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テイラー・スウィフトが、エリート主義であることや、「馬鹿げた、退行的なパブリック・イメージ」を体現しているとして、著名なフェミニストで作家のカミール・パーリアから非難を受けており、さらに「不愉快なナチスのバービー」とのレッテルを貼られている。

カミール・パーリアが寄稿した『ハリウッド・リポーター』によると、彼女はテイラー・スウィフトを「ガール・スクワッド」フェミニズムの現代的な象徴であると批評し、エリート主義で自己満足的だと表現している。

カミール・パーリアによる記事では次のように述べられている。「独立したキャリアを築くことができるオープンな現代では、女性のチャンスや地位は向上しているはずなのだ。しかし、その女性の立場をおとしめているのが、ガール・スクワッド(スウィフト軍団)のおバカで退行的なパブリックイメージ――クスクス笑いながら、舌を出し大袈裟な表情を浮かべ、親しげに腕を組み合う――なのだ。スウィフトは友人やセレブをパフォーマンスの小道具として持ち出す、不愉快なナチスのバービーという立場を退いたほうがいいだろう。自己顕示欲の塊となった様子は、ララ・マリー・シェーンハルスがヴァイラル・ビデオ“Please Welcome to the Stage”で見事にパロディに仕上げている」

「テイラー・スウィフトについて書くのは、私にとって恐ろしい試練となる。なぜなら、彼女の光り輝くペルソナ(仮面)が、私の若い頃にソーシャル・シーンを仕切っていたブロンドのファシストたちをフラッシュバックさせるのだ」

彼女はこう続けている。「ガール・スクワッドは、助言を与え、意見や経験を交換し合い、面白くて革新的な共同プロジェクトを始めるためにあるはずだ。男性同士の友情が非常に生産性の高いパワーであることを、女性は歴史から学ぶ必要がある。男性は結果重視のチームワークによって、女性特有の性的嫉妬、感情論、悪意に満ちたイジメなどから大きく距離を取っている」

「もしハリウッドの女性たちが広く観衆を求めるなら、お互いをけなし合うような女性特有の派閥争いをやめ、目標をもっと高く持たなければならない。ガール・スクワッドは、女性の発展のごく初期教育の段階だ。女性が文化に長く刻まれる証を残すためには、社交を減らし、自らの創造的な才能にレーザーのように一点集中する必要がある」

テイラー・スウィフトの『1989』ワールドツアーには、チャーリーXCXやロード、セイント・ヴィンセント、アヴリル・ラヴィーンなどの特別ゲストが数々出演している。

カミール・パーリアは、以前にも2012年発行の『ハリウッド・リポーター』でテイラー・スウィフトを批評しており、その際にはこのように記述している。「アメリカの最新の恋人として、テイラー・スウィフトが存在する。感謝祭の週末に発行された新聞の付録雑誌『パレード』の表紙で、彼女は1950年代を彷彿とさせるような魅力的な笑顔を輝かせている。テレビのインタヴューでは、研ぎ澄まされた平凡さと自虐性という『へえ、やだ、すごい』のペルソナを用いている。これは抜け目のない華やかなドレス選びとは完全に相反している」

「彼女が主にテーマとするのは、ボーイフレンドと、彼女の心を霞ませる私たちのような顔の見えない不届き者への不満だ。とりとめのない、横暴なテイラー・スウィフトの歌を聴くと、1963年に当時16歳のレスリー・ゴーアが歌ってヒットした曲“涙のバースディ・パーティ”が、社会的な主張、心理学的な筋書きを鋭く簡潔に表した非常に優れた名曲のように感じさせる」

アメリカの学者で社会批評家のカミール・パーリアは、1990年に『性のペルソナ』を上梓して反響を呼んだ。この本では西洋の歴史と文学における性的デカダンスを考察している。しかし、その型破りな視点から「アンチフェミニズムのフェミニスト」と揶揄する向きもある。

また、テイラー・スウィフトを侮辱する発言をしているビデオをオンライン上でリークされたジャレッド・レトが、セレブリティのゴシップ・サイト「TMZ」に対して訴訟を起こしていると報じられている。

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