政治から世俗的なもの、極めて奇妙なものまで、ツイッターは、物思いに耽る世界屈指のフォロワー数を誇る者たちを通して、我々にあらゆるセンスを身につけさせてくれる。
コンスタントに自分の思想を世の中に発信するミュージシャンたちは、スタジオを離れても満足することなく内面を世間と共有する。一般的な思想であろうが実に自意識過剰なセルフィであろうが関係ない。
ツイッターでなら、何にだってなれる。コメディアンにコメンテーター、批評家に人生のコーチ。無限のオーディエンスを前にして、自分の最も野蛮な思想もキム・カーダシアンのように25万リツイートを獲得するかもしれないし、年間で一番面白いジョークを飛ばしてもブレナヴォンのように29回しかリツイートされないかもしれない。マライア・キャリーはディーヴァとしての火を灯し続けているし、スクリレックスは馬に乗っているし、シェールはトランプを吐瀉物に例えている。なんて生き甲斐のある時代だろう。
2016年は、いつだって自分たちより楽しんでる人がいるという事実を学習できた年になった。
Just rode a horse up a volcano pic.twitter.com/b2lyEpbSGU
— SKRILLEX (@Skrillex) March 4, 2016
「ちょうど馬に乗って火山を登るところ」
the bathroom at jon and vinny's is the best club I've ever been to pic.twitter.com/EBKGwJ9aec
— lanzo (@babyhaim) November 7, 2016
「ジョン&ヴィニーズのトイレって過去最高のクラブね」
次のツイートたちには関連があるかもしれない。
haven't got out of bed yet but i did sing pillow talk to my cat
— olly alexander (@alexander_olly) March 25, 2016
「まだベッドから出ていないけど、猫に”Pillow Talk”を歌ってあげたよ」
Tfw you get to the gates of heaven and they ask u for ur Apple ID password which u forgot
— Oscar (@oscar_scheller) December 5, 2016
「天国の門に辿り着いたのにApple IDのパスワードを求められて覚えてなかった時の気持ちったらもう」
u know it's time for bed when u see one of those home diy videos on facebook and ur like siiick finally an answer to my plastic bag problem
— Declan McKenna (@DeclanMcKenna) December 11, 2016
「フェイスブックでお手製のホームビデオたちを観て、ポリ袋問題の解決策をとうとう見つけてやったぜってなると、もう寝る時間なんだよな」
I don't have time to like things ironically.
— St. Vincent (@st_vincent) February 2, 2016
「何かを皮肉的に好きになる時間なんて私にはないわ」
ジェイデン・スミスは全投稿をリスト記事のタイトルのようにつぶやく。
Don't Argue With Anybody About What Color The Sky Is.
— Jaden Smith (@officialjaden) December 6, 2016
「空が何色かについて誰かと議論してはいけないよ」
政治の混乱は新世代の文化コメンテーターたちを刺激したようだ。
'Boris' keeps autocorrecting to 'virus'
— Jamie MacColl (@jamiemaccoll) June 30, 2016
「“Boris”(EU離脱派の中枢を担った前ロンドン市長のボリス・ジョンソン)って打つといつも”Virus”に勝手に訂正されるな」
大衆迎合主義が台頭してきたことに対しては知的な議論が交わされている。
TRUMP'S SO DISGUSTING,NO WORDS DESCRIBE HIM ‼️MAYBE VISUALS‼️
Hair In Soup,Gum Disease,kkk,
Maggots,SeaWorld,Pus,Fraking,Vomit,Child Hunger— Cher (@cher) April 12, 2016
「トランプって本当にイライラする。彼を形容できる言葉なんてないわ!!
もしかしたらヴィジュアルかもね!!
スープに浸かったような髪に、歯槽膿漏。へへへ。
ウジ虫。シャワーに当てた男性器。女性器。クソ。吐瀉物。飢えた子ども」
this wave looks like Trump pic.twitter.com/cPgC3aiquI
— Ezra Koenig (@arzE) April 28, 2016
「この波トランプに似てるな」
オノ・ヨーコは新たな大統領の誕生を彼女ならではの方法で受け入れている。
Dear Friends,
I would like to share this message with you as my response to @realDonaldTrump
love, yoko pic.twitter.com/s1BqfUgfLr— Yoko Ono (@yokoono) November 11, 2016
「親愛なる友人たちよ、ドナルド・トランプに対するわたしの思いとしてこのメッセージをみんなと共有したいわ。愛を、ヨーコ」
カニエは批評家に抗議している。
Pitchfork, the album is a 30 out of 10
— KANYE WEST (@kanyewest) February 15, 2016
「ピッチフォークよ、このアルバムは10点満点で30点だぜ」
セルフィー世代のナルシシズムは手に負えなくなってしまった。
So my daughter refuses to have this doll in her bedroom…Don't know why pic.twitter.com/jyTjpRXOFL
— Robbie Williams (@robbiewilliams) April 11, 2016
「この人形を寝室に置くのを娘に拒否されたよ。理解できん」
“ザ・1976”はファッション業界でちょっとした話題となった
My side project is starting to do really well pic.twitter.com/j2QILpa0wM
— matty (@Truman_Black) August 13, 2016
「僕のサイド・プロジェクトは幸先のいいスタートが切れたよ」
「ストレンジャー・シングス」はそこら中に見受けられる
when you realize you kinda look like the boy from stranger things pic.twitter.com/920Y74avB1
— BANKS (@hernameisbanks) October 11, 2016
「自分が『ストレンジャー・シングス』に出てくる男の子に似てるって気付いた時」
ブリット・アウォーズは愉快だった。
what's the wifi code? @brits
— RAT BOY (@RATBOY) February 24, 2016
「wi-fiのパスワードはなんですか?@brits」
ソファに座った皮肉屋たちも健在。
great British bake off is rigged
— Ezra Koenig (@arzE) October 5, 2016
「グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ(英BBCの料理番組)ってヤラセだよな」
https://twitter.com/americanxmoney/status/807714179520012293
「キャットベリー・クリーム・エッグ(イースターエッグ)のセールが始まる頃にはもうこの取り巻きたちもいなくなるんだろうな、絶対。#Xファクター・ファイナル」
マライア・キャリーは神々しかった。
https://twitter.com/MariahCarey/status/752555659418271744
「癪にさわる世界を旅する人」
我々は自分たちの識別能力を疑った。
Ross Geller or Drake? pic.twitter.com/pwTQklxUfj
— BLAENAVON (@blaeners) October 9, 2016
「ロス・ゲラーもしくはドレイク?」
いや、そんなことなかったかも。
Man still don't care about all that.
— SKEPTA (@Skepta) June 29, 2016
「そんなことこれっぽちも気にならないぜ」
ともあれ少なくとも2017年は楽しめそうだ。
If you thought 2016 was bad – I'm releasing an album in 2017.
— James Blunt (@JamesBlunt) December 13, 2016
「もし君が2016年を悪い年だと思ったのなら、2017年は僕がアルバムをリリースする予定なんだ」
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