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サウンドガーデンのヴォーカリストであるクリス・コーネルは、音楽業界はグランジの象徴であるスコット・ウェイランドやカート・コバーン、アリス・イン・チェインズのレイン・ステイリーの死を責めるに値しないという自身の考えを述べている。

クリス・コーネルは、ラジオ局「105.7 The Point」に次のように述べている。「どこでもいいから12ステップ(依存回復プログラム)のミーティングに行ったとする。そこに75人の参加者がいてそのうち何人がミュージシャンかって聞いてみれば、おそらく該当するのは2人くらいだ。その他のみんなは、きっと誰でも知ってるような普通の仕事をしてる人たちなんだ。スコット・ウェイランドのお母さんが泣くのと同じように、建設作業員や整備士を始めとするあらゆる職業に就く息子を失い、涙を流している母親はたくさんいる。毎日こんなことが起きてるんだよ。有名なミュージシャンとの違いは、彼らはラジオなんかで語られないってこと。何ていうか……彼らは周りに語られているような公の人物ではないからね」

彼はこう続けている。「それから僕が思うに、ロックスターだとか有名な俳優だとかにかかわらず『死んだ人』を神格化するわけではないけど、多少なりとも美化してきた歴史がある。たとえばジェームズ・ディーンは3本の映画にしか出演していないけど、今や史上最も有名な俳優の一人だ。確かに、彼に本当に才能があったことは誰もが認めていることだと思う。彼の最期はある意味華やかでかっこよかった。小さなレースカーを運転してレースに向かってる途中に事故を起こしたんだ。この伝説、というかストーリーが人々の心に残ったんだろうね」

クリス・コーネルはさらにこう続ける。「僕自身も今まで何度も繰り返し経験したことなんだけど、すでに有名になっている人に対しては特に、ドラッグを使って死んでしまうのが当然みたいに思われているんだ。僕はそこにいら立ちを感じる。だって、もしそれが事実だとしたら、そうやって死んでいかなきゃならない若い人たちが数え切れないほどいるってことだからね」

またクリス・コーネルは、薬物中毒者たちの個人的責任についても語っており、もし遺伝が薬物中毒に影響するとしたら、薬物に依存するリスクを持つ人がもっと増えると言い、一方で自ら進んで依存への道を進んでいく人もいるという。彼は続けてこう述べている。「アルコールやドラッグへ依存する傾向がある人がいるとするだろ。そいつは、悪い仲間からドラッグを買えない週末があったとしても、どうせまた別の場所で別の悪い連中から買うんだよ。依存する傾向があるやつってのはそういうやつってことだ」

彼はさらにこう語っている。「たいていの場合、人々は成功をおさめた後だと個人的な責任を押しのけて逃れようとする。そう考えると、多くの場合、周りの人間もそれを許すようになる。『それはまったく君のせいじゃない』とか『あの問題になってるやつのせいだしね』っていう風にね」

「僕が思うに、結局はその人が本当に立ち直りたいと思っているなら、止められる方法はいくらでもあるということだ。もしそう思っていないのであれば、もう仕方がない。それを強要することはできないしね」

若くして命を落とした大勢のグランジのスターがいるなか、スコット・ウェイランドは先日亡くなっている。亡くなったスターたちには、カート・コバーン、レイン・ステイリー、クリステン・ファフ、マイク・スター、シャノン・フーン、アンドリュー・ウッド(マザー・ラヴ・ボーン)などが挙げられる。

クリス・コーネルのインタヴュー動画はこちらから。

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