Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

Photo: Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

1月より開催されている回顧展「DAVID BOWIE is」も残りの開催期間は1ヶ月あまり。既に足を運んだ方も多いと思うが、300点を超える品々があるなかで、なかなか1回ですべてを観ることができないのも事実。そこで今回はもしかしたら観逃していたかもしれない品々&トピックを御紹介します。気になるものがあった方はぜひ終わってしまう前に、もう一度足を運んで下さい。

1. スタンスフィールド・ロードの標識

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目線よりも少し高いところに設置されたスタンスフィールド・ロードの標識。デヴィッド・ボウイの生家はこの通りのスタンスフィールド・ロード40番地にある。1947年1月8日にこの場所でデヴィッド・ボウイはこの世に生を受けることとなった。6歳の時にボウイはこの家を離れて、ブロムリー郊外に引っ越している。

2. 「デヴィッド・ボウイ」の芸名を承認する手紙

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ザ・モンキーズのシンガー、デイヴィー・ジョーンズと混同されないために芸名を変更することになったデヴィッド・ボウイだが、マネージャーのケネス・ピットはそれを承認する手紙を送っていた。

3. ボウイの指と十字架のキルリアン写真

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キルリアン写真とは高周波を利用してその放電する発光現象を撮影したもの。デヴィッド・ボウイはこの写真の撮影を1974年に行ったとのことで、当時は有機体の持つエネルギーがフィルムにプリントされると信じられたことから、コカインを使用する前と後にそれぞれ撮影を行ったという。オリジナルのフィルムは損傷の危険性があり、2013年に制作されたレプリカが展示されている。

4. J・G・バラードの『クラッシュ』からの引用

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数多くのインスピレーションが展示されている「DAVID BOWIE is」だが、「インナー・スペースの宇宙飛行士」と題されたコーナーにはJ・G・バラードの作品からの一節が綴られている。人間が探求しなければならないのは、アウター・スペースではなく、インナー・スペースだとJ・G・バラードは主張していた。

5. トニー・ヴィスコンティのミックスによる約20分のマッシュアップ作品

Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

Photo: Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

デヴィッド・ボウイが選んだ100冊が天井に向かって螺旋状に展示されているこのエリアではトニー・ヴィスコンティのミックスによる約20分のマッシュアップ作品を聴くことができる。この音源は現在のところ、ここでしか聴けないものとなっている。

6. レコーディング・スタジオの出口

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至る所に「DAVID BOWIE is……」のメッセージが掲げられている今回の展覧会だが、レコーディング・スタジオの出口にもひっそりと「GETTING THINGS DONE(仕事をやり遂げる)」というメッセージが掲げられている。デヴィッド・ボウイは50年に及ぶキャリアの中で全27枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。

7. 未完成のジャケットと寸法を記した手帳

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デザイナーのフレディ・ブレッティに1972年にジャケットの制作をデヴィッド・ボウイは依頼しているが、ここにはボウイの採寸表が記されており、ウエストが僅か26.5インチ(約67cm)だったことが明らかになっている。

8. 『ヤング・アメリカン』のアートワークの試作品

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この試作品によれば、『ヤング・アメリカン』のアートワークをデヴィッド・ボウイは自身による写真やスケッチと歌詞を組み合わせたものにしようとしていた。しかし、このアイデアは最終的に実現していない。しかし、いかにアートワークまでデヴィッド・ボウイ自身が気を配っていたか伝わる一品となっている。

9. 『ダイアモンドの犬』のアートワークに隠された秘話

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ベルギー出身のポップ・アーティストのギィ・ペラートが手掛けた『ダイアモンドの犬』のアートワークだが、実はザ・ローリング・ストーンズからも同時期にギィ・ペラートに仕事を依頼していた。自分のほうを早く仕上げてもらえるよう、デヴィッド・ボウイがギィ・ペラートを口説いたことが解説で明らかにされている。

10. デヴィッド・ボウイの母マーガレット(ペギー)・ジョーンズからの手紙

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デヴィッド・ボウイに代わってファンに対して母親のマーガレットが手紙を書くこともあった。「彼女から返事を受け取って、僕は大いに興奮したものだ」とファンのイアン・R・ウェブは綴っている。

11. スポットライト俳優名鑑のデヴィッド・ボウイの紹介欄

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早くからデヴィッド・ボウイは俳優としてのキャリアについても視野に入れており、いわゆる日本で言うタレント名鑑にそのプロフィールが掲載されている。展示されているのは1969年のもの。

12. フロアにまで描かれたベルリン地下鉄路線図

Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

Photo: Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

ベルリン時代にまつわるものが集められた「ブラック・アンド・ホワイト」のエリアでは床にまでベルリンの地下鉄の路線図が描かれている。なお、このエリアのデザインは『ヒーザン』から『★(ブラックスター)』までのアートワークを手掛けたジョナサン・バーンブルックが担当している。

13. デヴィッド・ボウイのアパートの鍵

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ベルリン時代、デヴィッド・ボウイはイギー・ポップと共にハウプトストラッセ155番地に居を構えていた。昨年の訃報の際にはこの場所にも多くのファンが追悼のために訪れることとなった。

14. 1976年の日記

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手書きの歌詞やスコアはもちろんだが、日記まで読めてしまうのがこの回顧展だ。1976年1月23日の日記ではその後、ベルリン時代を過ごすことになるイギー・ポップについて「火は付いていないがイギーは乗り気で……喜ばしい」と綴り、「才能の氾濫」と称している。

15. デヴィッド・ボウイに宛てたエルヴィス・プレスリーからのファックス

デヴィッド・ボウイはこのファックスを『ステイション・トゥ・ステイション』ツアーの最中に受け取ったという。翌年の1977年にエルヴィス・プレスリーは亡くなることになる。デヴィッド・ボウイとエルヴィス・プレスリーは共に1月8日生まれで、誕生日が一緒だった。

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回顧展「DAVID BOWIE is」は4月9日まで開催され、各日当日券での入場も可能となっている。

展覧会の詳細は以下の通り。

展覧会名:「DAVID BOWIE is」
会期:2017年1月8日(日)~4月9日(日)
会場:寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川二丁目6番10号)
休館日:毎週月曜日
開始時間:[火・水・木・土・日・祝] 10:00~20:00 (最終入場19:00)、[金] 10:00~21:00 (最終入場20:00)
主催:DAVID BOWIE is 日本展実行委員会
企画:ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)
チケット料⾦(税込):<⼀般>前売¥2,200 / 当⽇¥2,400
<中学⽣・⾼校⽣>前売¥1,000 / 当⽇¥1,200
16時以降入場の会場販売当日券をトワイライトチケットとして200円引き(一般:2,200円/中高生:1,000円)で販売中

更なる詳細は以下のサイトで御確認ください。

http://www.DAVIDBOWIEis.jp

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