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ケンドリック・ラマーの最新作『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』にも参加している長年のコラボレーターであるDJダヒはその制作過程について語り、ケンドリック・ラマーのハードディスクに1000曲近い未発表曲があっても驚くことはないと語っている。

『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』に収録の“Die Hard”、“Father Time”、“Rich Spirit”、“Count Me Out”、“Mirror”といった楽曲を手掛けているDJダヒは新作への参加について米『ローリング・ストーン』誌のインタヴューに答えている。

インタヴューの終盤でインタヴュアーがケンドリック・ラマーが『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』のために400曲をレコーディングしたと見られていると訊くと、DJダヒは自分だけで30曲ぐらいに参加していると答えている。

「確かに彼には完成させられる曲があるけど、その多くはアイディアで、ドープなアイディアなんだ。そのアイディアをフックやヴァースのラインとして使っていくんだよね」とDJダヒは語っている。DJダヒはドレイク、ビッグ・ショーン、タイ・ダラー・サイン、マック・ミラーのプロデュースも手掛けている。

「こういう創作過程だと、アイディアを出して、そこにまた戻って『このパートにあれが使えるな』となるんだよ。彼のレコーディングのやり方はかなり変わっていて、ハードディスクに1000曲近い曲があっても驚くことはないだろうね」

インタヴューでは『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』の2枚目の冒頭を飾る“Count Me Out”がDJダヒのアルバムに入る予定だったことも明かされている。

「『これを使おうかな。これは最高だろ』なんて思っていたんだけど、ケンドリックに送って、『どう思う?』と訊いたら、『気に入ったよ。これはクレイジーだね』という感じで、彼がリリックを書き始めたんだ。そうしたら『これが必要なんじゃないかと思う。求めているのはまさにこれなんだ』と言われたんだよ」

「彼のことを知っているし、彼のやり方を知っているから、問題ないという感じだった。いいにせよ、悪いにせよ、音楽を抱えておくことはしないんだよ。クリエイティヴ面でやっていることやそのアーティストを信じられたら、なすがままにするよ。そのほうがメッセージを伝えてくれるからね」

「あの曲はたくさんのバージョンがあって、10、いや、20から30のバージョンを覚えているね。何度もやっては整えたりしてね。それは今の世界にどう合わせるかを考えていたからだった。それが一番だったね。人々にそうした感情になってもらえる空間にどうやって合わせるのか、ということなんだ」

「最終的なモットーは『リリースされるまでは音源はデモだ』というものでね。たくさんの試行錯誤があったけど、最終的な音源には満足しているよ。その音源の核心はまだ残っているからね。それが素晴らしいんだ。その曲が拾い上げるエネルギー、その曲に込められたメッセージが残っている。それが最も重要なことなんだ。曲のアコースティック・バージョンだってできるはずだよ」

ケンドリック・ラマーの最新作『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』は全米アルバム・チャートで1位を獲得し、現時点で2022年最多の初週セールスを記録している。

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