PRESS/ STEFAN DE BATSELIER

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9. “Some Might Say”


「天国なんて信じないと言うやつがいるかもしれない。地獄にいって、その言葉をそこに住んでるやつに言ってやれよ」

彼らの初めての大ヒット曲で、トニー・マッキャロルが最後にドラムを叩いたこの曲は、歌詞が際立つ作品で、ノエル・ギャラガ―がマンチェスターからビッグ・スモーク(ロンドン)に引っ越したことが歌詞に影響しているという。例によって怒りも顕わにしているが(「台所の流し台は魚であふれてる/彼女の頭ん中は汚れた噂話でいっぱいだ」)、この曲は快楽主義やロックン・ロールを象徴し、他の誰が何と言おうと気にしない、という思いを表現している。


8. “Rock N Roll Star“


「俺は輝く星のために生きてるんだ。みんなはそれを時間の無駄だという…でも俺の中では、夢は現実なんだ/今夜の俺はロックンロール・スターだ」

これはリアム・ギャラガ―のテーマ曲かもしれない。この曲は、彼らのアルバム『ディフィニトリー・メイビー』の1曲目を飾り、オアシスの物語を始めるのには最高のスタートだった。なぜなら、彼らはこの曲によってプロデューサーのオーウェン・モリスとの関係を築いたからだ。「俺はこの町で暮らしていて、そう簡単には出ていけない/毎日がものすごい速さで過ぎていく」という歌詞は、どんななりたい自分にもなれると空想してしまう週末の現実逃避について歌っているサビに先立ち、冒頭で歌われている。くだらない無意味な日々の存在に威嚇された理想主義者に対する感情を、言葉に表してみせているのだ。


7. “Champage Supernova”


「ホールをゆっくりと歩くんだ、キャノンボールよりも速く」

オアシスの曲の中でも一番サイケデリックなこの曲は、セカンド・アルバムの最後を飾っており、「空に浮かぶシャンペン超新星」とともに輝くことを歌った曲で、渦巻く高波の音やエンドレスなギター・ソロが登場する。ノエル・ギャラガ―によると、この歌詞は子供が見るテレビのキャラクターが長い時間をかけてホールを歩く様子を描いたもので、「ホール」は、彼が思いつく限りでは「キャノンボール」と韻を踏める唯一の言葉だという。


6. “Supersonic”


「エルサっていう女の子を知ってるんだけど、彼女はアルカ・セルツァーにはまってる/彼女はスーパーソニック・トレインに乗って、杖を使ってそれを鼻で吸い込むんだ」

「自分らしくあるべきだ、他の誰にもなれないんだから」、この曲はオアシスのキャリアの始まりであるファースト・シングルだ。ノエル・ギャラガ―は酒を飲んだ後に歌詞を書いた。ビールはヘビーなので嫌、ウィスキーは頭痛を引き起こすので嫌だったという彼は、酒屋に向かい、スタジオでの作業に向けてジンとトニック・ウォーターを買った。彼が作詞している最中に、スタジオの犬であるエルサがおならをして、シミのついたソファーから飛び降りた。愚かな彼は、失禁した犬についてのジョークを飛ばし、それを曲の中に取り入れたのだ。2つめの歌詞は、ノエル・ギャラガ―の過去を物語っている。


5. “Live Forever”


「君は僕と同じだと思う、他の奴らが絶対に分からないことが僕らには分かるのだから」

永遠に若く、無鉄砲でいたかった「誤解された世代」に向けた、ピーター・パン的なテーマの楽曲(同様に参照して欲しいのが“D’You Know What I Mean?”のカップリング曲“Stay Young”のコーラスの歌詞だ。「なあ! このままずっと若く無敵でいようぜ、自分が何者かということを俺たちはよく知っているのだから」)。そして、熱を帯びた連帯感、理想、快楽と生命力をもって、この世代を一つにするのがリアム•ギャラガーのパワフルな咆哮だ。この歌詞をリアム・ギャラガーのように表現することは、世界広しと言えど他の誰にもできないだろう。


4. “Morning Glory”


「全ての夢が生まれるのは、鏡とカミソリの刃を手放せないでいる時のことだ」

元々は“Blue”と“The Mirror And The Razorblade”というタイトルの別々の曲が制作段階にあり、それを1つにまとめたのが後にオアシスの2枚目のアルバムのタイトル曲となったこの楽曲だ。ノエル・ギャラガーは以前に、この曲は友達とドラッグをやって、すべての悩みを忘れた後、翌朝ひどい後遺症と共に目覚めるまでを歌っていると語っている。ミュージック・ビデオは、伝説的な映画監督リドリー・スコットの息子、ジェイク・スコットによって制作されている。ノエル・ギャラガーはフー・ファイターズが “Monkey Wrench”のミュージック・ビデオを撮影する際に、コンセプトを盗用したことをほのめかしている。


3. “Don’t Look Back In Anger”


「暖炉の傍らで立ち上がるんだ、そんな顔はやめてよ/君には俺の心を萎えさせることなんて絶対にできないんだよ」

“Don’t Look Back In Anger”は、オアシスの多くの場合がそうであるように、ザ・ビートルズから着想を得ている。ノエル・ギャラガーはアメリカへ旅した時に、ジョン・レノンの生涯を扱ったカセットを購入しており、その中で憧れの人物であるジョン・レノンがベッドから革命を起こすことについて語っているのを聞いた。ノエル・ギャラガーは、リアム・ギャラガーに“Wonderwall”か、この曲か、どちらかを選ぶように言った後、この曲でリード・ヴォーカルを取っている。リアムは前者を選んだというわけだ。噂ではリアム・ギャラガーがリード・ヴォーカルのテイクも存在するということだが、真相を知るのはノエル・ギャラガーのみというところだろう。


2. “D’You Know What I Mean?”


「めちゃくちゃな格好でやって来たけど、華々しく着飾って出かけて行くんだ、男前ではないけれど、俺だって誰かしらの息子なんだ」

オアシスの3枚目のアルバム『ビィ・ヒア・ナウ』の1曲目に収録されており、オアシスが自分たちの才能を糧にさらにゆるぎなく成長したことを知らしめた。率直に言ってしまえば、前アルバム2作の成功を踏まえれば当然のことだ。彼らは、マンチェスターからやってきた、危険な賭けに出る冒険者であり、この時すでに、願っていたすべてを手に入れていたのだから。ヘリコプターからメンバーが登場する、凝りに凝ったミュージック・ビデオのコンセプトを思い出していただけるだろうか。華々しいのは確かだ。


1. “Cigarettes & Alcohol”


「これは気のせいなのか、それとも俺はついに生きがいってやつを見つけてしまったのか/俺は刺激的なことを探してた、でも見つけたのはタバコと酒くらいのもんだ」

1994年、ロンドン郊外の街に住み、うんざりした毎日の中、働かされ過ぎなのに低賃金であり、週末のためだけに生きているという、不満だらけの若者たちに向けて高らかに呼びかけた1曲。リアム・ギャラガーとノエル・ギャラガーは労働者階級を支持しており、リアム・ギャラガーが次のような問いをねっとりと歌い上げる時の鬱積した感情は、今なお共感を呼ぶはずだ。「そもそも働くことに何の価値も見いだせないのに、仕事を探してイライラする意味なんてあるのか?」。明らかにリアム・ギャラガーは意味なんてないと判断したようだが、その代わりに彼はとんでもなくビッグなロックスターとなったのだ。

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