てくれないのです」

「誰も来てくれません。私自身も、みなさん一人一人も、この建物にいる全員が身体の自律性と統合性を守ることに参加しなければなりません。医療のプライバシーを守るのです」

ホールジーはその後「マイ・ボディ、マイ・チョイス」というコール&レスポンスを観客と行っている。

公演に先立ってホールジーはツイッターで「ロー対ウェイド」事件の判例が覆されたことについて次のように述べている。「私たちの国に原理主義の及ぼす影響の激しさを言葉にして表現する術もなくなってしまいました。私よりも経験のある権威ある人と話をして、自分の考えをまとめる時間が少し必要です」

「反感を生む声に加わりたくありません。今は敗北を喫したのです」

ホールジーは長年にわたって性と生殖に関する権利の擁護者として知られている。最新の「ライヴ&パワー」ツアーでも中絶における統計や事実などを示した抗議の映像を流していた。フェニックス公演でも“Nightmare”の演奏中にこの映像を流していて、メッセージには次のように記されている。「身体の自律性に対するこの壊滅的な脅威は危険な法律を助長して、弱い人々のコミュニティに最も影響を与えます。世界を変えてくれる革命家を待たないでください。自身が革命家になるのです。誰かが来て、やってくれるわけではありません。私たちの仕事であり、今やらなければなりません」

今年5月に草案の内容が明らかになった時にホールジーは抗議する150人以上の公開書簡に署名にしている。今回の最高裁の判断を受けて、リゾはライヴ・ネイションと協力して、今後のツアーの利益から100万ドル(約1億3000万円)をプランド・ペアレントフッドやアボーション・ライツに寄付することを発表している。また、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングはロンドン公演で「アメリカ国籍を放棄する」と語っている。

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