10位 ジェイミー・T:グラストンベリー


昨夏、ジェイミー・Tはレディングでの控えめなシークレット・ライヴで復活を報告した。しかし、今年は彼にとって本来あるべき場所、メインステージに戻ってきた。グラストンベリーでは、ロンドン南部出身の仲間、マッカビーズのステージにゲスト出演しただけでなく、彼のライヴはアザー・ステージでも最も多くの観客の注目を集めることとなった。新旧織り交ぜた曲で盛り上がりながら、彼の不在はファンの心をよりとらえて離さない結果となったことが確認された。


9位 ザ・ストロークス:ブリティッシュ・サマー・タイム・フェスティバル(ハイド・パーク)


ザ・ストロークスの状態は決して良好とは言えない。長期的なツアーの離脱に伴い、ステージへの復帰は精彩を欠き、この時代のバンドの中でもっともエキサイティングなバンドは、もはや存在しない。しかし、ハイド・パークのステージでは違った。彼らの昔の人気曲や、ファンを喜ばせるトークを織り交ぜながら(ファンへのあいさつで、ジュリアン・カサブランカスの「やあ、セクシーなみんな、元気かい?」は一番人気なのも当然だ)、ザ・ストロークスはファンと同様に楽しんでいたようだ。


8位 パティ・スミス:グラストンベリー


「本当のことよ。グラストンベリーで尻もちをついたの、なぜなら私は動物同然だから」パティ・スミスは、ザ・フーのカバー“My Generation”を荒々しく歌いあげているときに転び、はにかんだ。パティ・スミスのライヴはグラストンベリーの中でも秀逸で、彼女より象徴的で人を感動させることのできるミュージシャンはそう多くないことを証明した。ダライ・ラマをステージに呼び、ちょっとした平和に関するスピーチの後、観客と一体となって彼のために“Happy Birthday”を歌った。感動的で、まさに夢のような瞬間だったと言える。パティ・スミスのような存在は他にはそういないだろう。


7位 ケンドリック・ラマー:ワイヤレス・フェスティバル


最新アルバム『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』は、今年のベスト・アルバムの1つとなるのは明らかだが、ケンドリック・ラマーは2015年のフェスティバル・シーズンでも大胆不適だった。レディング&リーズ・フェスティバルでは、最も多く観客を集めたアーティストの一人として、歴史的なロックフェスであるワイヤレスのステージを楽々と支配し、そこにいる誰もが必見のパフォーマンスだった。誰もがキング、ケンドリック・ラマーを賞賛した。


6位 ザ・マッカビーズ:レディング&リーズ・フェスティバル


「なんとも言えない、特別な瞬間だったね」とザ・マッカビーズのフロントマン、オーランド・ウィークスはレディング&リーズ・フェスティバルのメインステージでの大成功にほほ笑んだ。彼は、クロージング曲“Pelican”でファンと一体となって、大合唱したときのことを言っていたのかもしれないが、このロンドン南部出身のバンドのライヴ全体が非常に特別だった。熱狂的でエモーショナル、そして友人と抱き合ったときのような喜びにあふれるザ・マッカビーズは、ゆっくりとだが確実にイギリスで最も愛されるバンドになりつつある。


5位 リバティーンズ:グラストンベリー


シークレット・ライヴの情報がシークレットのまま保たれることはまれだが、リバティーンズは、グラストンベリーのステージに立つ直前まで秘密にした。彼らが登場するやいなや、観客は大興奮して喜びの雄叫びを上げ、ライヴはまるで苦労して得た勝利のように感じられた。


4位 フローレンス・アンド・ザ・マシーン:グラストンベリー


多くの人が、フローレンス・アンド・ザ・マシーンは2015年のピラミッド・ステージでのヘッドライナーを務めるべきだと語っていたが、彼女たちのヘッドライナーの話は最後の間際に飛び込んできた。フェスティバルの数日前に起こったフー・ファイターズのケガにより、フローレンス・ウェルチは人生で最も大きなライヴへの準備がほとんど出来ないままだったが、金曜の夜には落ち着いてやり遂げた。その積極性と純粋なパワーは、今後バンドを成功へと導く証となった。


3位 ブラー:ブリティッシュ・サマー・タイム・フェスティバル(ハイド・パーク)


ブラーの2012年のライヴは、ひどい機材トラブルに見舞われて台無しとなり、デーモン・アルバーンの声はフロントから5列目でもほとんど聞き取れなかった。その時のことを振り返ると、ブラーの新アルバム『ザ・マジック・ウィップ』のためのイギリスでの最初の大きなライヴは悲劇で終わる可能性もあった。しかし、今回は大当たりだったといえる。彼らは1列目の客にアイスクリームを配り、過去のアルバムから何曲も演奏した。ハイド・パークでの再挑戦は成功となり、訪れた観客には良いごほうびになった。ブラーのライヴを見なかった者は、おバカさんとしか言いようがない。


2位 カニエ・ウェスト:グラストンベリー


カニエ・ウェストのヘッドライナーは、注目の的だった。カニエ・ウェストの出演に反対する人々が署名活動を行い、10万人を超える署名が集まったことは近年のグラストンベリーの中では最も大きな話題となった。彼は気にしていただろうか? もちろん気にしていなかった。そして、カニエ・ウェストは自信を持って現れ、集中して戦った。バカバカしいクレーンに乗って。


1位 フォールズ:レディング&リーズ・フェスティバル


汗びっしょりの熱い喜びに満ちたステージに示されるように、その天才的な戦術でフォールズはピラミッド・ステージのオファー(リバティーンズのグラストンベリーでのシークレットライヴは、もともとはフォールズに打診されていた)を蹴って、ロングゲームでプレイすることを選んだ。オックスフォード出身の5人組は、8月までにライヴに向けたウォームアップも完了し、新作『ホワット・ウェント・ダウン』を引っ提げてレディング&リーズ・フェスティバルに登場。12カ月ぶりとなるイギリスでのビッグなショウにウズウズしていた。結果として、彼らはヒット曲を手短にシャープに披露した。30分間のライヴとなったが、観客の誰もが、2016年のヘッドライナーは彼らが務めるべきだと確信したにちがいない。

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