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21世紀に全世界で最も売れたアルバムとなった『21』を4年前にリリースして以降、アデルは多くを語らなかった。その間、『007 スカイフォール』の主題歌(あの素晴らしい名曲“Skyfall”)を手がけ、母親にもなったが、じっくり腰を据えてのロング・インタヴューは3年ぶりだ。そういうわけで、今回の『i-D』誌とのインタヴューでニュー・アルバム『25』について語った際、話題は尽きなかった。

まずは音楽について。同誌は新曲“Hello”のミュージック・ビデオの公開前に発行されており、インタヴューでのアデルによると記憶に残りやすいピアノバラードだという。さらに『25』には、デンジャー・マウスやブルーノ・マーズとのコラボ曲やディスコ調の“When We Were Young”が収録されているという。

アデルは他にも、母親であること、大人になること、エイミー・ワインハウスについてなど多くを語っている。ここでは、その中からいくつか紹介するが、アデルがユーモラスなポップスターであると再認識できる素晴らしい内容だ。彼女以外に誰が、妊娠の時のことを「赤ん坊が私のアソコから今にも落ちてきそうだったの」と表現できるだろうか。君らしくていいよ、アデル。

1. 大人になることについて

「親になって、20代半ばを過ぎて気付いたのは、昔みたいに楽しいくらい悩んでいた時ほど悩む余裕がなくなったってこと。昔はいざこざが好きだったけど、ママになった今はそんな場合じゃないの。頭の中をすっきりさせないと。これって本当に癒し効果があるのよ。だって私、根に持つタイプだから。過去は水に流していった方が人生はラクよ」

2.『21』を繰り返さなかったことについて

「今回のアルバムは前作『21』と同じにならないように意識して作ったわ。私はもう悲しみに打ちひしがれていないから、そういう曲を書くつもりはなかった。前作を超える作品は作れないかもしれないけど、それが何? そんなのつまらないじゃない。それに、『21』を書いた時にあった感情は、今の私にはないの。当時は悲しくて孤独だった。母親やガールフレンドになることとは関係なく、あんな風に感じるのはもう嫌だわ」

3. “Hello”のミュージック・ビデオでの演技について

「監督のグザヴィエ・ドランはすごくいいって褒めてくれたわ。泣いたり、いろいろなことをしなければならなかった。これまでは絶対に演技なんてしないって言ってたからちょっとクソ野郎な感じだけど、とても楽しかったわ」

4. 母親になることについて

「もうクソつらいわね。大したことないって思ってたの。だってみんなやってるわけだから、何が大変なの?って思ってたけど、私が何も知らなかっただけね。大変だけど、驚くこともあるわ。息子のせいで自分がバカだと思うときもあるし、若いって思えるときもある。蹴とばしたり、言われたことをやらない子ども以上に、自分を縛りつける存在はないわ。前までは私の世界は私が中心だったけど、今は息子が中心よ」

5. “Hello”について

「この曲は誰かの感情を傷つけてしまったことを書いた曲であり、さらに自分自身とつながっていようとする曲なの。それは時に簡単なことじゃないでしょ。もう1人の自分を切望している曲よ。私は海外に行くと、地元の生活が恋しくなる。イングランドにいない時に感じる気持ちは、そうね……絶望かしら。他の場所では息ができないの。地元の生活に馴染んでしまっているから。だから、いろいろなチャンスを逃しているんじゃないかと心配になるわ。“Hello”は故郷にいたいという気持ちと、自分自身を含めて、これまで傷つけてしまった人たちとつながっていたいという想いと、謝罪の気持ちを込めた曲なの」

6. スティーヴィー・ニックスと会った時について

「彼女の前で泣いちゃったわ。なんてことなの。有名人の前で泣くのは気まずいし、相手にも申し訳ないから好きじゃないの。でも、この時は自分を抑えられなかった」

7. 前作から4年のブランクをあけたことについて

「1年くらい早くリリースしてもよかったかな、と時々思うこともあるわ。だけど、子どもができたし、急いでやることもできなかった。それに、ファンに待ちわびてもらわないといけないしね」

8. レコーディングで本調子になれなかったことについて

「クソみたいな曲を何曲か即興で書き始めたの。いや、クソではないわ。いいポップソングね。でも、それはただサッと書いただけで深く考えたくなかった。それに反対されたしね。私のマネージャーには『これはそんなに良くない』って酷評されたわ。それが私の自信を少しダメにしたのね。でも、私もわかってた。それでリック・ルービンに会いに行って曲を披露したら、彼は「君を信じられない」って言ったの。そう言われるのが一番怖いわ。みんなに信じてもらえないなんて。だから、元の計画に戻ったの」

9. エイミー・ワインハウスの影響について

「もし、エイミーと『フランク』がなかったら、100%ギターを弾いてないわ。“Daydreamer”も“Hometown”も書いてないだろうし、“Someone Like You”もギターで書いたの報道とは違って、わたしとエイミーはお互いを知らなかったの。友だちとか、そういうんじゃなかったのよ。わたしはブリット・スクールに通っていて、彼女も少し通ってたってだけで。でも、100万%、『フランク』を聴いてなかったら、こんなことにはなってなかったわ。崇拝してるの」

10. エイミー・ワインハウスの映画について

「(ドキュメンタリーを)観るつもりはなかった。エイミーのことは大好きで、ファンとしてすごく嘆き悲しむ時期を過ごしてきたの。やっとあらゆる意味で、彼女がわたしの人生に与えてくれたものを素晴らしいと思えるようになったのよ。本当に、本当に全部が大切なわけ。でも、映画のレヴューを読んで、観に行くことにしたの。お葬式の場面でものすごく込み上げるものがあったわ。でも、保存された留守電の声とか、そういうのには本当に入り込めなかった。邪魔された気がして、ちょっと居心地のいい感じではなかったのよ。映画を壊してる気がしたの。エイミーのことは見ていたいけれど、映画は観なければよかったかもと思ったの。でも、わたしはエイミーが大好きで、常にそうだし、これからもそうよ。何が私を悲しい気持ちにさせるかわかる? これまでの聞いたエイミーの声以外に、彼女の声が二度と聞けなくなるってことよ」

11. 出産について

「『007 スカイフォール』のプレミアの数日前の夜に出産したの。だから試写会については何もできなかったのよ。赤ん坊が私のアソコから今にも落ちてきそうだったの」

12. 名声について

「怖いって言ったらわかるかしら? 名声は私を壊してダメにしてしまいそうで怖いの。それに方向性を見失ったり、私が音楽の面で好きな人々を変えてしまったり。そして、私が愛する人々から私が変わってしまったと思われるのも怖いわ」

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