待望と言っても大袈裟ではないだろう。本日1月8日、世界各国を巡ってきたデヴィッド・ボウイの回顧展「DAVID BOWIE is」がここ日本でも開幕した。元々、イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館でデヴィッド・ボウイの生前に開催されたこの展覧会は、これまで世界9ヶ国を回り、総動員数150万人を突破している。これは164年に及ぶヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の歴史でも巡回展として史上最多の動員数だという。この展覧会以降、ザ・ローリング・ストーンズをはじめ、ザ・ジャムなど、様々な伝説的バンドの展覧会が開催され、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は今年2017年にピンク・フロイドの大規模展覧会を手掛けることも発表されている。
そう、回顧展「DAVID BOWIE is」が画期的な理由とは、ポップ・ミュージックがこれだけの歴史を持った現在、それを展覧会として見せる/魅せる新たなプラットフォームを発明したことにある。今回の展覧会の内容は、ある程度、時系列に沿ったものにはなっているものの、キュレイターを務めたジェフリー・マーシュも「彼のクリエイティヴィティを理解したかった」と語っている通り、ボウイが発表してきたアルバムや楽曲、パフォーマンスを中心に据えながら、その背景やインスピレーションを多様な形で浮かび上がらせている。そして、この展覧会を訪れた一人一人が、独自にそれを結びつけていくことで、自身のデヴィッド・ボウイを再発見することができる。それこそがこの回顧展の最大の魅力となっている。あと、驚かされるのは展示品の保存状態の良さだ。ボウイは最初からボウイであることを知っていたのだ。
ここでは1月5日に行われた内覧会で撮影した写真によるフォト・レポートをお送りする。いわゆるネタバレには御注意いただきたいが、今回写真で撮影したものは展覧会の一部であり、300点を超える品々によって展開されるデヴィッド・ボウイの世界は広大なものとなっている。ぜひ足を運んでいただきたい。
入口で待ち受けているのは、御存知、山本寛斎によるボウイのイメージを象徴するものの一つである1973年の衣装だ。
各コーナーにはそのテーマを記したこのようなガイドが設置されている。展覧会はデヴィッド・ボウイの幼少期を訪れるところから始まる。
そこからボウイのキャリア黎明期を伝えてくれる品々へと展示物は移っていく。
ボウイのファースト・アルバムはザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と同じ1967年6月1日にリリースされた。
そんな最初期のボウイのキャリアを映像で伝えてくれるのがこのコーナー。
最初のヒット曲となった“Space Oddity”も特別なコーナーが設置されている。
このあたりから展示物は色彩を増していく。イギリス出身のポップ・アート作家、エドゥアルド・パオロッツィの作品やマーシャル・マクルーハンの著書などが展示されている。
御存知、因幡の素兎のジャンプ・スーツ。この一着がボウイと山本寛斎の出会いのきっかけとなった。
日本からの影響がひと目で見て取れるコーナー。出火吐暴威のマントは天井高くに展示されている。
場内にはレコーディング・スタジオを模したコーナーもある。
『アースリング』のアルバム・ジャケットでお馴染みのアレキサンダー・マックイーンの衣装も一つの目玉となっている。
デヴィッド・ボウイ直筆の歌詞やスコア、メモなどが会場ではいろいろな場所に展示されている。
誰もが知るアルバム・ジャケットのイラストも例外ではない。
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