スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンが、先週亡くなった元ストーン・テンプル・パイロッツのフロントマンであるスコット・ウェイランドを悼んで、他の有名ミュージシャンたちと並んで追悼文を寄せている。
スコット・ウェイランドはミネソタ州でのライヴへと向うツアー・バスの中で亡くなったという。死因はまだ分かっていない。
ストーン・テンプル・パイロッツは、ニルヴァーナが確立したグランジ・サウンドを代表する第一世代のバンドの1つとされている。スマッシング・パンプキンズもまた、同じグランジ・サウンドで活動している。ビリー・コーガンは長文の追悼文をバンドの公式サイトに発表している。
ビリー・コーガンは、スコット・ウェイランドを「僕らの世代の偉大な声」の1人と評し、カート・コバーン、アリス・イン・チェインズのレイン・ステイリーと共に「僕らが彼らを失ったんだ。その逆ではない。悲劇以上のことだ」と記している。
手紙の全文は以下の通り。
「この訃報を耳にして、僕は紙とペンを取り出してスコットへの敬意を表さずにはいられなかった。僕は自分が知る以上のことを知っているフリなどしないし、彼が自分の人生をどれだけ愛していたかについて、くどくど付け足すこともしない。少なくとも彼は今、恩寵と永遠の愛の腕に抱かれていると言って間違いない。
そして、この大きな喪失の悲しみに暮れている彼の家族、友人、バンドメイトに謹んでお悔やみを申し上げたい。
ファンのみんなもそうだと思うけど、僕は自分の宝箱に入っているものを思い返していた。同世代の仲間として、またライバルとして切磋琢磨しあえた貴重な時間。お互いのバンドの人気など関係なく仲良くなれたこと。思い返せば、ありふれた話に聞こえるかもしれないけど、僕は彼を笑わせようと努力していたんだ。熱狂的にバカ騒ぎするパーティー(ハリウッドだった。まさに!)は、酷いストレスになるからね。
それが、僕なりの償いって思われるかもしれない。ストーン・テンプル・パイロッツがシーンに現れた時、僕は彼がどこかの狂った人間ロケットだとか言って批評してたからね。でも、彼はメチャクチャ爽やかでイケてるフロントマンだっただけじゃなく、なんと歌うこともできたんだ! 一流の俳優が、演じる役に合わせてリアルな声を演じ分けるようにね。
ストーン・テンプル・パイロッツの3枚目のアルバムは僕を釘づけにした。グラム・ロックとポスト・パンクの魔術的な組合わせだ。僕はスコットとバンドにすっかり白状したよ。彼らの生来優れているところを間違って評価していたってね。そして、デヴィッド・ボウイがそうであるように、スコットの歌詞が彼の音楽をユニークで、捉えにくい、美的な音の世界へと高めているんだ。
最後に、自分の想いをシェアしたい。不器用かもしれないけど、冥土のスコットも喜んでくれたらいいな。僕らの時代の偉大な声は誰だと思うか、と訊かれたら、僕は彼と、レイン(ステイリー)とカート(コバーン)だと答えるよ。
僕らが彼らを失ったんだ。その逆ではない。悲劇以上のことだ。
スコット・ウェイランドの死から一夜明けて、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーとストーン・テンプル・パイロッツのバンドメイトたちも、彼らの元フロントマンに哀悼の言葉を寄せている。
ストーン・テンプル・パイロッツのディーン・ディレオ、ロバート・ディレオ、エリック・クレッツはフェイスブックで声明を発表しており、「君の人生を共有してくれたことへの感謝を語り始めよう。僕らは一緒に音楽的栄光を築き、多くの人々に幸せと素晴らしい思い出を与えてきたんだ」
「思い出はたくさんある。それは深いところに根付いているものなんだ。僕らは君が善と悪の真ん中で闘っていたのを知っている。それこそが君を君たらしめていたものだった。君には言い尽くせぬ才能があった。スコット、その才能の一部は、君の災いの一部でもあったんだ」
「君と遺族に深いお悔やみを申し上げます。君が逝ってしまって驚いてる。すべての愛と敬意を。兄弟、君のことが恋しくなるよ」
スコット・ウェイランドはヴェルヴェット・リヴォルヴァーのフロントマンでもあり、ダフ・マッケイガン、スラッシュ、デイヴ・クシュナー、マット・ソーラムの4人は、ダフ・マッケイガンのインスタグラムに彼の写真を投稿し、以下の言葉を寄せている。「僕らは僕らの古い友達でバンドメイトのスコット・ウェイランドを失い深い悲しみに沈んでいる」
投稿の全文は以下の通り。
昔からの友人で、かつてのバンド・メンバーでもあるスコット・ウェイランドの訃報を受けて、メンバーみんなが深い悲しみに包まれている。スコットとは人生の大半を共に過ごしてきた。彼のつらい時期にも、希望と愛を持って一緒に乗り越えてきた。彼の音楽は永遠に生き続けるだろう。それだけは疑いの余地はない。スコットの二人の子供、ノアとルーシーに心から哀悼の意を表したい。俺たちのバンドは女房・子供も一緒に、ツアーで世界中を旅してきた。いつの間にか俺たちは大家族になっていて、それは今でも変わらない。とにかく今は悲しくて、失意の底にいる。スコットよ、安らかに。スラッシュ、ダフ、マット、デイヴより。
スコット・ウェイランドの死の知らせは彼のフェイスブックで金曜日の朝(12月4日)で確認された。彼の詳しい死因は確定されていない。
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