Pooneh Ghana/NME

Photo: Pooneh Ghana/NME

ケンドリック・ラマーはFOXニュースのコメンテーターに自身のパフォーマンスが批判された件について反論している。

ケンドリック・ラマーは、6月28日(日)に行われたBETアウォーズで、落書きされたパトカーの上で『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』の収録曲である“Alright”のパフォーマンスを行った。このパフォーマンスに不快感を示したFOXニュース「The Five」のコメンテーター、ジェラルド・リベラは、番組内でBETアウォーズの話題になると、ケンドリック・ラマーと彼の書いた歌詞を批判することになった。

ジェラルド・リベラは、パトカーを使った演出と「kill us dead in the street fo sho(〈警察は〉俺たちを殺して道端に捨てたいのさ、マジだぜ)」という“Alright”の歌詞を引き合いに出して、以下のようにコメントした。「こういうことがあるから、私は近年ではヒップホップが人種差別よりも若いアフリカ系アメリカ人に悪影響を与えていると言っているのです」

ゴシップサイト「TMZ」は7月2日、ロサンゼルス国際空港へ降り立ったケンドリック・ラマーを直撃し、FOXニュースの放送について尋ねたところ、ケンドリック・ラマーは逆にこのような疑問を投げかけてきたという。「これは希望についての歌なのに、何故、憎悪のこもった歌だなんて解釈できるんだ?」そして、「この歌が持つメッセージは、俺たちは大丈夫だってこと。人を殺せなんて伝えていない」とも発言した。

「これが俺たちの音楽だ。こうやって自分自身を表現してる。街に出て人殺しをするんじゃなくて、他のアーティストと同じように、ポジティブな観点で自分を表現したいって思ってるんだ。街に出るかわりに、スタジオに入って現状を語る。それによって、若いやつらが前向きになれたらいいなと願ってるのさ。決して裕福とは言えないストリートや環境で育ったやつらにも、自暴自棄にならず、音楽に気持ちの拠りどころを見つけてもらえるように、自分の才能を使ってるんだ

また、『NME』のヴィデオ・インタヴューで、ケンドリック・ラマーは“King Kunta”の制作背景について語っている。その映像はこちらから。

インタヴューの中で「俺はいつでも、自分のルーツを大事にしてる」と語ったケンドリック・ラマーは、このトラックの制作においてインスピレーションを受けたアーティストの名前を挙げている。まず最初に彼が「オマージュを捧げたクリエイター」と表現したのは、2000年に射殺された同郷コンプトンのラッパー、マウスバーグだ。マウスバーグがDJクイックのプロデュースで発表した“Get Nekkid”に影響を受けたという。

また、「シュガー・フリーは、俺の地元コンプトンでは大きな影響力を持ってた。彼はジェームス・ブラウンからあのリズムを学んだと思うよ。俺がジェームス・ブラウンとシュガー・フリーの両方から学んだのと同じようにね」とも語っている。

この“King Kunta”の全体像について、ケンドリック・ラマーは「もがき苦しみながら、自分の信念のために立ち上がるストーリー」であると表現している。「どれだけ壁が多くても、ぶち破っていかなきゃならない。どれだけ逃げ道があっても、真実を伝えるために信念を持って突っ走っていかなきゃならない。そういうことは、みんなに共通して響くメッセージだと思う」

「俺は、自分がこれまでに書いた曲や、今アイデアとして浮かんでいるもの、それらすべてに自信を持ってる。心にある言葉で作詞するっていう原点だけは、いつでも忘れないようにしてるんだ」

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