PIETER M VAN HATTEM/NME

Photo: PIETER M VAN HATTEM/NME

ビリー・ジョー・アームストロングとマイク・ダーントがいかにもティーンぽくいい加減な、後にグリーン・デイとなるパンク・グループ、スウィート・チルドレンを結成してから早くも30年が経つ。

カルフォルニア州バークレーのDIYシーンであるギルマン・ストリートの音楽シーンにとって必要不可欠な音、すなわちポップ・パンクを作り上げたのは彼らだった。当時は誰も知る由もなかったが、その音は様々なバンドに影響を与えることになる。ブリンク-182、パラモア、マイ・ケミカル・ロマンス、そしてあなたがかつて第二火曜日に地元の少年広場で見たであろうキツめの黒スキニーを履いて下手くそなマスカラを顔に塗りたくった無名の彼ら。そんなことよりも、彼らはそれ以降も躍進を続け、キャッチーな曲や政治に病みつきになるリフを融合させることをいとも簡単に成し遂げてしまう。

稀代のパンク・バンド、例えば、ザ・クラッシュ、ブラック・フラッグ、ザ・セックス・ピストルズ、マイナー・スレット、ザ・ラモーンズ、フガジ、オペレーション・アイヴィは少しの間とはいえ、眩いほどに燃え上がった。グリーン・デイは違った。世界に他のやり方があることを見せつけた。ビール缶を大量に飲み干し、タバコの端みたいに燃えては尽きることを繰り返さずとも”本物”としての尊敬を勝ち得られることを彼らは示してくれた。彼らは常に何事をも楽しく保ち、何よりも極めてまともな曲を書き続けている。かれこれ25年近くもこれを実践してきている。

最新作『レボリューション・レディオ』のリード・シングル“Bang Bang”もその証拠の一つだ。

職業道徳の面でも見事の一言に尽きる。グリーン・デイにとってもうまい具合に進んでいる攻め方だ。パンクの世界ではロンドンのカムデンにあるライヴ・ハウス、アンダーワールド以上の会場で売り切れの文字を目にすることはほぼ不可能でだが、グリーン・デイは困難を切り抜け、持てる力をあますことなく、本当に興味深いことの数々をやってのけている。例えば、コンセプト・アルバム、ミュージカル、シークレット・ライヴ、三部作、そして基本的に何事も笑いを忘れずに、ロックンロールをあまり間に受けすぎないようにしている。U2とは大違いだ。

1980年代後期に将来的に彼らが世界でも有数の有名バンドに変貌を遂げ、ありとあらゆるアリーナ、スタジアム、そして世界中のフェスティバルのヘッドライナーを務めることになると伝えたところで、グリーン・デイ自身も面と向かって嘲笑うだろう。今でもそういう反応をしそうなところもまた彼らの魅力の一つだ。グリーン・デイは今でも10代の少年のように振舞うだけでなく、率直に言って、まだそういう風に見える。44歳にしてビリー・ジョー・アームストロングはいまだに黒のアイライナーを顔中に塗りたくって、曲がったネクタイを直そうともしない。自分自身の内に潜む悪魔と戦い、反対側から山のようなギターリフと、言うべきな何か大切な事とともに彼は出てきたのだ。

本日10月7日に通算12作目となるニュー・アルバム『レボリューション・レディオ』はリリースされた。グリーン・デイ、彼らこそが現存する最高のパンク・バンドなのだ。

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ