NME Japanでは今週末に行われるフジロックフェスティバル ’18の観たいアーティストのランキングを作成してみました。とはいっても、これだけ多くのアーティストが出演するフジロックです。なので、あくまで独断で、編集部で観たいと思ったアーティストのなかから、議論を重ねて、このランキングを作成してみました。ぜひ参考にしてみてください。
20位 イヤーズ&イヤーズ
フロントマンであるオリー・アレクサンダーの俳優業の過去やセクシャリティなど、デビューから間もなくはキャラクターの部分が先行することも少なくなかったイヤーズ&イヤーズだが、彼らの高い音楽センスや、それをステージの上で全身を使って表現するオリーの芸術性こそが彼らの真骨頂であるのは言うまでもない。一昨年のレッド・マーキーでもそれを証明してくれた彼らだが、今年はグリーン・ステージでの出演となる。苗場の森が彼らの世界観に包まれ、ディストピアの皮を被った心地のいいユートピアに変貌を遂げてもなんら不思議ではない。
19位 ザ・フィーバー333
元レットリヴのフロントマンであるジェイソン・アーロン・バトラーが、ナイト・ヴァーシズのドラマーであるアリック・インプロタと、ザ・シャリオットのギタリストであるステファン・ハリソンと共に結成した3ピース・バンドであるザ・フィーバー333。音源を聴いただけでも、やっぱりヴォーカリストのジェイソンの存在感はすごい。経験に裏付けられたギターとドラムの骨太なサウンドをバックに、ジェイソン・アーロン・バトラーがラップを交えながら現代社会への不満を叫び、吐き出す様は単なる才能の寄せ集めではなく、かつてのミクスチャーを彷彿とさせる普遍的なスタイルとして噛み合っている。午前中からホワイト・ステージの熱量を上げてくれるに違いない。
18位 スタークローラー
今春に行われた初来日公演で見せた、アロウ・デ・ワイルドのフロントウーマンぶりは圧巻の一言だった。楽曲そのもののクオリティの高さもさることながら、ファンのみならずフー・ファイターズやライアン・アダムスら第一線で走り続ける先輩ロッカーまでもを惹きつけるのは、バンドの確固たるライヴ・パフォーマンスであり、紅一点のアロウ・デ・ワイルドが体現する堂々たるアティテュードなのだ。直前にフー・ファイターズの大規模なUK公演でのサポート・アクトを経験する彼らにとっては、もはやホワイト・ステージすら小さく感じてしまうのかもしれない。とりわけ他の若手バンドとは一線を画すアロウの存在感は、一度体感しておいて損はないはずだ。
17位 パーケイ・コーツ
こういうバンドを観られることこそ、フジロックにおける大きな醍醐味の一つだと言ってもいい。2014年以来の出演となる、アンドリュー・サヴェージ率いるブルックリン出身のバンドであるパーケイ・コーツは、今年5月にデンジャー・マウスをプロデューサーに迎えてリリースした通算6作目となる新作『ワイド・アウェイク!』で、従来のポストパンク的なガレージ・テイストにダンサブルな多様性を付け加えている。フェスティバルを文字通りの祭典だと捉えるならば、よりフェスティバル向きになった彼らのステージは昼下がりのホワイト・ステージをきっと盛り上げてくれるはずだ。
16位 オデッザ
ダンス・ミュージックのオーディエンスであれば、今年のフジロックで最も楽しみなアクトにオデッザの名前を挙げる人も少なくないはずだ。ハリソン・ミルスとクレイトン・ナイトによるユニットであるオデッザは結成以来、王道のダンス・ミュージックとは一線を画した高揚感のある広大な独自のサウンドで「ポストEDM」と呼ばれる時代を牽引してきている。ここ日本でもライヴ配信された今年のコーチェラ・フェスティバルでヘッドライナーを務めたエミネムの直前に披露したステージは、まさに時代がようやく彼らに追いついたという月並みな表現がそのまま当てはまるような圧倒的なものだった。待望の初来日とあって、そのポテンシャルは未知数だが、向こうのシーンで起きていることを確かめる絶好の機会だ。
15位 ルイス・キャパルディ
これまでにサム・スミスやラグンボーン・マンらのサポート・アクトに起用されていることが象徴するように、UKにおけるソウルフルなシンガーの系譜に連なるとも言える、スコットランド出身のシンガーソングライターであるルイス・キャパルディ。イギリスで活動するアーティストの登竜門として知られるBBCサウンド・オブ・2018の候補に選ばれるなど、本格的なデビュー・アルバムをリリースしていないながらにも、着実にUKでの地位を確立してきている。弱冠21歳のシンガーソングライターでありながら、多くの同胞ミュージシャンがラヴコールを送る所以はどこにあるのだろうか。しかと見届けたい。
14位 N.E.R.D
何もかもを自分印のポップ・ミュージックに昇華させるファレル・ウィリアムスが、1日目の夜から存分に楽しませてくれそうだ。昨年に、7年ぶりとなる新作『ノー_ワン・エヴァー・リアリー・ダイズ』をリリースしてシーンへの復帰を果たした、ザ・ネプチューンズのファレル・ウィリアムスとチャド・ヒューゴ、そして彼らの友人であるシェイ・ヘイリーの3人からなるN.E.R.D。その間のファレルの活躍ぶりは言うまでもないが、同じくヘッドライナーを務めるケンドリック・ラマーを初めリアーナなどのAクラスのアーティストを新作に招集できる求心力はN.E.R.Dとしての実力あってのもの。数々のヒット曲と共に最高のパーティー空間を生み出してくれることは間違いないだろう。
13位 スーパーオーガニズム
日本人フロントウーマンのオロノを筆頭に、イギリス人、オーストラリア人、ニュージーランド人、韓国人からなる、その名も日本語で「超個体」を意味する8人組多国籍バンド、スーパーオーガニズム。シンデレラ・ストーリー的なデビューの仕方も話題になり、その注目度の高さから、今年2月の初来日公演はデビュー前にもかかわらずソールドアウトとなっている。8人という集団が、一つになりながらも所々でそれぞれの個性が際立つという適度なユルさはまさにインディペンデントな在り方そのもので、音源はもちろんそのパフォーマンスも実に癖になるものだ。2018年ならではのポップネスが詰まったデビュー作の楽曲をしかと堪能したい。
12位 ジョン・ホプキンス
「AM 1:15~ ジョン・ホプキンス」という響きに、高揚感を感じずにはいられないだろう。ジョン・ホプキンスを、真夜中に野外で観られるというシチュエーションは嬉しいものがある。ブライアン・イーノとの共作で培われたアンビエントの世界観や、プロデュースを手がけたコールドプレイの作品群にも現れている、ジョン・ホプキンスが生み出す静謐な世界には、やはり夜空の下で浸ってみたいと願ってしまう。今年5月にリリースした5年ぶりとなる新作『シンギュラリティー』では、その自然を包み込むような音楽性にさらに磨きがかかっており、ジョン・ホプキンスは初日の夜のクールダウンにうってつけのプレイを披露してくれることだろう。
11位 スクリレックス
次にヘッドライナーのケンドリック・ラマーを控えるというスロットだが、まあ、まず間違いのないパフォーマンスを見せてくれるだろう。ついにグリーン・ステージへの登場となるのは、もはやEDMというジャンルを超えてエレクトロニック・ミュージックとしての普遍性を体現してくれるアーティスト、スクリレックスことソニー・ムーアである。ホワイト・ステージを興奮のるつぼに叩き込んだ2013年のパフォーマンスもすさまじかったが、きっとさらにスケールアップしたステージを展開してくれるはず。彼がそのトラックで描き出すピークは、今年のフジロックフェスティバル全体のピークともなるはずだ。
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