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『ガーディアン』紙が報じたところによると、アメリカの中古レコード店、アメーバ・ミュージックのロサンゼルス店で、わずか5枚しか存在しないと考えられている、ボブ・ディランのアルバムのテストプレス盤が12,000ドル(約148万円相当)で売りに出されているという。

販売されているのはボブ・ディランの1975年発売のアルバム『血の轍(ブラッド・オン・ザ・トラックス)』のテストプレス盤で、ボブ・ディランのディスコグラフィーのなかでも傑作としての呼び声が高く、全米チャートで1位、全英チャートでも4位を記録している。ただし、テストプレス盤は最終的にリリースされた作品とは内容が異なっている。

ボブ・ディランは『血の轍(ブラッド・オン・ザ・トラックス)』の最初のレコーディングを1974年の秋にニューヨークで行い、テストプレス盤が同年11月に制作されている。しかし、それを聴いた弟がアルバムは退屈すぎると説得したため、ボブ・ディランは12月にミネアポリスのスタジオに入り、新たに5曲をレコーディングすることになった。アルバムの完成盤にはミネアポリスでレコーディングした楽曲が収録され、1975年1月にリリースされている。

今回、アメーバ・ミュージックが販売するのはニューヨークでレコーディングされた楽曲だけを収録したテストプレス盤になる。

ニューヨークでの音源についてはこれまでにも広く知られており、他にも多数存在するボブ・ディランの未収録作品と同様に海賊盤が出回ってきた。また、音源自体は『バイオグラフ』や『ザ・ブートレッグ・シリーズ』第1集から第3集として公式にリリースされた作品の中にも収録されているが、テストプレス盤の実物は極めて貴重なものとなっている。

アメーバ・ミュージックの元にあるこのアルバムは、ニュージャージ在住の「とある典型的な業界人の家族」から買い付けた4000枚を超えるLPコレクションの中から見つかったという。このレコードはアメーバ・ミュージックのこれまでの中で最も高値で販売される商品となっている。

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