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ステレオフォニックスは通算12作目のアルバム『ウーチャ!』をリリースすることを発表し、新曲“Hanging On Your Hinges”を公開しており、それに伴って『NME』はフロントマンのケリー・ジョーンズとインタヴューを行っている。

2019年発表の全英1位を獲得したアルバム『カインド』、ケリー・ジョーンズのソロ作『ドント・レット・ザ・デヴィル・テイク・アナザー・デイ』に続く新作でもってステレオフォニックスはデビューから25周年を迎えている。

3月4日にリリースされるアルバムについてケリー・ジョーンズは『ウーチャ!』の「90%がアップテンポであること」、ファースト・シングル“Looks Like Chaplin”から25周年にコンピレーションをリリースする話から発展したことについて語ってくれた。『ウーチャ!』はステレオフォニックスの作品をこれまでも手掛けてきたジム・ロウとジョージ・ドラクリアスのプロデュースで、わずか7日間でレコーディングされている。

リード・シングル“Hanging From Your Hinges”についてケリー・ジョーンズはZZトップから影響を受けたと語っている。

昨年、『NME』でインタヴューした時に2021年は25周年のコンピレーションを出すと言っていました。でも、届いたのは完全なる新作です。何が起こったのでしょう?

「『ウーチャ!』は25周年のコンピレーション作品の計画から始まったんだ。何を入れられるか見るためにハードディスクをあさり始めたんだけど、そのなかで未発表曲を見つけたんだよね。『ウーチャ!』のうちの3〜4曲はそれが基になっている。そして、それによってたくさんの新曲を書くことになったんだ。常に新曲で新しい観客を見つけようとしてきたから、コンピレーションは簡単過ぎると感じ始めたんだ。でも、スタジオに入ると、必ずしもアルバムを作ろうという感じじゃなかった。1週間、バンドとしてレコーディングしてみただけだったんだ。だから、『ウーチャ!』の多くの曲はライヴでできた。面白いのはヒット曲のコンピレーションを考えていたわけだけど、『ウーチャ!』を聴いた人たちは聴いたこともない曲なのにベスト盤みたいなサウンドだねって言うんだ。ミックステープみたいに様々なスタイルが入っているんだよ」

アルバム全体の雰囲気はどんなものになっていますか?

「いろんな瞬間があるんだけど、前作『カインド』よりはロックンロールだね。それが俺たちの核心にあるものなんだ。自分の内面を見つめ直す時期が人生にはあるけど、そうしたロックンロールの曲はごまかすことなどできないんだ。ギター・リフの曲が好きで、携帯にはそうしたアイディアがいっぱい詰まっているんだ。でも、それを感じられない時は歌詞を書いても無駄なんだよね。ここ数年はそうしたヴァイブを感じられなかった。今回はそれが合ったんだよ」

ソロ・アルバムに合わせて公開されたドキュメンタリー『ドント・レット・ザ・デヴィル・テイク・アナザー・デイ』では喉の手術からの回復過程が収録されていましたが、その影響はありましたか?

「多分ね。あれ以来、新しい歌い方を実験できるようになったことはいいことだった。新しいヴォーカル・スタイルに取り組むのは楽しかったし、常にそれに挑戦してきたからね。みんなに認知してもらっている自分の声というのはあるけど、ステレオフォニックスのカタログを振り返ると、いろんなヴォーカル・スタイルがあるんだ」

“Hanging On Your Hinges”は確かに再び叫ぶ準備ができていることを示していますね。

「まさにそうなんだ。あの曲は前作『カインド』のセッションで最初にレコーディングしたんだけど、あのアルバムには合わなかったんだ。顔につきつけてくるような高揚感のある楽しい曲で、そういう曲で戻ってきたかったんだ。『パフォーマンス・アンド・カクテルズ』の時の“The Bartender And The Thief”みたいな感じだね。ニュースの後にラジオから流れてきて、突然終わるというね。いい時間が流れて、ふと消えるんだ。素晴らしいギターのトーンによるいい曲だよ。キッズの頃、ZZトップのビリー・ギボンズのスタイルが好きだったんだ。プロデューサーのジョージ・ドラクリアスがスタジオで励ましてくれて、ギター・ソロを見事にやってのけたんだ」

他に『ウーチャ!』によくあるタイプの曲はどんな感じですか?

「アルバムにはアンセム的な曲もいくつかあって、そのうちの一つはザ・カルトみたいな感じなんだ。エルトン・ジョンの“Goodbye Yellow Brick Road”にR&Bのハーモニーがあるピアノの曲もある。アルバムの最後はザ・ローリング・ストーンズっぽい午前2時の土臭いセッションみたいな感じでね。前向きな感じがあって、90%はアップテンポなんだ。最近はあまり内省的になり過ぎるのはどうかと思っていてね。ライヴで演奏するのに合った曲のコレクションだよ。みんなにいい気分の体験をしてもらえると思う。内省的なものもあるけど、そこには『トンネルの先の光』の感覚があるんだ」

『ウーチャ!』とはどんな意味なのでしょう?

「2004年に『ランゲージ・セックス・ヴァイオレンス・アザー?』をレコーディングした時にスタジオで書き始めた言葉だったんだけど、どこから出てきたのかは自分にも分かっていなかったんだ。自分にとってはチャス&デイヴのようなロンドンの人やポール・ウェラーが『さぁ、やろうぜ!』と言っている感じかな。エアロスミスの『パンプ』だったり、ザ・ローリング・ストーンズの『GRRR!』や『HONK』だったり、意味がなく、フレーヴァーだけあるアルバム・タイトルが好きなんだ。タイトルってアルバムのムードに関係してくると思うからね。『ウーチャ!』というタイトルにしたら、内省的になんかなれないだろ」

6月にカーディフ・プリンシパリティ・スタジアムのヘッドライナー公演でキャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンをスペシャル・ゲストに迎えますが、彼らとはどのくらいの親交があるのですか?

「ヴァン・マッキャンと初めて会ったのはT・イン・ザ・パークの楽屋だったんだ。膝をついて賛辞を言ってきてくれてね。10周年で出したDVD『リワインド』を参考にして、父親と一緒に映像を撮影しているんだと言っていて、彼がどれだけ大ファンなのかは分からなかったんだけど、どれだけ自分たちのやっていることにどれだけ憧れているかをメールしてくれたんだ。自分も彼のバンドだしね。しばらく会ってないけど、連絡は取り続けているよ。バンドの中でいろいろあって、以前ほどまとまっていないという噂も聞いたけど、自分は何が起こっているか知らなくて、彼らはあのライヴをやることに同意してくれたんだ」

25年を経て、ステレオフォニックスがまだ証明すべきことは何か残っているんでしょうか?

「どんな形であれ自分の地位に甘んじることはできないよ。僕らの曲を聴いたことがなかったんだけど、新曲を聴いて盛り上がって、過去の作品に立ち返る16歳のキッズをいまだに見つけたいんだ。BBCラジオ2に合わせるとか、そんな簡単なことじゃないんだ。このアルバムのプロモーションは“Hanging On Your Hinges”のような面白い楽曲で始めたんだけど、ラジオXとかにかけてもらったんだ。今はいい立場にあるけど、これまでもそうだったからね。アルバムが常にそうだったかは別としてね。ツアーに戻りたくてウズウズしているけど、25年も経っていまだにアリーナでライヴをできていることには嘘じゃないかと思わせられるんだ」

リリース詳細

ステレオフォニックス
『ウーチャ!』 (Oochya!)
SICX 175 ¥2,640(税込)
歌詞・対訳・解説付
3月4日(金)世界同時発売
1. Hanging On Your Hinges / ハンギング・オン・ユア・ヒンジス  
2. Forever / フォエヴァー 
3. When You See It / ウェン・ユー・スィー・イット  
4. Do Ya Feel My Love? / ドゥ・ヤ・フィール・マイ・ラヴ?  
5. Right Place Right Time / ライト・プレイス・ライト・タイム 
6. Close Enough To Drive Home / クロース・イナフ・トゥ・ドライヴ・ホーム 
7. Leave The Light On / リーヴ・ザ・ライト・オン 
8. Running Round My Brain / ラニング・ラウンド・マイ・ブレイン 
9. Every Dog Has Its Day / エヴリ・ドッグ・ハズ・イッツ・デイ 
10. You’re My Soul / ユア・マイ・ソウル 
11. All I Have Is You / オール・アイ・ハヴ・イズ・ユー 
12. Made A Mess Of Me / メイド・ア・メス・オブ・ミー 
13. Seen That Look Before / スィーン・ザット・ルック・ビフォー 
14. Don’t Know What Ya Got / ドント・ノウ・ワット・ヤ・ガット 
15. Jack In A Box / ジャック・イン・ア・ボックス

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