10位 ウルフ・アリス
UKの若手ロック・バンドではすっかり頭一つ抜けた存在となった。ヒットチャートなどではロックへの逆風も囁かれる昨今だが、そんなものはどこ吹く風、2015年発表のデビュー・アルバム『マイ・ラヴ・イズ・クール』と昨年リリースのセカンド・アルバム『ヴィジョンズ・オブ・ア・ライフ』という2枚のアルバムで、シューゲイザーからグランジ、ニュー・ウェーヴまでロックへの愛を高らかに宣言してみせた。アンプから出るディストーション・ギターのテクスチャー、ベースの低音、シンバルの鮮烈なサウンド、ロック・バンドでは当たり前のサウンドを愛おしく思わせてくれる、そんなバンドだ。
9位 アレッシア・カーラ
一度来日したことはあるが、その時は限定でのアコースティック・パフォーマンスを披露するに留まったので、やっとフル・パフォーマンスを観られるのが楽しみでしょうがない。今年2月に開催された第60回グラミー賞では最優秀新人賞を受賞したアレッシア・カーラだが、もうそんな紹介も必要ないだろう。デビュー・アルバム『ノウ・イット・オール』からの“Here”のヒットをはじめ、ゼッドとの“Stay”やロジックとの“1-800-273-8255”という2017年を代表するヒット曲にも参加してきた。そのヴォーカリストとしての実力も含め、きっと誰しもの心を掴むパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
8位 ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
本人曰く、今回は11人編成のバンドでステージに上がるとのことで、今まで観たことがないものもいくつかあるとしており、例のハサミもディジェリドゥもステージには登場し、チケット代の価値以上のものを届けるとも宣言していたが、まあ、まず間違いのないライヴをやってくれるだろう。最近のセットリストでも“Whatever”も、“Half the World Away”も、“Wonderwall”もやっていて、そして当然ながらあの曲もやってくれる。ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとしては初めてのサマーソニックとなる。再びスタジアム中のオーディエンスがシンガロングする光景をこの目に焼き付けたい。
7位 ジョルジャ・スミス
「未来のスター」に授与されるブリット・アウォーズの「クリティックス・チョイス2018」を受賞したジョルジャ・スミスだが、デビュー・アルバム『ロスト&ファウンド』は6月にリリースされたばかりながら、まさに受賞して然るべき功績を残している。2016年リリースの“Blie Lights”に惚れ込んだドレイクが自身のミックステープの客演に起用し、デュア・リパやカミラ・カベロらと共にブルーノ・マーズのサポート・アクトを務め、映画『ブラック・パンサー』のサウンドトラックではケンドリック・ラマーと共作までしている。数々のトップランナーたちを一度に魅了したその歌声は、今年のサマーソニックでも異彩を放ってくれるに違いない。
6位 ナイン・インチ・ネイルズ
ナイン・インチ・ネイルズと幕張と言えば、2009年にトレント・レズナー率いるバンドがサマーソニックのマリン・ステージで豪雨の降りしきる中披露した伝説的なライヴを思い出す人も多いことだろう。2016年の『ノット・ジ・アクチュアル・イベンツ』に始まるEP3部作が、今年6月に『バッド・ウィッチ』で完結したタイミングでの10年ぶりとなる幕張でのパフォーマンスは、舞台を屋内のソニックマニアに移して行われる。2年前には盟友のアッティカス・ロスを正式にバンドのメンバーに迎えており、阿吽の呼吸で、高い期待にそぐわない盤石のパフォーマンスを披露してくれるはずだ。新たな伝説を残してくることを願わずにはいられない。
5位 ベック
ベックが17年ぶりにサマーソニックという舞台に戻ってくる。ベックのアーティストとしてのキャリア、そしてサマーソニックというフェスティバルのこれまでの歩みを振り返ると、それだけで感慨深いものがこみ上げてくる。近年のベックのライヴの素晴らしさといったら文句のつけようのないもので、NME Japanではフジロックフェスティバル ’16のベスト・アクト・ランキングでもベックを1位に選出している。『カラーズ』という傑作のリリースと単独公演を経て、そのパフォーマンスにはさらに磨きがかかっているはず。ポップ・ミュージックそのものをセレブレイトしてくれるようなベックのステージが楽しみでしょうがない。
4位 ペール・ウェーヴス
同じレーベルであるダーティ・ヒットに所属し、デビュー・シングル“There’s A Honey”はマシュー・ヒーリーとジョージ・ダニエルがプロデュースを手掛けるという、ザ・1975の寵愛を一身に受けてシーンに登場したペール・ウェーヴスだが、今回のサマーソニックでのパフォーマンス、そして9月にリリースされるデビュー・アルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』でその真価が見えてくるはずだ。浮遊感のあるポップネスを自在に操るペール・ウェーヴスの音楽は昨今のイギリスのミュージック・シーンでも一線を画すものとなっている。そのインパクトあるルックスも含めてUKの新星を目撃しておきたい。
3位 マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
2007年にマイ・ブラッディ・ヴァレンタインが再始動したと言うニュースに歓喜してから、10年以上の月日が経っているというのだから驚きだ。その間にも2008年と2013年の2度にわたって来日を果たしている彼らだが、真夜中の幕張メッセで観るマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのステージはまた格別なのだろう。今年に入ってから精力的にツアー活動を行っている彼らだが、6月に出演したメルトダウン・フェスティバルのステージで新曲を披露したことを皮切りに、直前に行われた豊洲PITでの単独公演でも新曲が披露されている。鉄板のライヴ・パフォーマンスと合わせて、最新モードの彼らが放つ轟音を全身で堪能したい。
2位 テーム・インパラ
2016年に満を持して開催された初となる単独来日公演は、多くのファンにとってその年のベスト・ライヴ・リストの上位に位置づけられていることだろう。デビュー作をリリースする前の初来日公演がここサマーソニックのステージだった彼らも、今や世界屈指のライヴ・バンドに成長している。テーム・インパラが奏でるサイケデリックなサウンドは、それと絶妙に交わるケヴィン・パーカーの滑らかな歌声と相まってその場を恍惚なムードで包み込む魔力をもっている。大阪と幕張のソニック・ステージでヘッドライナーを務める彼らは、1日の最後にオーディエンスを別世界へといざなってくれるはずだ。
1位 チャンス・ザ・ラッパー
ベックの前にマリン・ステージに出演するのは、現代の音楽シーンを牽引するアーティストの1人であるチャンス・ザ・ラッパーだ。ストリーミング配信のみのミックステープで全米アルバム・チャートにランクインした初のアーティストになり、グラミー賞が従来の規定を変更してまで彼に賞を与えるなど、シーンの様相を現在進行形で未来の形に変化させているチャンス・ザ・ラッパーだが、昨年にヘッドライナーを務めた海外の錚々たるフェスティバルの映像を見ると、彼のライヴ・パフォーマンスそのものも明るく、希望に満ちたものとなっている。2018年に開催される音楽の祭典に、これ以上ふさわしい人物はいないのではないだろうか。
サマーソニック2018のオフィシャル・サイトはこちらから。
http://www.summersonic.com/2018/
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