ウータン・クランの世界に1枚しかない2枚組のアルバム『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シャオリン』を落札した人物が、物議を醸しているヘッジファンド・マネージャーのマーティン・シュクレリ氏だということが明らかになっている。
マーティン・シュクレリ氏は、人の命に関わる薬であるダラプリムの販売権利を買収し、その値段を大幅に引き上げたことでニュースになった人物となっている。この薬は主に、エイズと診断された患者に使われている。マーティン・シュクレリ氏は過去にレコード・レーベルのコレクト・レコーズの投資家でもあったものの、ダラプリムの販売に鞍替えをし、「インターネット上で世界一嫌われている男」と名付けられている。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シャオリン』は1枚だけしか存在せず、88年間一般には公開しないことを決定事項としていた。
しかし、金融系情報ニュース「ブルームバーグ」は、アルバムのオンライン・オークションの落札者がマーティン・シュクレリ氏であることを明かしている。マーティン・シュクレリ氏本人は、ウータン・クランに自身の過去の騒動を知られることでアルバムの購入権利を剥奪されることを恐れ、以下のように話している。
「ウータン・クランがこの件を白紙にしようとしないか、ちょっと不安なんだ。あのことがあってから、何をするにも『マーティン・シュクレリの名前を出すべき? それとも隠しておく?』っていう流れになっている。ウータン・クランは、ある程度は自分たちの評判を守ろうとしたと思うよ」
ウータン・クランの事実上のリーダーであるRZAは「ブルームバーグ」に対し、以下のように語っている。「『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シャオリン』の買い手は5月に決まっていたから、マーティン・シュクレリのビジネスの問題が明らかになる前だった。僕たちは、今回の収益の大半を寄附することにしたよ」
RZAは以前、このプロジェクトに関してこのように説明していた。「絵画や彫刻を買うというのは、その作品の複製の権利を買うということではなく、作品それ自体を手に入れるということなんだ。ピカソを所有しているからといって、複製や模写を売れるというわけではない。その代わり、唯一無二の原画の、たった1人の所有者になるということなんだ。これが今回の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シャオリン』のプロジェクトの意味さ。アルバムのコピーではなくて、世界に1枚しかないオリジナルなんだ」
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・シャオリン』には128分、31曲分が収録されていると報じられている。
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