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フェスティバルに行ったら、ついついベスト・アクトについて語り合ったりしてしまうもの。けれど、なんといっても多くのライヴを観ているのは、同じフェスのステージに立つミュージシャンたち。ということで、今回はサマーソニックの出演アーティストのうち、若手のバンド全6組にフェスティバルで観た、これまでで一番すごかったライヴを教えてもらうことに。ライヴの楽しみ方は、十人十色、人それぞれ。御参考にどうぞ。

Palma Violets

palma

チリ・ ジェッソン(Vo/B)
「俺たちがこれまで観た中で一番すごかったのはコーチェラ・フェスティバルで観たニック・ケイヴだな。いつもとは違うライヴで……グラインダーマン名義での出演だったんだけど、なんと観客が約60人しかいなかったんだぜ」

ピート・メイヒュー(Key)「裏でブラーがちょうどライヴ中だったんだよな……」

チリ「そう。オーディエンスはみんなブラーを観に行ってたけど、あの日のニック・ケイヴはもう火がついたようにヤバかった」

ピート「驚異的なライヴだったね」

チリ「もう、観客の中に入るわ、ライヴ中にギターを投げるわで、マジすごかったね。そんな背後でブラーのくだらねぇクズみたいな90年代の音楽が聴こえてくるワケ。そして、目の前ではニック・ケイヴが歌ってる。ライヴ後は周りのオーディエンスたちと『これまで観た中で、最高のライヴだったな!!!』って興奮気味に話したよ。だって(ニック・ケイヴは60人しか観客が集まらなかったのを見て)その場で帰ることだってできたのに、男らしく最高のショーを見せてくれた。俺たちみたいなバンドにとってはすごくインスピレーションになる出来事だったよ」

ピート「あれは、またとない経験だったよね。だって、グラインダーマンのライヴの翌日にはニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズのライヴも観ることができたんだから。基本的には同じ演奏者なのに、まったく違うライヴ内容でね」

チリ
「そうそう。まったく違う個性が2日間楽しめた。俺、ニック・ケイヴのライヴはこれまでに何度も観てきたけど……コーチェラでの彼は二度と忘れられないような素晴らしいライヴを見せてくれた。俺もこの際、ニック・ケイヴみたいな髪型にしようかな」


Marmozets

marmo

サム・マッキンタイア(G)「僕は2年前にダウンロード・フェスティバルで観たスリップノットかな。このフェスで彼らのライヴを初めて観たんだ。とりわけ『メタルが大好き』ってワケじゃないんだけど、火を使った演出や照明のショー・アップされたステージが信じられないほど素晴らしかった。大雨が降る中、うちのオヤジとビール飲みながら観てたんだけけど、まぁ少し酔いが入っていたかもしれないけど、完全に吹っ飛ばされるほどすごいライヴだったんだ」

ウィル・ボトムリー(B)「俺はルクセンブルグのロッカフィールド・フェスティバルで観たヘッドライナーのミューズだね。ステージ・プロダクションを含めて、マジですごいライヴでブッ飛んだね! 俺たちは過去に何公演かミューズのUKツアーに帯同したことがあるから、彼らのライヴの素晴らしさは知っていたけど、フェスでの彼らはまた違って。とにかくライヴ・サウンドがものすごくクリアで、特にあのギター音が強烈にヤバかったね」

ジャック・ボトムリー(G)「あー、言われちゃったよ。俺も『ルクセンブルグで観たミューズ」って答えようとしてたんだけど……(苦笑)。じゃ、2013年のレディング・フェスティバルで観たアルト・ジェイを挙げようかな。彼らはライヴ・サウンドがもうすごくて感動したよ。気に入ってるバンドの1つだね」

ジョシュ・マッキンタイア(Dr)
「俺は先月観たベルギーのロック・ワチター・フェスティバルでのケミカル・ブラザース。長年のケミカルのファンだったから、先月初めて観ることができて嬉しかった! 一番最近感動したフェス・ライヴってこともあるのかもしれないけど、最高のライヴだったね!」

Q:ベッカはライヴの後、倒れちゃったみたいですけど、大丈夫ですか?

サム「ベッカはステージ上での熱さにやられて、ライヴ後、体調が悪くなっちゃったんだ……今は横になって休んでるよ。ちゃんと水飲んでるから大丈夫だよ」


Circa Waves

circa

キエラン・シュッダル(Vo/G)「これまで観たライヴで最高だったのは、確か2006年にリーズ・フェスティバルで観たフー・ファイターズだね。14歳の頃からずっと彼らのライヴを観たかったから、18歳の時に初めて観た時は感極まって泣いたよ。ああいう形でフェスで観ることができて良かった」

サム・ローク(B)「これまで観た中で一番良かったライヴは、レディング・フェスティバルで観たレディオヘッドかな。これは俺の悪いクセで、いつもライヴの途中で飽きちゃったりするんだけど、レディオヘッドのライヴは3時間も続いたのに他のライヴとは違った。演奏が非常にタイトだったね。あれはスペシャルな出来事だったよ」

キエラン「で、オマエもライヴ中、泣いた?」

サム「うん。多分3回は泣いたな……。3時間のライヴだったから、1時間に1回づつ(笑)。俺が男泣きしても許してくれるだろ? “Pyramid Song”で気持ちを抑えられなくなったね」

Q:今日も座るのをやってましたが、大成功でしたね。

キエラン「あれは、最近始めたんだよね。観客のノリがすごくいい時にやるんだ。今日のオーディエンスは最高だったから、やってみた(笑)。実はスリップノットのライヴからアイディアを拝借してて……彼らのは怒りに満ちた感じだけど、僕らのはハッピー・ヴァージョンだよ(笑)」


Wolf Alice

Wolf

ジョフ・オディ(G)「僕らも出演したアイルランドのフェスティバル、エレクトリック・ピクニックでこの4人で観てきたベックのライヴがとにかくすごかったよ!! ジャンルを超越した音楽性やミュージシャンシップに圧倒されたし、ヒット曲を全て網羅したセットリストだったしね」

セオ・エリス(B)「僕とエリーが数週間前にオーストラリアのスプレンダー・イン・ザ・グラスで観たオーストラリアのバンド、ポンドのライヴもこれまで観たライヴの中で最高のステージの1つだね。彼らのライヴ・サウンドは実に壮大で、とてもいい刺激を受けたよ」

ジョエル・アメイ(Dr)「これまで観たフェスでのライヴという意味では……僕もベック。他にはスプレンダー・イン・ザ・グラスで観たテーム・インパラも素晴らしかった。最近記憶に残っているライヴではこの2つかな。両者とも吹っ飛ばされるような強烈なライヴだったんだ」

エリー・ロウゼル(Vo/G)「17歳の時にグラストンベリーで観たミューズだな。大規模なフェスへ行ったのはこの時が初めてだったんだけど、最前列で観たの」

Q:よく行けましたね、最前列。

エリー「酔っ払った友人が大胆にも図々しく前の方へドンドン進んでいくから、私はただ一緒にいたら……なんと最前列に辿りついちゃって(笑)」


Smallpools

small

マイケル・カマーマン(G)「ダラスでエッジフェストに出演した時に観た、友人たちのバンド、グループラヴが素晴らしかった。グループラヴのライヴは合計で50回は観てきたけど、自分の友人たちがあれだけ大勢の観客が彼らの歌を大合唱しているのを目にして感動したよ。ヴォーカルのクリスチャンは正気とは思えないほど広い音域を網羅する、驚異的なシンガーだよね。人間技とは思えない時さえある。グループラヴはステージ上でのメンバー同士の演奏の絡みもすごいね。メンバー同士がまるで家族のようなケミストリーがあって、誰もが彼らのファミリーの一員になったような気持ちになるんだ」

ボー・クサー(Dr)「僕は18~19歳の時に観たデイヴ・マシューズ。ワシントン州にあるザ・ゴージっていう、この世で恐らく最も美しい会場の1つで開催されたライヴだった。崖の上にあるライヴ会場で、反対側には川が流れているという実に美しい設定なんだ。子供の頃からずっとデイヴ・マシューズの大ファンだったから、あの年齢で実際にライヴを観ることができて感無量だったよ」

ジョセフ・インティル(B)「僕はオレゴンで4~5年前に観たジョン・メイヤーだな。彼の大・大ファンなんだ。ソングライター、シンガー、ギタリストとしてのジョン・メイヤーも勿論大好きだけど、彼のバンドも実に素晴らしくて。各メンバーのミュージシャンシップがとにかくすごいんだ。異常なほどの大ファンなんだよね」

ショーン・スキャンロン(Vo/Key)「僕は2アーティストいて、どっちにするか迷ってるんだ。一つは、サウス・バイ・サウス・ウェストで観たアクアラング。ちなみに、初めてマイクと出会ったのは実はSxSWの会場なんだ。美しい会場で観たアクアラングはとにかく素晴らしかった! オーディエンスも飛び跳ねたりはせず(笑)、皆じっくり観ていて、ステージ上でのアクアラングはボタンを押して美しい音楽を奏でてた。あと、もう一つは、大学時代にニューヨークの小さなクラブで観た初期のサーティー・セカンズ・トゥ・マーズ。サウンドが壮大で圧巻だった。ジャレッド・レトはスターだね。いい刺激を受けたライヴだったよ」

Q:俳優だと色眼鏡で見ちゃったりしますが、そうしたことはありませんでしたか?

ショーン「僕の中で俳優とミュージシャンとしてのジャレッド・レトは分けて考えているから。彼はイケメンだから(笑)(俳優業という)『割のいいデイ・ジョブ』を得られて良かったよね(笑)」


Pretty Vicious

Pretty

エリオット・ジョーンズ(Dr)
「フェスってあまり行ったことがないんだけど……」

Q:もしフェスティバルがなかったら、普通のライヴでもいいですよ。

ブラッド・グリフィス(Vo/G)「この前、カーディフ城でマニック・ストリート・プリーチャーズの前座をやったんだけど、あのマニックスのライヴは素晴らしかったね。地元ウェールズでのライヴということもあって、とてもノスタルジックで地元愛に溢れた雰囲気が良かったんだよね。地元ファンは楽曲の歌詞を知ってるから観客も大合唱だったし。あのライヴはすごくスピリチュアルな体験だった」

ジャーヴィス・モーガン(B)
「それからパリで観たカサビアンも良かったなぁ」

トム・マッカーシー(G)「そうそう。俺とジャーヴィスが観たカサビアンは演奏がマジですごかったよな」

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