10位 チャーリーXCX “After The Afterparty”
ガール・パワーが強烈な“After The Afterparty”は、色鮮やかなテクノ・ポップ調の白昼夢であり、まるでメジャー・レイザーによってプロデュースされたスパイス・ガールズだ。リル・ヨッティが登場してパーティーの祭壇で賛美を捧げる前に、チャーリーは「私の下着の中が、スタジオ54みたいにキラキラしてるわ」という軽口を叩いている。
9位 レディ・リーシャー “Where Are You Now?”
バーミンガムのグライム女王が早口で猛烈にまくし立てる、実に面白いこの強力なヒット曲は、絶好調なディジー・ラスカルが乗り移ったかのようだ。ゲストのワイリーによるヴァースは、すでに美味しいケーキの上にデコレーションをさらに足しているようなものだ。ヤバいほど傲慢だが、それがいっそう魅力を引き立てている。
8位 スケプタ “Man”
「俺のリリックはカムデン・タウンのように華やかだぜ」と、スケプタはヘヴィだが陽気な曲“Man”で肩をすくめている。北ロンドンの情勢と、ソーシャル・メディアへの咆哮が目まぐるしく混ざり合うこの曲で、トッテナムの大物はイカしたビートに乗せて、仲間に忠誠を誓っている。
7位 カニエ・ウエスト “Ultralight Beam”
『ザ・ライフ・オブ・パブロ』のオープニングを飾るゴージャスなゴスペルで、カニエは自身がなろうと思えば大人しくなれることを証明している。ゲストのチャンス・ザ・ラッパーがさらに盛り上げるこの曲で、ヒップ・ホップの現在と未来を担う2人が偉大さを求めて手を組んでいる。調子っぱずれのシンガロングにももってこいだ。
6位 ビヨンセ “Formation”
“Formation”のビデオで、ニューオーリンズの洪水で水没するパトカーの上にゆったりと座るビヨンセほど、2016年のポップ・カルチャーで注目された人はいない。実に力強いこの楽曲で、ビヨンセは神懸かったトラップ・ミュージックを用いてブラック・カルチャーを褒めたたえている。2016年のビヨンセは大成功を収めた。
5位 クリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズ “Tilted”
今もあなたのプレイリストの中に残り続けている曲だろう。“Tilted”はクリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズのフランスでヒットした“Christine”の英語ヴァージョンである。何一つ失われることなく翻訳された、スムーズなR&Bのエッジが効いた極めてゴージャスなエレクトロポップである“Tilted”は、不朽の名作としてこれからも残り続ける。
4位 イギー・ポップ “Gardenia”
イギー・ポップの見事なまでに年月を経たバリトン・ヴォイスは、気取って歩くイカしたガレージ・ロック野郎の代名詞となっている。とりわけ性的なこの楽曲でジョシュ・オムがバンドをダークで不穏な裏通りへと導くと、イギー・ポップは自身に内在するレナード・コーエンを降臨させる。もう神の領域だ。
3位 チャンス・ザ・ラッパー “All Night”
チャンス・ザ・ラッパーの3作目となるミックステープ『カラーリング・ブック』は、生真面目な精神性のようなものを示したと思われていたかもしれない。しかし、彼はそんなもので最高の夜を邪魔させなどしなかった。この稀代のダンスフロア・ジャムは、ヒップ・ホップ黄金期の到来を告げている。
2位 ザ・1975 “Somebody Else”
映画『ドライヴ』のサウンドトラックで最も雰囲気のあるパートを抜き出したような、ゆっくりと燃え上がる美麗なサウンドの中で、マット・ヒーリーはすっかり傷心モードになっている。ムーディなミュージック・ビデオでは、マット・ヒーリーが車の後部座席で自分自身とセックスしているというプロットからも目が離せない。
1位 リアーナ “Work”
ゆったりとしたダンスホールのアンセムは、2016年で最もホットな曲だった。これは音楽に乗って執り行われる求愛の儀式であり、リアーナとドレイクにとっては、曲中で人目をはばからずにイチャつく新たな機会となった。この音速の流星の如き楽曲で、ドレイクはリアーナに愛を囁く。「もし君が双子でも、僕は君を選ぶんだろうな」
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