セックス・ピストルズのフロントマンであるジョン・ライドンはバンドメンバーとの諍いの原因となっている契約について批判し、「奴隷制」になぞらえている。
ジョン・ライドンは現在バンドメンバーのポール・クックとスティーヴ・ジョーンズによって訴えられており、セックス・ピストルズの楽曲がダニー・ボイル監督によるバンドの先駆的キャリアを追った伝記映像作品『ピストル』で使用できるかを巡って争っている。
ポール・クックとスティーヴ・ジョーンズは1998年に締結したバンドメンバーによる合意で、楽曲のライセンスの決定は多数決によって決められることになっていると述べている。
しかし、ジョン・ライドンは彼の同意なく伝記映像作品で楽曲を使用することはできないと主張している。
現地時間7月21日に裁判に出廷したジョン・ライドンは「私がこれまで耐えなければならなかったことでも最も失礼なこと」だと説明している。
「バンドメンバーによる合意は1998年以降、私たちのやったことに適用されたことがありません」
この訴訟について「有害」で「罠」だと評したジョン・ライドンは次のように続けている。「スティーヴとポールがどうして道義的に心から同意できないことを関与させることもなく私にしろと主張する権利があると思っているのか理解できません」
しかし、ポール・クックとスティーヴ・ジョーンズの弁護士であるエドモンド・カレンはジョン・ライドンの主張について「間違った根拠」だと批判している。
ジョン・ライドンはバンドメンバーとの合意について「脅迫」だとして、契約した時その内容を理解していなかったと主張している。
一方、ドラマーのポール・クックはジョン・ライドンとの法廷闘争が続く中でバンドは「おそらく」二度と戻ってこないと語っている。
「曲を使おうとするとジョンとの関係は悪くなると思っていました」とポール・クックは証人供述で述べている。「なので、長年にわたって、いい関係を維持しようとスティーヴと私はジョンに対しておそらくいい人であり過ぎたために、それが難しくしてしまったんだと思います」
今年4月、ジョン・ライドンは『ピストル』について「これまででも耐えなければいけなかった最大の冒涜」と評している。ジョン・ライドンは映画製作サイドを訴える法的アドバイスを求めているとして、彼の同意や参加を求められることはなかったと主張していた。
『ピストル』は全6話で、メイジー・ウィリアムズがパンク・アイコンのジョーダンを、『ベイビーティース』への出演で知られるトビー・ウォレスがスティーヴ・ジョーンズを、アンソン・ブーンがジョン・ライドンを、ルイ・パートリッジがシド・ヴィシャスを演じる。
本作はディズニー傘下のFXチャンネルで放送される予定となっている。
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.