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サム・クックやリトル・リチャードの初期の成功を後押ししたスペシャルティ・レコードの創業者であるアート・ループが亡くなった。享年104歳だった。

2011年にロックの殿堂入りを果たしているアート・ループは彼の財団によれば、現地時間4月15日にカリフォルニア州サンタバーバラの自宅で亡くなったという。死因については明らかにされていない。

本名をアーサー・ゴールドバーグというアート・ループはピッツバーグ近郊で育ち、財団によれば「ヴァージニア工科大学とオハイオ州のマイアミ大学に通った後、1939年にロサンゼルスに移って世界で活躍するようになった」とされている。

エリス島で養子となってゴールドバーグの姓になるまではループが姓であったことを祖父から聞いた彼は西海岸に移住後、姓をループに変更している。

第二次世界大戦の時はターミナル・アイランドで船の検査を行っていたが、ブルース、ゴスペル、R&Bへの情熱が収まらず、パートナーのベン・シーガートと1944年にジュークボックス・レコードを立ち上げている。このレーベルからはセピア・トーンズの“Boogie No. 1”が地元のヒット曲となった。

1946年、アート・ループはジュークボックス・レコードと袂を分かち、スペシャルティ・レコードを立ち上げている。「それから15年間にわたってスペシャルティ・レコーズは世界的に流通する最も著名な独立系レコード会社の一つとなりました」と財団の説明文には書かれている。「スペシャルティ・レコードにおけるアート・ループの偉業はロックンロールという新しい音楽ジャンルが生まれるにあたって重要な役割を果たしました」

リトル・リチャードはレーベル最大のヒットメイカーとなり、それは1955年発表の“Tutti Frutti”から始まっている。リトル・リチャードによるスペシャルティ・レコードでのヒット曲は他に“Long Tall Sally”、“Good Golly Miss Molly”、“Rip it Up’”などがある。

ロックの殿堂による2011年のインタヴューでアート・ループは次のように語っている。「リトル・リチャードの声には自分の好きなものがあったんだ」

サム・クックも1950年代中盤にゴスペル以外でもアピールしたいと考えて、“You Send Me”など、いくつかの楽曲をスペシャルティ・レコードでレコーディングしている。ロイド・プライス、ローイ・ミルトン、パーシー・メイフィールドもスペシャルティ・レコードで音源をレコーディングしている。

スペシャルティ・レコードのマスター音源は1990年にソール・ザエンツのファンタジー・レコードに買収されており、現在はコンコルド・ミュージックが所有している。

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