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ジーザス&メリー・チェインのジム・リードは、最新のインタヴューで兄でありバンドメンバーのウィリアム・リードとの関係性がニュー・アルバムに与えた影響などについて語っているほか、この世界には自分たちの「居場所なんてない」と感じていることを明かしている。

ジーザス&メリー・チェインは、先週3月24日に19年ぶりとなるニュー・アルバムにして通算7作目となる『ダメージ&ジョイ』をリリースしている。ジム・リードは『NME』のインタヴューに応じ、「凋落を迎えた」ギター・ミュージックについての現状や、愛憎に満ちたウィリアム・リードとの移ろいやすい関係性について語っている。

ニュー・アルバムを作るに至った経緯を教えていただけますか?

「ニュー・アルバムを作るっていうアイディアはずっとあったんだよ。2007年にもう一度やることになって、その時から話してたんだ。俺たちは言い争ってたんだよ。ウィリアムと俺で、どうやってアルバムを録るのかとか、どこで作るのかね。それをちょっと引きずってたんだよ。それでそういうことを全部二の次にしたら、ここ数年でどうやってアプローチするのかっていう手順についても俺たちは不思議なことちゃんと合意できてたんだよ。それで、ほらということになったんだ」

ファンが望むような、もしくは2017年版ジザメリ・サウンドに期待されているような音楽を見据えた制作はトリッキーな取り組みでしたか?

「決してそういうトリッキーな感じではないよ。俺たちは他人のためにアルバムを作ったことなんてないしな。今までに作ったアルバムは全部自分たちのためなわけだしね。他の人たちに買って欲しいとは思うし、そこは否定しないよ。だけど実のところさ、ひとたびファンのためにアルバムなんて作り出したら終わりなんだよ。ジーザス&メリー・チェインは決してそういうバンドじゃなかったし、これからもそういう風になるつもりはない。(制作過程は)すごくナチュラルだよ。あまり深く考えすぎずに作り始めて、時々嫌気がさすっていうね。至極、ナチュラルなプロセスだと思うよ。何曲も曲を作ってみて、まあ、そん時にジャズ・レゲエ・フュージョンみたいな音楽とか思いついてたらそれはやり過ぎだけどさ、作った曲にジーザス&メリー・チェインのどんなフレームワークが合うか考えるんだ。俺たちはめちゃめちゃいいジーザス&メリー・チェインの音楽を作りたいってだけなんだよ。俺たちが取り組んだのはそういう作業だ。全曲シングルカットしてもいいくらいのアルバムを作りたいんだよ。決して贔屓目に言ってるんじゃなくてね」

レコーディングはどこで行ったのですか?

「今回はユースとレコーディングしたんだ。ちゃんとプロデューサーを使ったのは初めてだったから、新しい経験だったね。レコーディングの大半はスペインにあるユースのスタジオで行ったんだ。レコーディング自体は数ヶ月で終わったんだけど、約1年の間ちょくちょくスタジオを訪れてたよ。数週間ごとに行ったり来たりを繰り返してたね。スタジオ入りする前に全部作り終えてたから、スタジオでは曲を書いていないんだ。行くあてがなかった楽曲たちを持っていったんだよ。別の曲名で以前にリリースされていた曲もあれば、新たにレコーディングし直した曲もあったし、新曲も何曲かあったかな。眠らせてた曲たちを誰かに聴いて欲しかったんだよ」

アルバムには元々2008年にリリースされていた楽曲“All Things Must Pass”も収録されています。死への恐怖を克服しようとする曲だと感じたのですが、それがこの楽曲のテーマなのでしょうか?

「それは単にウィリアムの心理状態だよ。あいつはそうやって世界を見てるんだ。特に死についての曲とかではないと思う。ジーザス&メリー・チェインのアルバムにおけるテーマは常に俺やウィリアムについてだし、この世界における自分たちの居場所について歌ってるんだ。実際のところ、俺たちにはこの世界に居場所なんてないんだけどね」

“Facing Up To The Facts”の歌詞、「I hate my brother and he hates me (俺は兄が憎いし、あいつも俺を憎んでる)」という歌詞について教えていただけますか?

「あの歌詞は、ここ数年内に何度かあった俺たちの仲違いをよく描写してるよ。俺たちの間にはたくさんの愛が溢れてると同時にたくさんの憎悪も溢れてるわけでね。それがバンドを動かす原動力でもあるんだけどさ。ジーザス&メリー・チェインのエンジンなんだ。怒りも憤りもあるし、手に負えないような喧嘩だってする。それがバンドを前進させてるわけだから、あくまでフェアな争いだよ。だからそれを歌にしたっていいんだ」

“The Two Of Us”にスカイ・フェレイラが参加した経緯について教えていただけますか?

「誰かとデュエットしたいと思っていた曲が何曲かあって、ふさわしい人を探していたんだ。その時にボビー(・ギレスピー/プライマル・スクリーム)がスカイを勧めてきてね。アリだと思って試してみたんだ。他にもイザベル・キャンベルが何曲かに参加してるし、ウィリアムのガールフレンドのバーナデッド・デニングも一曲参加してるよ」

近年のギター・ミュージックの現状についてはどう思われますか?

「今じゃギター・ミュージックもそんなに残ってないよな。世の中でギター・バンドをそんなに聴かないしね。アンダーグラウンドに追いやられた感じだね。ギター・ミュージックは今じゃヘタっちまった感じだろ。ポップ・アクトとロック・バンドの違いを言えないだろ。プロダクションがほとんど一緒にしちゃったんだよ」

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