ゴールは、聴き手が聴きたいように聴いてくれること。ひとつの具体的なことじゃなくて、グッとくるものを感じとってもらいたい。
その中で突き抜けようとしているようなアルバムのように感じたのですが、どのように広がってほしいですか?
「音楽シーンの変化や音楽文化の変化には影響を受けていると思う。というのも、自分がそのシーンに属していないと思うから。たとえば、シーンが少しロックから離れたら、僕たちは潜在意識の中で少しロック色を強くしようかなというような、シーンの動きの反対に進もうと思ったりはするかもしれないね。でも、実際、そういうことはあまり考えないんだ。自分たちにとって最も重要なのは、自分たちの感情を表現すること。先ほど話したみたいに、ここ数年間の経験だったり、バンドで乗り越えてきたこと、そいういった感情に寄り添って、そこにあらゆる風味や感情、サウンド、色を足していくんだ。ゴールは、聴き手が聴きたいように、受け取りたいように、聴いてくれること。ハッピーでも悲しくても、ワクワクする感覚でも、メランコリックでも、なんでもいいけど、“なにか”を感じてほしいと思っている。ひとつの具体的なことじゃなくて、グッとくるものを感じとってもらいたい。そうしたものを感じとってもらえれば、きっと友達にも紹介してくれるだろうしね」
メタリカやミューズが所属するマネージメントのQプライムと契約されましたが、これはどのような経緯だったんですか?
「アメリカのフォーク・ロック・バンドで、ドーズ(The Dawes)っていう、ザ・バンドにすごく影響を受けているバンドと友達なんだ。彼らもQプライムに所属しているけど、メタリカとかとは全然違うところが面白いんだけど、彼らがマネージャーたちに僕たちの音楽を紹介してくれたんだ。ブラック・キーズとツアーしたこともあったから、僕たちのことを知ってくれていて、ザ・モーニング・ベンダーズを聴いた時は、好きなサウンドだけど、契約したいとまでは思わなかったみたいだけど、ポップ・エトセトラを聴いたときは、違うオーディエンスを獲得できるポテンシャルがあると思ってくれたみたいで、僕たちに興味を持ってくれたんだ。メタリカやハードロックのバンドのイメージが強いかもしれないけど、シャナイア・トゥエインとか、ポップなアーティストもマネージメントしてるからね。世界的に有名なロック・バンドもいるからね。彼らは、良質なポップとか人々の共感をよぶようなアーティストに興味をひかれるようで、それは、僕たちが目指していることでもあるからね。あと、社長のクリフ(・バーンスタイン)も素晴らしい人で、良い関係性を築けているんだ。彼はポップ・ミュージックの生き字引みたいな人だから、曲を作ったら彼に送って、フィードバックしてもらっている。音楽的にこんなことができるマネージャーはこれまでいなかったよ」
あと、本作は大半を自宅でレコーディングをしたとのことですけど、大変だったんじゃないですか?
「実はこっちのほうが好きなんだ。レコーディングしているのとは別の部屋にギターがあったので、その部屋にいって、ちょっと手直しをして、また走って戻ったりするのが億劫だと思った時もあったけど、3人とも、どのようなサウンドでどのようなアプローチをしたいかという明確なアイディアがあったので、エンジニアとかアシスタントとか、他の人に見られているよりも、少人数でこじんまりとレコーディングしたいと思ったんだ。特にヴォーカルを録っている時は一人のほうが集中して世界に入れるけど、エンジニアがいると何度も録ってもらって申し訳ないという気持ちになったりもするからね。僕たちにとってはすごく自然なレコーディングの形なんだ。このスタイルがとても合っていたよね。この先もずっと自宅で録音するかどうかはわからないけど、続けていくんだろうと思ってる。こんな風に時間をかけて自然体で録音できたのは、なんて貴重な経験だったんだろうと思うよ」
木村カエラやGalileo Galileiとの作業もあったので日本のファンとは非常に近い関係があったんですけど、4年というのは決して短くない期間だと思います。ようやくアルバムを持って、カムバックできた達成感もあるんじゃないですか?
「僕たちも最高の気分だよ。ずっと重くのしかかっていたものからやっと解放されたというのかなぁ、特にここ6ヶ月から1年くらいの間、10曲に絞ってからは、ちょこちょこ手直ししたり、ミキシング、マスタリングをしたりがすごく大変だった。アルバム制作がこういうものだとはわかっていたけど、このアルバムでは特に時間がかかったよ。90%完成しているところでずっと足踏みをしている感じだった。だから完成して、僕たち以上に喜んでいる人はいないんじゃないかと思うけど(笑)、そうだね、ファンの皆さんと同じ気持ちだと思うよ」
リリース情報
ポップ・エトセトラ『スーベニア』
POP ETC/ Souvenir
2016年1月27日発売
1. Please Don’t Forget Me プリーズ・ドント・フォーゲット・ミー
2. Vice ヴァイス
3. I Wanted To Change The World But The World Changed Me アイ・ウォンテッド・トゥ・チェンジ・ザ・ワールド・バット・ザ・ワールド・チェンジド・ミー
4. Running In Circles ランニング・イン・サークルズ
5. What Am I Becoming? ホワット・アム・アイ・ビカミング
6. Backwards World バックワーズ・ワールド
7. Your Heart Is A Weapon ユア・ハート・イズ・ア・ウェポン
8. Beating My Head Against The Wall ビーティング・マイ・ヘッド・アゲインスト・ザ・ウォール
9. Bad Break バッド・ブレイク
10. I’m Only Dreaming アイム・オンリー・ドリーミング
11. Please, Don’t Forget Me featuring Yuuki Ozaki (Galileo Galilei)
12. Jonathan (Live Acoustic English Version)
13. Salvation/サルヴェイション(未発表曲)
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