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KLFは自身の許可なく制作されたドキュメンタリーの公開中止を求めており、彼らの音楽の著作権を侵害していると主張している。

クリス・アトキンスが監督した『フー・キルド・ザ・KLF』というドキュメンタリーはKLFの音楽を管理する音楽出版社から反対の声があったものの、テキサスで開催されたファンタスティック・フェスで上映されている。同作では“3am Eternal”や“What Time Is Love?”といった楽曲の音源が公正利用の名目の下に使用されている。

『ガーディアン』紙によれば、クリス・アトキンスと製作チームは批評を目的とした使用であれば金銭や許可なく作品を使用できるという著作権の規定に依拠しているという。クリス・アトキンスはKLFのメンバーであるビル・ドラモンドとジミー・コーティが自身の音楽を論評する音源を使っていることから基準を満たしていると述べている。

しかし、ビル・ドラモンドとKLFの弁護士は映画製作者たちが「極めて深刻な」著作権侵害を行っていると述べている。弁護士はそうした権利を保護して「法的手続きを進める権利を保証」するために「あらゆる手段を尽くす」としている。

昨年からKLFの音楽出版社はテキサスの映画祭での上映を含めて、このドキュメンタリーの公開を阻止しようとしてきた。

KLFの音楽出版社であるワーナー・チャペルのスポークスパーソンは次のように述べている。「私たちはソングライターの音楽の価値を常に支持しています。アーティストの音楽を大幅に使用した利益のために作られた長編ドキュメンタリーは著作権法の公正利用の対象にはなりません。だから、この件では行動を起こしているのです」

ビル・ドラモンドは法的措置について『ガーディアン』紙からのコメントのリクエストに応じていない。しかし、ジミー・コーティは2016年の時点でドキュメンタリーをこころよく思っていないことを明かしていた。「そんなことはやりたくありません。過去についての考古学的な掘り下げに過ぎません。私たちはもっと興味深い他のことをやりたいのです」

KLFは80年代末から90年代にかけて世界的なヒットと飛ばしながら、1992年に音楽業界を引退したことで知られている。

1992の年のブリット・アウォーズのアフターパーティーでKLFはダミーのマシンガンを発泡し、羊の死体を放置した後、すべてのバック・カタログを一度廃盤としている。

KLFが1987年に発表したデビュー・アルバム『ホワット・ザ・ファック・イズ・ゴーイング・オン?』には無許可のサンプリングが数多く含まれていたために、ABBAは法的措置を取っており、KLFはアルバムの販売を取りやめて、在庫を北海に廃棄している。

「初期の楽曲で無許可のサンプリングを使っていたのは皮肉なことです」とクリス・アトキンスは『ガーディアン』紙に語っている。

クリス・アトキンスはKLFの生涯のファンであるとして『フー・キルド・ザ・KLF』を製作したのはテキサスのファンタスティック・フェスを含め新しい観客に紹介したかったからだと述べている。

「すべてのポイントは彼らが存在していたことを知らない世代に伝えることなのです。この作品を観れば、ビルとジミーがすごかったと思うでしょう」

彼は次のように続けている。「この作品は語られてこなかった20世紀最高の音楽とアートの物語を伝えるものなのです」

KLFは2017年に23年の沈黙を破っており、ポール・デュエインが監督した新たなドキュメンタリー作品『ウェルカム・トゥ・ダーク・エイジズ』が先日公開されている。

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