Dave Benett/WireImage

Photo: Dave Benett/WireImage

エド・シーランは楽曲をリリースするたびにチャートとの結びつきを強めている。彼が2017年1月6日に同時リリースした2曲のシングル“Castle On The Hill”と“Shape Of You”は、公開してすぐにスポティファイの1日の再生回数の記録を更新した。その後は大規模なツアーも控えている。

彼のセカンド・アルバム『x(マルティプライ)』は、アメリカで200万枚のセールスを突破し、続いて母国であるイギリスでもここ10年で最も売れたアルバムの1つとなった。少しでもチャートのトップ40入りの野望を抱いているアーティストであれば、誰もがエド・シーランと一緒に仕事をしたがり――最近の例だとジェイムス・ブラントだろう――エド・シーランは過去5年でそのソングライティングの才能を分け与え、数々の大ヒット曲を生み出してきた。売上げ数百万枚のヒット曲からあまり知られていないコラボ曲まで、エド・シーランが自身のソロでの楽曲としてではなく、他のアーティストに提供した曲の数々をご紹介しよう。

1. ジャスティン・ビーバー “Love Yourself”(2015年)

ジャスティン・ビーバーのアルバム『パーパス』の中で最もセンチメンタルな瞬間は、エド・シーランとプロデューサーのベニー・ブランコの協力で生み出されている。ジャスティン・ビーバーは共に曲を作り上げたエド・シーランを称賛し「彼は現在、業界で最も才能のある作曲家の1人だと思うよ。彼からのインプットと彼の物語、そして僕らの物語を一緒にして、『これまで何を経験してきたっけ?』って言いながら、一つの物語を語っていくんだ」とイギリスのラジオ局「キャピタルFM」にジャスティン・ビーバーは語っている。また2017年に入ってから、エド・シーランはこの曲は元々、彼のサード・アルバム『÷(ディバイド)』用に書いた曲だったと明かしている。

2. メジャー・レイザー “Cold Water”(2016年)

エド・シーランとベニー・ブランコという夢のタッグが再び実現した。それがジャスティン・ビーバーとデンマークの歌姫、ムーをゲストに迎え、ディプロのユニットであるメジャー・レイザーに提供することになった記録破りのスマッシュ・ヒット“Cold Water”だ。ディプロは共同で作曲を行う機会を何年も待ち望んでいたという。「この曲を聴いた瞬間、これだって思ったよ」と語っている。

3. ワイリー “If I Could”(2011年)

あまり話題に上ることはないが、エド・シーランのグライム時代も非常に輝かしいものだった。それを物語る作品が、P・マニー、JME、そしてワイリーをフィーチャーした2011年リリースのEP『ナンバー・ファイヴ・コラボレーションズ・プロジェクト』だ。その後、エド・シーランとワイリーは“If I Could”でもタッグを組んだが、間もなく仲違いをしてしまった。決して憎み合っているわけではないとしながらも、グライム界のゴッドファーザーであるワイリーは『ガーディアン』紙に対して「俺はエド・シーランの音楽に協力したが、彼は俺の音楽に協力したがらなかった」と語っている。「一定のレベルまで上り詰めてしまうと、同じレベルの人間としか仕事ができなくなるんだろう。それが問題なんだ」

4. オリー・マーズ “Love Shine Down”(2010年)

英オーディション番組「Xファクター」の2009年度準優勝者であり、常に小生意気でお茶目な男、オリー・マーズが、過去にレゲエ・テイストを見せたことがある。それが、2010年のデビュー・アルバム『オリー・マーズ』の収録曲で、エド・シーランとタッグを組んだ“Love Shine Down”だ。バスティルのダン・スミスも作曲者に名を連ねており、またジェシー・Jもゲストとしてバック・ヴォーカルを務めている。ポップの才能が集結した、型破りな名曲だ。

5. ジェシー・ウェア “Say You Love Me”(2014年)

ジェシー・ウェアによる2014年発表のアルバム『タフ・ラヴ』は彼女が結婚する1年前から制作が開始され、恋愛をテーマにした楽曲に溢れた作品だ。収録曲の“Say You Love Me”はエド・シーランが制作に携わり、自身の声を重ねて20人もの聖歌隊がバックコーラスで歌っているような演出を施している。「あんなに才能溢れた人と仕事ができて、すごく光栄よ」と当時、ジェシー・ウェアは『ザ・デイリー・スター』紙で語っている。「実際に作曲をしている彼の姿を垣間見ることができてラッキーだったわ。ただただ嬉しくて、感心するばかりなの。彼は多くの作品を残しているし、それは永遠に生き続けるわ」

6. ザ・ウィークエンド “Dark Times”(2015年)

大ヒットしたザ・ウィークエンド(本名:エイベル・テスファイ)のアルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』に収録されているスムースな1曲は、ザ・ウィークエンドとエド・シーランが初めて出会ったパーティーで「泥酔した状態」の時に作られたという。ザ・ウィークエンドは“Dark Times”がリリースされるとエド・シーランを大いに称賛している。「今までに多くの人と一緒に作曲をしてきたけど、彼のように仕事が早くて優れた作曲家に出会ったのは生まれて初めてだよ」とトロントの観客に向かって公言していた。

7. ワン・ダイレクション “Little Things”(2012年)

エド・シーランがこの“Little Things”をシンガー・ソングライターのフィオナ・ビーヴァンと共作したのは、彼が17歳の時だった。ワン・ダイレクションのセカンド・アルバム『テイク・ミー・ホーム』の制作への参加を依頼され、メンバーとの作業に加わったエド・シーランだったが、スタジオで昔に書いた“Little Things”のデモをかけると、その感傷的で親密な曲の雰囲気をメンバーたちは一瞬で気に入ってしまった。エド・シーランは2012年、この曲についてこう語っている。「これまで書いてきたものの中でも、この曲の歌詞は特に気に入っているんだ」

8. テイラー・スウィフト “Everything Has Changed”(2012年)

テイラー・スウィフトのアルバム『レッド』に収録された、彼女とエド・シーランのコラボレーション曲“Everything Has Changed”のミュージック・ビデオは、子供時代の2人にも見える少女と少年が学校で共に過ごしながら強い絆を育んでいくストーリーとなっている。ちなみに、この曲のバック・ヴォーカルを務めているのがスノウ・パトロールのギャリー・ライトボディであるということは、あまり知られていない事実だ。

9. ルディメンタル “Lay It All On Me”(2015年)

ルディメンタルは、エド・シーランのセカンド・アルバム『x(マルティプライ)』に収録された傑作“Bloodstream”の作曲にも貢献している。その恩返しとも言うべきか、エド・シーランはルディメンタルのアルバム『ウィー・ザ・ジェネレイション』の収録曲“Lay It All On Me”がお蔵入り寸前となっていた際、この曲を「救って」みせた。学生時代からエド・シーランを知っているというルディメンタルのメンバー、アミー・アモーは『イヴニング・スタンダード』紙に対してこう語っている。「しっくりくるヴォーカルが見つかっていなかったんだ……だけど、ある日、俺たちとエドでスタジオに入っていた時にこの曲を演奏して聴かせたら、エドがすごく気に入って、参加したいと言ってくれた。彼は最高のヴォーカルを入れてくれた上に、すばらしいCメロまで作ってくれたのさ」

10. ヒラリー・ダフ“Tattoo”(2015年)

2015年、8年振りとなるアルバムをリリースするにあたり、ヒラリー・ダフは誰とタッグを組むべきなのかをわかっていたのだろう。しかし彼女もまた、エド・シーランの常軌を逸した勤労意欲を目の当たりにした1人となった。「ロサンゼルスでミュージック・ビデオの制作中だった彼が、私にこう言ったの。『君に2歳の子どもがいることは重々承知しているんだけど、どうか深夜0時にスタジオに来てレコーディングしてもらえないかな?』ってね」と、ヒラリー・ダフは「MTVニュース」に語っている。「私は『深夜0時なんていったら、大抵は眠りについて3時間は経っている頃だわ』って返したの。でも、もちろん、彼がそう言うんだから従った。私、彼の大ファンなの。才能に溢れた人だわ」

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